(2017/ジョー・ライト監督/ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、スティーヴン・ディレイン、ロナルド・ピックアップ、ベン・メンデルソーン/125分)
在庫セールを始めたTSUTAYAさんで購入した中古DVDから、まずはこの作品を観ました。
主演のゲイリー・オールドマンが主演オスカーを獲った「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」。ベビーフェイスに見えるようにふっくらさせた特殊メイクの辻一弘も、見事アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したそうです。
観てて面白かったのはチャーチルを任命する時のイギリス国王が数か月前に観た「英国王のスピーチ」のジョージ6世だった事。あのドラマでジョージ6世の兄エドワード8世は妃の為に国王の座をなげうってしまい、その為にジョージ6世は急遽国王にならざるを得なかったのですが、そのエドワード8世をチャーチルは支持していたらしく、今作では国王ジョージ6世はチャーチルに対して好ましい印象をもっていませんでした。「英国王のスピーチ」ではチャーチルをどう扱っていたのか忘れているので気になりましたネ。
海軍大臣時代のチャーチルには失策もあったらしく任命式の国王の態度はかなり冷たく描かれていました。
原題は【DARKEST HOUR】。イギリスにとって前途多難な暗黒の時代を時の首相チャーチルの動静を通して描いた実話を題材にしたドラマです。
第二次世界大戦が本格的になり始めた1940年。東欧に続いて北欧をも手中に収めたナチスドイツはヨーロッパ征服を目論んでベルギー、フランスへと西進していた。
同年5月、イギリスの国会ではそんなドイツに宥和的な政策を進めてきたチェンバレン内閣に対して野党労働党が不信任を突きつけ、与野党協力した挙国一致内閣を作るべしと声を上げた。与党保守党は野党が納得できる人間を選ばざるを得なくなり、党内では人気の無かったチャーチルを首相に推すことになった。
前首相チェンバレン、彼の友人である外相ハリファックスはドイツに対して講和の道を勧めるが、チャーチルはあくまでも強硬な姿勢を貫く方針だった。
フランスに侵攻してきたドイツに対しイギリス軍は敗走、港湾都市ダンケルクまで追いやられていた。このままでは数日で全滅するかもしれない。
ハリファックスはイタリアを仲介者としてドイツとの和平交渉を進めるか、さもなくば外相を辞任すると言い出す。
ナチスに戦いを挑んで破れてしまえばチャーチルの政治生命は終わってしまう。さりとて和平交渉を進めても敵の思うつぼ。イギリスに未来はない。
チャーチルは海軍提督に民間の小型船によるイギリス兵の救出作戦を発案、実行を命令するのだが・・・。
1940年5月の数週間を時系列に描いたストーリーですが、チャーチルの秘書として新しくやって来たミス・レイトンを配することによって戦時下のイギリス政府がどんな様子だったのかを新鮮な気持ちで見せてくれるし、チャーチルの妻や子供達との関係を点描することで彼の人となりも感じさせる、いい構成でした。脚本は「ボヘミアン・ラプソディ(2018)」などのアンソニー・マクカーテン。
チャーチルとハリファックスの心理戦とも言うべきやりとりが才人ジョー・ライトの演出でハラハラしながら観せられました。
お薦め度は★三つ半。
秀作だけど、映画的興奮の度合いからするとちょっと地味かも。
それと観終わった時に終盤の印象が戦意高揚的だなぁと思ったのも事実。なのでおまけの★半分は今回は無しです。
余談ですが、民間の小型船によるイギリス兵の救出作戦はワイラー監督の「ミニヴァー夫人」でも描かれていましたね。
在庫セールを始めたTSUTAYAさんで購入した中古DVDから、まずはこの作品を観ました。
主演のゲイリー・オールドマンが主演オスカーを獲った「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」。ベビーフェイスに見えるようにふっくらさせた特殊メイクの辻一弘も、見事アカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したそうです。
観てて面白かったのはチャーチルを任命する時のイギリス国王が数か月前に観た「英国王のスピーチ」のジョージ6世だった事。あのドラマでジョージ6世の兄エドワード8世は妃の為に国王の座をなげうってしまい、その為にジョージ6世は急遽国王にならざるを得なかったのですが、そのエドワード8世をチャーチルは支持していたらしく、今作では国王ジョージ6世はチャーチルに対して好ましい印象をもっていませんでした。「英国王のスピーチ」ではチャーチルをどう扱っていたのか忘れているので気になりましたネ。
海軍大臣時代のチャーチルには失策もあったらしく任命式の国王の態度はかなり冷たく描かれていました。
原題は【DARKEST HOUR】。イギリスにとって前途多難な暗黒の時代を時の首相チャーチルの動静を通して描いた実話を題材にしたドラマです。
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同年5月、イギリスの国会ではそんなドイツに宥和的な政策を進めてきたチェンバレン内閣に対して野党労働党が不信任を突きつけ、与野党協力した挙国一致内閣を作るべしと声を上げた。与党保守党は野党が納得できる人間を選ばざるを得なくなり、党内では人気の無かったチャーチルを首相に推すことになった。
前首相チェンバレン、彼の友人である外相ハリファックスはドイツに対して講和の道を勧めるが、チャーチルはあくまでも強硬な姿勢を貫く方針だった。
フランスに侵攻してきたドイツに対しイギリス軍は敗走、港湾都市ダンケルクまで追いやられていた。このままでは数日で全滅するかもしれない。
ハリファックスはイタリアを仲介者としてドイツとの和平交渉を進めるか、さもなくば外相を辞任すると言い出す。
ナチスに戦いを挑んで破れてしまえばチャーチルの政治生命は終わってしまう。さりとて和平交渉を進めても敵の思うつぼ。イギリスに未来はない。
チャーチルは海軍提督に民間の小型船によるイギリス兵の救出作戦を発案、実行を命令するのだが・・・。
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1940年5月の数週間を時系列に描いたストーリーですが、チャーチルの秘書として新しくやって来たミス・レイトンを配することによって戦時下のイギリス政府がどんな様子だったのかを新鮮な気持ちで見せてくれるし、チャーチルの妻や子供達との関係を点描することで彼の人となりも感じさせる、いい構成でした。脚本は「ボヘミアン・ラプソディ(2018)」などのアンソニー・マクカーテン。
チャーチルとハリファックスの心理戦とも言うべきやりとりが才人ジョー・ライトの演出でハラハラしながら観せられました。
お薦め度は★三つ半。
秀作だけど、映画的興奮の度合いからするとちょっと地味かも。
それと観終わった時に終盤の印象が戦意高揚的だなぁと思ったのも事実。なのでおまけの★半分は今回は無しです。
余談ですが、民間の小型船によるイギリス兵の救出作戦はワイラー監督の「ミニヴァー夫人」でも描かれていましたね。
・お薦め度【★★★=一見の価値あり】 
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戦争したがり屋だったと
言われてるそうな。
周り見回しても、きな臭くて仕方ない昨今、
民の願いはなんとか賢く切り抜けて欲しいの
わが政府さんよ〜と願うばかり。
拙記事持参しました。
人類の戦いの歴史を見れば分かる所。
理性が段々とそういうモノを抑えつつあるわけですが、そういう意味でロシアのウクライナ侵攻は時代に逆行してて驚いたもんです。
さてさて、ロシアの行く末が今年はコロナのそれと同じく気になりますね。