(1962/アーサー・ペン監督/アン・バンクロフト=アニー・サリヴァン、パティ・デューク=ヘレン・ケラー、ヴィクター・ジョリイ、インガー・スヴェンソン、ビア・リチャーズ)
アン・バンクロフト、追悼第2弾。9日に前記事の「愛と喝采の日々」をレンタルしたら、翌10日にNHKがBSで追悼番組としてコチラを急遽放映した。2度程観ていたし、ストーリーも覚えているのでどうしようかと迷ったが、結局録画し、夕べ観ることとなった。数十年ぶりの鑑賞だったと思う。
赤ん坊(1歳9ヶ月)の時の原因不明の高熱発症により、目と耳に重度の障害を負い、その為口も利けなくなってしまったヘレン・ケラーが、本人も盲学校の卒業生であるアニー・サリヴァンの賢明な指導により、この世の中のモノには名前があり、それを表す言葉というものがある事を認知するまでの話。
ラスト、その事にヘレンが気付くシーンは、今回も私には鳥肌もので、その後はウルウルと涙してしまいました。
ウィリアム・ギブソンの舞台劇の映画化で、脚本も彼が書いている。演出も舞台と同じA・ペンで、しかもA・バンクロフト、P・デュークも舞台と同じ役をやっている。大ヒットし、トニー賞も受賞した作品とのことで、映画も無駄のないストーリーで一気に見せてくれます。ヘレンとサリヴァンが食堂で格闘するシーン、ラストのヘレンと両親の感動の抱擁シーンは、舞台そのままの演出だろうなと思いました。
過去の部分もあるが、本筋はケラー家にサリヴァン女史が来てからの半月あまりの話で、この時間が真実だとすると凄いことです。
原題は【THE MIRACLE WORKER】。サリヴァン女史の事ですな、ヘレンは“MIRACLE”そのものだから。ヘレンのお母さんの話では、生後6ヶ月で片言ながら水のことを「ワラ・・・ワラ」と言ったというから、後年ハーバードへ行き、ノーベル賞を得た彼女はまさしく天才だったのでしょう。
ヘレンの詳しい生い立ち、経歴についてはコチラのWebページ=ヘレン・ケラー物語で知ることができます。ヘレンやサリヴァン先生の写真も掲載されています。
今年観た2度目の米国製作のモノクロ映画で、前回が「アラバマ物語」。奇しくも共に62年の作品で、しかもアメリカ南部アラバマ州が舞台でありました。
“アラバマ”ではG・ペックが主演男優賞を、コチラではA・バンクロフトが主演女優賞を受賞した。“アラバマ”のメアリー・バダムちゃんも助演女優賞にノミネートされていたが、コチラのP・デュークにさらわれた。メアリーにとっては、不運としか言いようがないですな。当時16歳のパティの、舞台を経た上での演技には勝てません。“奇跡的”なんて言われたのではないかと、勝手に想像してしまいました。
パティは一躍人気者となって、確か“パティ・デューク・ショー”というTV番組ももっていたように、薄ぼんやりと記憶している。どなたか覚えていらっしゃいませんかねえ。
ちなみに、62年のアカデミー作品賞は「アラビアのロレンス」で、デヴィッド・リーンも監督賞を獲った。これは70mmのカラー作品だったから、映画の世界はモノクロからカラーへの移行期だったんでしょうな。
プロデューサーのフレッド・コーは余程この話が気に入ったのでしょう、79年にもリメイク版を作っている。なんと、これではP・デュークがサリヴァン女史に扮しているようです。ヘレン役にはTV「大草原の小さな家」で人気者だったメリッサ・ギルバートが選ばれた。
余談ですが、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」のサム役、ショーン・アスティンは、P・デュークの息子であります。
さて、A・バンクロフトは当時31歳。で、この時は20代前半の役でした。“ミセス・ロビンソン”の5年前ですな。前回記事では実年齢より老けて見えるなんて書いたけど、今回は新米教師の初々しさも感じました。一体どっちやねん。
モノクロ時代のポートレイトを見ましたが、・・・う、美しい!。美醜については、個々の好みがあるのでこれ以上は申しません。
「俺たちに明日はない(1967)」で、“アメリカン・ニューシネマの父”と呼ばれたA・ペン。同じ67年に同じニューシネマの「卒業」にアンが出ていたのも不思議な因縁ですな。最初に観たのが「俺たちに・・・」で、その後、「アリスのレストラン(1969)」「小さな巨人(1970)」と観た。「アリス・・・」はちょっと分かりにくい作品だったが、監督賞にノミネートされたのは、コレと「奇跡の人」と「俺たち・・・」だそうです。
マーロン・ブランド、ジェーン・フォンダ、若き日のレッドフォードが共演した「逃亡地帯(1966)」も南部を舞台にした作品で、群集心理の恐ろしさを描いた強烈な映画だった。
アン・バンクロフト、追悼第2弾。9日に前記事の「愛と喝采の日々」をレンタルしたら、翌10日にNHKがBSで追悼番組としてコチラを急遽放映した。2度程観ていたし、ストーリーも覚えているのでどうしようかと迷ったが、結局録画し、夕べ観ることとなった。数十年ぶりの鑑賞だったと思う。
赤ん坊(1歳9ヶ月)の時の原因不明の高熱発症により、目と耳に重度の障害を負い、その為口も利けなくなってしまったヘレン・ケラーが、本人も盲学校の卒業生であるアニー・サリヴァンの賢明な指導により、この世の中のモノには名前があり、それを表す言葉というものがある事を認知するまでの話。
ラスト、その事にヘレンが気付くシーンは、今回も私には鳥肌もので、その後はウルウルと涙してしまいました。
ウィリアム・ギブソンの舞台劇の映画化で、脚本も彼が書いている。演出も舞台と同じA・ペンで、しかもA・バンクロフト、P・デュークも舞台と同じ役をやっている。大ヒットし、トニー賞も受賞した作品とのことで、映画も無駄のないストーリーで一気に見せてくれます。ヘレンとサリヴァンが食堂で格闘するシーン、ラストのヘレンと両親の感動の抱擁シーンは、舞台そのままの演出だろうなと思いました。
過去の部分もあるが、本筋はケラー家にサリヴァン女史が来てからの半月あまりの話で、この時間が真実だとすると凄いことです。
原題は【THE MIRACLE WORKER】。サリヴァン女史の事ですな、ヘレンは“MIRACLE”そのものだから。ヘレンのお母さんの話では、生後6ヶ月で片言ながら水のことを「ワラ・・・ワラ」と言ったというから、後年ハーバードへ行き、ノーベル賞を得た彼女はまさしく天才だったのでしょう。
ヘレンの詳しい生い立ち、経歴についてはコチラのWebページ=ヘレン・ケラー物語で知ることができます。ヘレンやサリヴァン先生の写真も掲載されています。
今年観た2度目の米国製作のモノクロ映画で、前回が「アラバマ物語」。奇しくも共に62年の作品で、しかもアメリカ南部アラバマ州が舞台でありました。
“アラバマ”ではG・ペックが主演男優賞を、コチラではA・バンクロフトが主演女優賞を受賞した。“アラバマ”のメアリー・バダムちゃんも助演女優賞にノミネートされていたが、コチラのP・デュークにさらわれた。メアリーにとっては、不運としか言いようがないですな。当時16歳のパティの、舞台を経た上での演技には勝てません。“奇跡的”なんて言われたのではないかと、勝手に想像してしまいました。
パティは一躍人気者となって、確か“パティ・デューク・ショー”というTV番組ももっていたように、薄ぼんやりと記憶している。どなたか覚えていらっしゃいませんかねえ。
ちなみに、62年のアカデミー作品賞は「アラビアのロレンス」で、デヴィッド・リーンも監督賞を獲った。これは70mmのカラー作品だったから、映画の世界はモノクロからカラーへの移行期だったんでしょうな。
プロデューサーのフレッド・コーは余程この話が気に入ったのでしょう、79年にもリメイク版を作っている。なんと、これではP・デュークがサリヴァン女史に扮しているようです。ヘレン役にはTV「大草原の小さな家」で人気者だったメリッサ・ギルバートが選ばれた。
余談ですが、「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」のサム役、ショーン・アスティンは、P・デュークの息子であります。
さて、A・バンクロフトは当時31歳。で、この時は20代前半の役でした。“ミセス・ロビンソン”の5年前ですな。前回記事では実年齢より老けて見えるなんて書いたけど、今回は新米教師の初々しさも感じました。一体どっちやねん。
モノクロ時代のポートレイトを見ましたが、・・・う、美しい!。美醜については、個々の好みがあるのでこれ以上は申しません。
「俺たちに明日はない(1967)」で、“アメリカン・ニューシネマの父”と呼ばれたA・ペン。同じ67年に同じニューシネマの「卒業」にアンが出ていたのも不思議な因縁ですな。最初に観たのが「俺たちに・・・」で、その後、「アリスのレストラン(1969)」「小さな巨人(1970)」と観た。「アリス・・・」はちょっと分かりにくい作品だったが、監督賞にノミネートされたのは、コレと「奇跡の人」と「俺たち・・・」だそうです。
マーロン・ブランド、ジェーン・フォンダ、若き日のレッドフォードが共演した「逃亡地帯(1966)」も南部を舞台にした作品で、群集心理の恐ろしさを描いた強烈な映画だった。
・お薦め度【★★★★★=大いに見るべし!】
「奇跡の人」の中の話だけで、ヘレンのその後なんか知らなかったので
リンク先興味深く読ませていただきました。
サリバン先生とヘレンがずっと一緒に生きたということも
初めて知りました。
「逃亡地帯」おもしろそうですね。観てみたいです。
こちらからもTBさせていただきますね。
レッドフォードは主役をやることにはこだわって無くて、自分のやりたい役だけやって来た人です。ですから「逃亡地帯」でも、本当は主役のM・ブランドの役をオファーされたのに、脇役にまわったらしいです。レンタルでは見かけませんねぇ。
ヘレン・ケラーは伝記を読んでいて、そのすさまじさに夜眠れなくなったのを覚えています。
彼女は一度唇の読み方から言葉を認識できるようになると、どんどん知りたい欲求がでて、サリバン先生ののどの奥にまで指をつっこんだんだそうです。
触覚だけがすべてだったわけだから、そうなるんでしょうな~サリバン先生はマジにミラクル・ワーカーです
おかげで、サリヴァン先生はもどすこともあった、と<ヘレン・ケラー物語>に書かれていました。
ここまで、献身的なのは女性だからかなあと、ナイチンゲールやマザーテレサの事まで思い出しましたよ。
レンタル店にもなかなか行けないもので・・・。
ホント、メアリーちゃんも素晴らしい演技だったのに、運が悪かったとしか言いようがないです。
記事中の「ヘレン・ケラー物語」はリンク切れのようで読めなかったけれど、私も上のコメントの方と同じく、英語の授業で習っただけなので彼女の事は実はあまり知らないかも。
感動だけでなく、学ぶことも多い作品でした。
内容の理解、感想共に右に全く同じ。他に理解、感じようもないという作品なのでしょうね^^
昨年暮れのQさまというクイズ番組の調査で、東大・京大の学生に訊いた女性の偉人の上位にヘレン・ケラー、サリヴァン先生共に入っていました。誰しも尊敬しますよね。
>メアリー・バダムちゃん
双葉さんも、賞は運がある為さほど重要視しないと仰っていました。この年のメアリーちゃんは正にそれで、他の年なら助演賞に値する好演だったと思っています。
あと「酒とバラの日々」とか「終身犯」とか、ヨーロッパにいくと「シベールの日曜日」とか。
>「ヘレン・ケラー物語」はリンク切れ
ググると、ヘレンケラー財団のサイトがあったので紹介しときます。
http://www.helenkeller.jp/publics/index/50/
読み返すと殆ど感想らしきものは書いてない記事で、我ながらびっくり!
>女性の偉人の上位にヘレン・ケラー、サリヴァン先生共に入っていました。
いや、まったく、この二人には感心させられますね。
そして勇気をもらいます。
凄い!