夕べのTV番組「踊るさんま御殿」。ゲストに“睦 五郎”が出ていて懐かしかった(最初は『あの、おじいさんは誰?』状態だった)が、彼で思い出すのは「逃亡者」である。昭和前半生まれのオジサン、おばさんには忘れられない、“リチャード・キンブル”の声優さんだ。それを考えたら色々と思い出してきたので、ちょいと書いてみたい。
瀬戸川宗太氏の「懐かしのアメリカTV映画史」(集英社新書)によると、TV「逃亡者(原題:THE FUGITIVE)」の放送が始まったのは1964年の5月かららしい。東京オリンピックの年だ。土曜日の夜8時から約1時間。一週間の内の最高のゴールデンタイムに放送されていたように記憶している。
『リチャード・キンブル。職業、医師。正しかるべき正義も時として盲(めし)いる事がある。彼は身に覚えの無い妻殺しの罪で死刑を宣告され、護送の途中列車事故に遭って辛くも脱走した。孤独と絶望の逃亡生活が始まる。髪の色を変え、重労働に耐えながら、犯行現場から走り去った片腕の男を探し求める。彼は逃げる、執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら。現在を、今夜を、そして明日を生きるために……』。実に印象深いこのオープニングのナレーションは、空で言えるほど何度も聞いた。ナレーターは、城達也だったか納屋吾朗だったか・・・忘れてしまった。いずれにしても、哀愁があってカッコよかったんですよ。
93年にハリソン・フォード主演、アンドリュー・デービス監督で映画版「逃亡者」が作られたが、TV版は、一回一話で毎週別の話が語られた。
新しい町にキンブルがやって来て、仕事に就く。最初はうまくいくんだが、何か事件が起こって身元が割れ、ジェラード警部が現れる。しかし、捕まる寸前に辛くも逃亡する、という話の繰り返しだった。でもね。これが面白かったんですよ。渡る世間は何とやらで、イヤな人もいればいい人もいる。<あぁ、この人さえ居なければ、このままずっとこの町で暮らせただろうになぁ>とか、<あぁ、その一言が言えれば、あの人も分かってくれただろうに・・・>なんて思いをさせられた。
どことなく、うつむき加減で、片方の足が悪いのかなと思わせるような歩き方をするリチャード・キンブルを、日本人の多くは応援していたんですなぁ。演じていたのはデヴィッド・ジャンセン。彼も人気者になりました。
これのアメリカ版TVは1963年から67年まで放送されていたそうです。
さて、この「逃亡者」が撮影の関係で中断したときに、穴埋めとして放送されたのが「宇宙家族ロビンソン」である。原題が「LOST IN SPACE」。98年に作られた映画「ロスト・イン・スペース」のソースがこのTVですな。映画の通り、人間の住める新しい星で、実験的に生活する為に宇宙旅行に出かけたロビンソン一家が、不慮の事故で宇宙の迷子となり、色々な危険に遭遇するというお話。
製作総指揮が「ポセイドン・アドベンチャー(1972)」「タワーリング・インフェルノ(1974)」のアーウィン・アレン。お父さんにはガイ・ウィリアムズ、そしてお母さんはジューン・ロックハートだった。
G・ウィリアムズはTV版「怪傑ゾロ」(映画版は「マスク・オブ・ゾロ」)のゾロ役でお馴染みだったが、このお父さん役も頼もしくて良かった。僕らにとっては、“ゾロ”と言えばアントニオ・バンデラスではなく、やはり彼ですな。
J・ロックハートも「名犬ラッシー」のお母さんで馴染んでいたので、このSFモノも段々ファミリードラマのように見える時が増えていった。映画版にもでていたけど、何の役だったか忘れましたな。
あとの家族構成、乗組員構成も映画と同じだったと思う。次女役には「サウンド・オブ・ミュージック」にも出ていたアンジェラ・カートライト。映画ではゲイリー・オールドマンがやっていたドクター・スミスには、ジョナサン・ハリスが扮した。映画では、Dr.スミスは化け物みたいになっちゃうが、TV版はそのようなことはなく、腹黒いくせに臆病で、いつもコミカルな感じのオッサンだった。
毎週新しい怪獣、今の表現で言えばエイリアンが出てきて、男の子には楽しい土曜の夜でした。
そうそう、ロビンソン一家にはロボットもいて、名前は“フライデー”。確か、名前を視聴者に公募して付けられたと記憶している。それが、吹き替え版だけのものなのか、日米で公募したのかは覚えていない。“フライデー”はダニアル・デフォーの「ロビンソン漂流記」の登場人物の名前から付けられたものだ。
それと、TV版の音楽はあのジョン・ウィリアムズでした。40年近く前のことですが、今でも思い出すくらい印象深い音楽でした。流石です。
穴埋めのはずだった「宇宙家族ロビンソン」が好評だったため、後のシリーズの「逃亡者」はアメリカの放送より大分遅れて日本に放送されたらしい。後半の「逃亡者」はキンブルに女性が絡む話が多くなって、子供としては段々興味を失っていったという記憶がありますな。
やれやれ、ムツゴロウ、いや“睦 五郎”から色々と思い出してしまったなあ。
矢島正明(←漢字不確か。やじままさあき)というナレーターもいましたな。矢島さんかも知れない。
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『リチャード・キンブル。職業、医師。正しかるべき正義も時として盲(めし)いる事がある。彼は身に覚えの無い妻殺しの罪で死刑を宣告され、護送の途中列車事故に遭って辛くも脱走した。孤独と絶望の逃亡生活が始まる。髪の色を変え、重労働に耐えながら、犯行現場から走り去った片腕の男を探し求める。彼は逃げる、執拗なジェラード警部の追跡をかわしながら。現在を、今夜を、そして明日を生きるために……』。実に印象深いこのオープニングのナレーションは、空で言えるほど何度も聞いた。ナレーターは、城達也だったか納屋吾朗だったか・・・忘れてしまった。いずれにしても、哀愁があってカッコよかったんですよ。
93年にハリソン・フォード主演、アンドリュー・デービス監督で映画版「逃亡者」が作られたが、TV版は、一回一話で毎週別の話が語られた。
新しい町にキンブルがやって来て、仕事に就く。最初はうまくいくんだが、何か事件が起こって身元が割れ、ジェラード警部が現れる。しかし、捕まる寸前に辛くも逃亡する、という話の繰り返しだった。でもね。これが面白かったんですよ。渡る世間は何とやらで、イヤな人もいればいい人もいる。<あぁ、この人さえ居なければ、このままずっとこの町で暮らせただろうになぁ>とか、<あぁ、その一言が言えれば、あの人も分かってくれただろうに・・・>なんて思いをさせられた。
どことなく、うつむき加減で、片方の足が悪いのかなと思わせるような歩き方をするリチャード・キンブルを、日本人の多くは応援していたんですなぁ。演じていたのはデヴィッド・ジャンセン。彼も人気者になりました。
これのアメリカ版TVは1963年から67年まで放送されていたそうです。
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製作総指揮が「ポセイドン・アドベンチャー(1972)」「タワーリング・インフェルノ(1974)」のアーウィン・アレン。お父さんにはガイ・ウィリアムズ、そしてお母さんはジューン・ロックハートだった。
G・ウィリアムズはTV版「怪傑ゾロ」(映画版は「マスク・オブ・ゾロ」)のゾロ役でお馴染みだったが、このお父さん役も頼もしくて良かった。僕らにとっては、“ゾロ”と言えばアントニオ・バンデラスではなく、やはり彼ですな。
J・ロックハートも「名犬ラッシー」のお母さんで馴染んでいたので、このSFモノも段々ファミリードラマのように見える時が増えていった。映画版にもでていたけど、何の役だったか忘れましたな。
あとの家族構成、乗組員構成も映画と同じだったと思う。次女役には「サウンド・オブ・ミュージック」にも出ていたアンジェラ・カートライト。映画ではゲイリー・オールドマンがやっていたドクター・スミスには、ジョナサン・ハリスが扮した。映画では、Dr.スミスは化け物みたいになっちゃうが、TV版はそのようなことはなく、腹黒いくせに臆病で、いつもコミカルな感じのオッサンだった。
毎週新しい怪獣、今の表現で言えばエイリアンが出てきて、男の子には楽しい土曜の夜でした。
そうそう、ロビンソン一家にはロボットもいて、名前は“フライデー”。確か、名前を視聴者に公募して付けられたと記憶している。それが、吹き替え版だけのものなのか、日米で公募したのかは覚えていない。“フライデー”はダニアル・デフォーの「ロビンソン漂流記」の登場人物の名前から付けられたものだ。
それと、TV版の音楽はあのジョン・ウィリアムズでした。40年近く前のことですが、今でも思い出すくらい印象深い音楽でした。流石です。
穴埋めのはずだった「宇宙家族ロビンソン」が好評だったため、後のシリーズの「逃亡者」はアメリカの放送より大分遅れて日本に放送されたらしい。後半の「逃亡者」はキンブルに女性が絡む話が多くなって、子供としては段々興味を失っていったという記憶がありますな。
やれやれ、ムツゴロウ、いや“睦 五郎”から色々と思い出してしまったなあ。
矢島正明(←漢字不確か。やじままさあき)というナレーターもいましたな。矢島さんかも知れない。
[2005.07.13 追記]
「逃亡者」は最後にはどうなったんでしたっけ?ハッピーエンドでしたっけね~
この話は実話で、無罪となったキンブルさんでしたが、その後も世間での名誉は回復せず、医者にも復帰出来ず、プロレスラーなどしながら不遇の生涯を終えた、という現実を後で知り、とっても悲しかったです。
逃亡者は毎週見ていました。
ドクター・スミス役のジョナサン・ハリスさんって、長生きされて「トイ・ストーリー」では声優さんもされていたみたいですね。
そういうことを知るきっかけを作ってくださって、ありがとうございました。
2002年、88歳の誕生日の三日前に亡くなっていましたね。
随分前にNHKがBSで再放送したときは、画像もきれいでしたが、最近はトンと放送してくれません。残念。
再放で第一話を知ることができました。
次は、ナレーションつきです。
http://iina.g3.xrea.com/f1.html
「掲示板 -逃亡者-」もご用意していますから、投稿が遠ざかってますが、よろしかったらコメントを歓迎します。
第一話のナレーションを聞いてると、ゲストがアン・フランシスにブロンソンですと!
懐かしい名前が聞けて嬉しかったですぅ♪