(1951/ジョン・ヒューストン監督・脚本/ハンフリー・ボガート、キャサリン・ヘプバーン、ロバート・モーレイ)
DVD鑑賞第一弾は、かねてからの記事通り(☆ジョン・ヒューストン)、この作品になりました。
第一次世界大戦勃発時のアフリカ。
コンゴ奥地のドイツ領東アフリカに教会を建て、布教活動をしているロージー(ヘプバーン)とその兄。
チャーリー(ボガート)は、そういうアフリカ奥地に住む人々に郵便物などを運ぶ会社に勤めている男で、運搬する船の名前が“アフリカの女王【原題:The African Queen】”だ。
ドイツ軍がアフリカ原住民を兵隊としてかり集めに来た為に、布教相手も教会も無くしてしまったロージーは、チャーリーの船でこの地を抜け出し、川を下ることになる。チャーリーの話によれば、川の先にある湖が戦争の要所で、“ルイザ”というドイツ軍の船が威光を放っていて、イギリス軍の進攻を妨げているという。
それならばと、ロージーは小さな“アフリカの女王”で“ルイザ”を沈めてしまおうと提案する。チャーリーは、湖に行くまでにはいくつかの急流があり、辿り着く前に沈んでしまうと反対するのだが・・・。
ボガートがユーモアたっぷりで、出だしの宣教師兄妹との“お茶”のシーンから笑わせてくれる。全体としても、中盤までは少し滑稽な珍道中風の描き方でありました。
冒険活劇だが、冒険シーンは今となればそれほど手に汗握る感じにはならない。激流のシーンも合成だ。
時々挿入される大きなクロコダイルがウジャウジャしているシーンは、アフリカの風景の点描程度で、これも緊迫感を煽るまでは至ってない。ま、こちらは監督としてもそういう意図はもともと無かったのだろうと感じました。象やカバも点描されます。
川下りでは、スリルではなく、二人の名優の人物描写が楽しみです。堅苦しいかと思えば、大胆でお転婆なオールドミスと、飲んべえなのに意外に物知りで頼りになる船長。ケンカしたり仲良くなったり、この二人の関係の変遷が面白い。
「旅情」といい、ヘプバーンの“行かず後家”ぶりはやっぱり面白いですな。
登場人物は、ほとんどロージーとチャーリーの二人だけで、全体としては小品というイメージが残りました。終盤の、船が沼に迷い込んで立ち往生するシーンは、ちょっと停滞気味になっちゃった。
それと音楽の使い方が、今となってはちょっとダサイというか古くさい。ま、そういう時代だったと思って観るべし・・・ですか。
▼(ネタバレ注意)
ロージーの兄は、冒頭でドイツ軍が原住民の家を焼き払ったりするのを見て気がふれ、まもなくして亡くなる。
ロージーが川で水浴びをした後、なかなか船の上に上がれないというシーンは、ヘプバーンのユーモラスな一面が出て笑ってしまいました。寝床を分けるシーンでは「或る夜の出来事」を思い出します。
チャーリーとロージーは中盤で結ばれるわけですが、この辺りも男女の受け止め方の違いが面白い。ボギーが目で演技してます。
ラストは、現実的に考えれば、ドイツ軍もあの辺にうようよ生き残っているわけで、のんびり岸辺に泳ぎ着けば万歳!というわけにはいかないよなぁと思いました。ロマンスとして考えればあれでよいのかも知れませんがね・・・。
▲(解除)
カテゴリー区分が迷う映画です。冒険活劇だけどロマンスも入ってるし・・・しょうがない、ロマンス活劇だからやっぱアクションでいきましょう。
ボギーは「カサブランカ(1943)」に続く2回目のノミネートで、アカデミー主演男優賞を獲りました。その他、主演女優賞、監督賞、脚色賞(ヒューストン、ジェームズ・アギー共作)にもノミネートされた。
撮影は、後に監督にも進出したジャック・カーディフです。
少人数で軍隊に戦いを挑むという設定で、ピーター・イェーツの「マーフィーの戦い(1971)」を思い出しました。コチラはP・オトゥールが飛行機でドイツ軍と戦う話でした。確か。
DVD鑑賞第一弾は、かねてからの記事通り(☆ジョン・ヒューストン)、この作品になりました。
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コンゴ奥地のドイツ領東アフリカに教会を建て、布教活動をしているロージー(ヘプバーン)とその兄。
チャーリー(ボガート)は、そういうアフリカ奥地に住む人々に郵便物などを運ぶ会社に勤めている男で、運搬する船の名前が“アフリカの女王【原題:The African Queen】”だ。
ドイツ軍がアフリカ原住民を兵隊としてかり集めに来た為に、布教相手も教会も無くしてしまったロージーは、チャーリーの船でこの地を抜け出し、川を下ることになる。チャーリーの話によれば、川の先にある湖が戦争の要所で、“ルイザ”というドイツ軍の船が威光を放っていて、イギリス軍の進攻を妨げているという。
それならばと、ロージーは小さな“アフリカの女王”で“ルイザ”を沈めてしまおうと提案する。チャーリーは、湖に行くまでにはいくつかの急流があり、辿り着く前に沈んでしまうと反対するのだが・・・。
ボガートがユーモアたっぷりで、出だしの宣教師兄妹との“お茶”のシーンから笑わせてくれる。全体としても、中盤までは少し滑稽な珍道中風の描き方でありました。
冒険活劇だが、冒険シーンは今となればそれほど手に汗握る感じにはならない。激流のシーンも合成だ。
時々挿入される大きなクロコダイルがウジャウジャしているシーンは、アフリカの風景の点描程度で、これも緊迫感を煽るまでは至ってない。ま、こちらは監督としてもそういう意図はもともと無かったのだろうと感じました。象やカバも点描されます。
川下りでは、スリルではなく、二人の名優の人物描写が楽しみです。堅苦しいかと思えば、大胆でお転婆なオールドミスと、飲んべえなのに意外に物知りで頼りになる船長。ケンカしたり仲良くなったり、この二人の関係の変遷が面白い。
「旅情」といい、ヘプバーンの“行かず後家”ぶりはやっぱり面白いですな。
登場人物は、ほとんどロージーとチャーリーの二人だけで、全体としては小品というイメージが残りました。終盤の、船が沼に迷い込んで立ち往生するシーンは、ちょっと停滞気味になっちゃった。
それと音楽の使い方が、今となってはちょっとダサイというか古くさい。ま、そういう時代だったと思って観るべし・・・ですか。
▼(ネタバレ注意)
ロージーの兄は、冒頭でドイツ軍が原住民の家を焼き払ったりするのを見て気がふれ、まもなくして亡くなる。
ロージーが川で水浴びをした後、なかなか船の上に上がれないというシーンは、ヘプバーンのユーモラスな一面が出て笑ってしまいました。寝床を分けるシーンでは「或る夜の出来事」を思い出します。
チャーリーとロージーは中盤で結ばれるわけですが、この辺りも男女の受け止め方の違いが面白い。ボギーが目で演技してます。
ラストは、現実的に考えれば、ドイツ軍もあの辺にうようよ生き残っているわけで、のんびり岸辺に泳ぎ着けば万歳!というわけにはいかないよなぁと思いました。ロマンスとして考えればあれでよいのかも知れませんがね・・・。
▲(解除)
カテゴリー区分が迷う映画です。冒険活劇だけどロマンスも入ってるし・・・しょうがない、ロマンス活劇だからやっぱアクションでいきましょう。
ボギーは「カサブランカ(1943)」に続く2回目のノミネートで、アカデミー主演男優賞を獲りました。その他、主演女優賞、監督賞、脚色賞(ヒューストン、ジェームズ・アギー共作)にもノミネートされた。
撮影は、後に監督にも進出したジャック・カーディフです。
少人数で軍隊に戦いを挑むという設定で、ピーター・イェーツの「マーフィーの戦い(1971)」を思い出しました。コチラはP・オトゥールが飛行機でドイツ軍と戦う話でした。確か。
・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】 
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それにしても、こんなにユーモラスなボギーも珍しいですよね。
変に気取ってなくて、ユーモアたっぷりで。
身長とか顔立ち見ても、どうもかっこつけたのは似合ってないような気がして・・^^;
観るまではアフリカの女王様のお話で、
その女王様がキャサリンなのかと思ってました(笑)
そうそう、最初にこれを観たのはウン十年も前のことですが、“アフリカの女王”っちゃナンヤ?と思ったような・・・。で、意外な話だったので、余計に面白さが染み込んじゃった。
次は、「黄金」かな。
「アフリカの女王」なかなか楽しめる作品でしたね。ボギーに関しては”黄金”もかなりいけます。彼は”汚い系”の方が本領発揮してるかもしれませんね。
これからもよろしくお願いします。
なかなかタイミングが合わずに未だに見れませんが・・・。
又、お邪魔します。