心理現象として過去のショッキングな経験などが映像を伴って思い出されることをフラッシュバックと言いますが、映画用語にもあるんですよね、フラッシュ・バック。
ウィキペディアの「映画用語」では、クロス・カッティングの一技法としてこう説明されていました。
<フラッシュバック(Flashback)は、クロスカッティングとカットバックのバリエーションの一つで、非常に短い間隔で異なる場面のシーンを切り返すことである。フラッシュバックを多用(重用)し、独自のスタイルを築き上げた作家としてサム・ペキンパーなどが有名である>
また、「映画≠日誌」さんの映画用語集では・・・
<映画の物語において、「現在」のシーンにインサートされる「過去」のシーンあるはシークエンス(時には映画全体)。フラッシュ・バックは映画の過去形である。サイレント期のフランスでは、素早い画面転換の連続を指して用いられ、日本にもフランス経由で入り、リズミカルなモンタージュを指してフラッシュ・バックと呼んだ時代もあった>とのこと。
更に、「K'z Home Page」さんの映画用語事典では・・・
<あるシーンに回想場面や違う場所のシーンを唐突に挿入して、映画のリズムを変える編集技法。「フォレスト・ガンプ」では効果的に使われた>などと書かれていました。
ウィキと「K'z Home Page」さんはほぼ同じ説明ですね。イメージとしては短いショットの挿入或るいは連続ということ。ところが「映画≠日誌」さんの説明では短いショットの編集としてのフラッシュ・バックは過去の技法であり、寧ろその内容は心理現象用語と似ていて要するに過去のシーンを挿入することを指しているようです。
前者の説明のように短いショットの挿入、切り返しは今でも使われているし、決して“過去の技法”ではないと思うんですがねぇ。
フラッシュ・バック=カメラのフラッシュのようにパッ、パッと挿入される短いショット、単純に言えばそういうことでしょうか。僕の考えではフラッシュ&バックと言う方が当たっているような気がします。つまり、シーンの中にフラッシュのように短いショットを入れては元の画面に戻す技法ですね。
フラッシュ・バックの例としてまず思い出すのは、アメリカン・ニューシネマの代表作の一つ「イージー・ライダー」。
この映画ではフラッシュ・バックがシーンの繋がりに使われているというのも特徴的でした。あるシーンの終了間際に突然次のシーンの最初の方が2度ほどフラッシュされて、その後にシーンが切り替わるんです。こんな使い方は後にも先にもこの映画しか知りませんね。何か嫌な事、怖い事がこの先に起こりそうな予感を覚えさせる使い方でした。
アメリカン・ニューシネマでいえば、「真夜中のカーボーイ」にもフラッシュ・バックが使われていました。
短いショットのフラッシュ・バックについては“「真夜中のカーボーイ」におけるカットバックの妙”というタイトルで書いていますのでソチラをお読み下さい。この作品は中古DVDを(なんと!)1コインで買っていますので、何度目かになりますが、再見が楽しみなんです。
尚、この映画では過去の思い出が蘇えるという意味のフラッシュバックも使われていましたネ。
アメリカン・ニューシネマの萌芽を予感させる傑作といわれているシドニー・ルメットの「質屋」にも印象的なフラッシュ・バックが使われているようです。
第二次世界大戦でナチスの収容所から辛くも生還した元大学教授の質屋の話で、未見なので、ブログ友達のオカピーさんの作品評で想像するだけなんですが、映画的でさぞかし面白かろうと思わせる使い方です。
曰く、<この作品で最も強烈な印象を残すのはフラッシュバックの使い方である。捕えられた時の情景や家畜車で収容所へ送られる苦い思い出が事あるごとに主人公の脳裏を過る。主人公にとってのフラッシュバックは、我々観客にとっては彼の過去を語る説明になる。最初はサブリミナル的なフラッシュバックが現在とクロスカッティングする度に徐々に長くなっていく箇所の感覚は今でも斬新である>
1964年のフランス映画「幸福(しあわせ)」にもフラッシュ・バックがありました。
不倫夫が不倫相手のアパートに初めて訪れるシーンで、女の部屋の様子を見ている男の主観ショットをフラッシュバックで挿入して、二人の緊張感が観客にも伝わってくる巧い使い方でした。
後、妻の死亡を知った時の夫の脳裏に浮かんだであろう池で溺れている妻のショットもフラッシュで挿入されて、観客にはショッキングな印象を残しましたね。
お茶の間のTVドラマなどでは使いにくいフラッシュ・バックですが、映画では結構使われている技法だと思います。使い方で印象も違いますし、今後も新しいフラッシュ・バックが出てくるやも知れません。新しいフラッシュ・バック見つけたら、また記事にしたいと思います。
ウィキペディアの「映画用語」では、クロス・カッティングの一技法としてこう説明されていました。
<フラッシュバック(Flashback)は、クロスカッティングとカットバックのバリエーションの一つで、非常に短い間隔で異なる場面のシーンを切り返すことである。フラッシュバックを多用(重用)し、独自のスタイルを築き上げた作家としてサム・ペキンパーなどが有名である>
また、「映画≠日誌」さんの映画用語集では・・・
<映画の物語において、「現在」のシーンにインサートされる「過去」のシーンあるはシークエンス(時には映画全体)。フラッシュ・バックは映画の過去形である。サイレント期のフランスでは、素早い画面転換の連続を指して用いられ、日本にもフランス経由で入り、リズミカルなモンタージュを指してフラッシュ・バックと呼んだ時代もあった>とのこと。
更に、「K'z Home Page」さんの映画用語事典では・・・
<あるシーンに回想場面や違う場所のシーンを唐突に挿入して、映画のリズムを変える編集技法。「フォレスト・ガンプ」では効果的に使われた>などと書かれていました。
ウィキと「K'z Home Page」さんはほぼ同じ説明ですね。イメージとしては短いショットの挿入或るいは連続ということ。ところが「映画≠日誌」さんの説明では短いショットの編集としてのフラッシュ・バックは過去の技法であり、寧ろその内容は心理現象用語と似ていて要するに過去のシーンを挿入することを指しているようです。
前者の説明のように短いショットの挿入、切り返しは今でも使われているし、決して“過去の技法”ではないと思うんですがねぇ。
フラッシュ・バック=カメラのフラッシュのようにパッ、パッと挿入される短いショット、単純に言えばそういうことでしょうか。僕の考えではフラッシュ&バックと言う方が当たっているような気がします。つまり、シーンの中にフラッシュのように短いショットを入れては元の画面に戻す技法ですね。
フラッシュ・バックの例としてまず思い出すのは、アメリカン・ニューシネマの代表作の一つ「イージー・ライダー」。
この映画ではフラッシュ・バックがシーンの繋がりに使われているというのも特徴的でした。あるシーンの終了間際に突然次のシーンの最初の方が2度ほどフラッシュされて、その後にシーンが切り替わるんです。こんな使い方は後にも先にもこの映画しか知りませんね。何か嫌な事、怖い事がこの先に起こりそうな予感を覚えさせる使い方でした。
アメリカン・ニューシネマでいえば、「真夜中のカーボーイ」にもフラッシュ・バックが使われていました。
短いショットのフラッシュ・バックについては“「真夜中のカーボーイ」におけるカットバックの妙”というタイトルで書いていますのでソチラをお読み下さい。この作品は中古DVDを(なんと!)1コインで買っていますので、何度目かになりますが、再見が楽しみなんです。
尚、この映画では過去の思い出が蘇えるという意味のフラッシュバックも使われていましたネ。
アメリカン・ニューシネマの萌芽を予感させる傑作といわれているシドニー・ルメットの「質屋」にも印象的なフラッシュ・バックが使われているようです。
第二次世界大戦でナチスの収容所から辛くも生還した元大学教授の質屋の話で、未見なので、ブログ友達のオカピーさんの作品評で想像するだけなんですが、映画的でさぞかし面白かろうと思わせる使い方です。
曰く、<この作品で最も強烈な印象を残すのはフラッシュバックの使い方である。捕えられた時の情景や家畜車で収容所へ送られる苦い思い出が事あるごとに主人公の脳裏を過る。主人公にとってのフラッシュバックは、我々観客にとっては彼の過去を語る説明になる。最初はサブリミナル的なフラッシュバックが現在とクロスカッティングする度に徐々に長くなっていく箇所の感覚は今でも斬新である>
1964年のフランス映画「幸福(しあわせ)」にもフラッシュ・バックがありました。
不倫夫が不倫相手のアパートに初めて訪れるシーンで、女の部屋の様子を見ている男の主観ショットをフラッシュバックで挿入して、二人の緊張感が観客にも伝わってくる巧い使い方でした。
後、妻の死亡を知った時の夫の脳裏に浮かんだであろう池で溺れている妻のショットもフラッシュで挿入されて、観客にはショッキングな印象を残しましたね。
お茶の間のTVドラマなどでは使いにくいフラッシュ・バックですが、映画では結構使われている技法だと思います。使い方で印象も違いますし、今後も新しいフラッシュ・バックが出てくるやも知れません。新しいフラッシュ・バック見つけたら、また記事にしたいと思います。
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