テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

「桐島、部活やめるってよ」 再見

2014-02-09 | 青春もの
 「桐島、部活やめるってよ」、先月観たばかりだけど、一回こっきりにするにはやはり悔いが残りそうなので、もう一度今度は自分でレンタルしてきた。
 序盤の“金曜日”の出来事のパラレル描写と、最終的なキモともいうべき菊池君の涙に至る集大成の出来を再確認したかったんだが、印象は前回と大差なかった。

 前回はこの作品がパラレル構成を使っているという事前知識がなかったので、途中からそういう設定であることに気付いたんだが、今回分かった上で観ても、ああいう風にしなければいけなかった理由が見当たらない。次の土曜日からのエピソードは時系列になっているし、金曜日だってストレートに描こうと思えば描けたはずだし。

 全体的に、形から入った感じがするな。日本の映画にはありがちな事なんだが、まずこういう形で作りたいというのがあって、それに縛られて作ったみたいだ。だから、ラストの菊池の心情への共感が高まっていかない。まずは、何を作るのか、何に共感を求めるかが先なんだけどね・・。

 お薦め度も変わらない。限りなく【★★★=一見の価値あり】に近い【★★=悪くはないけどネ】だ。

 青春群像の描写のリアリティが如何に近年の邦画で出色であろうとも、新人類菊池君の覚醒なのか気付きというのか分からないけれど、あの涙に観客を共感させられなければ【★★★=一見の価値あり】とはお薦めできないなぁ。

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