記事を書いたのはシリーズ2作目の「ボーン・スプレマシー」だけですが、直後に「ボーン・アイデンティティー」、「ボーン・アルティメイタム」とレンタルで観まして、個人的には結局DVDを持っているこの2作目が一番出来が良かったと幸運のチョイスに嬉しくなっております。
当初は細切れカット演出が嫌いだったのでお薦め度を★二つ半から★半分マイナスにしてましたが、エピソード構成が気に入って「一見の価値あり」になりました。なので、前回記事にしてなかった細かなエピソードについて書いておきます。
未見の方には“ネタバレ注意”ですネ。
「スプレマシー」を何度か観てて思い出したのがジンネマンの傑作「ジャッカルの日」。
「ジャッカルの日」はド・ゴール暗殺を請け負った殺し屋ジャッカルとフランス警察との攻防を描いたサスペンスですが、「スプレマシー」も刺客を差し向けた(結果恋人を殺した)真犯人への復讐に燃えるジェイソン・ボーンとCIAとの攻防を描いているからです。
ボーンはまずインドからイタリア、ナポリを経由してヨーロッパに入ろうとした所で税関のチェックにあいます。(実はパスポートによると3作目の後半の舞台として出てくるモロッコ、タンジールも経由したらしいですけど)
イタリア配属の4年目のCIA職員にはボーンは荷が重すぎ、あっという間に逃げられ、おまけに携帯の情報も車も盗まれ、ボーンはパメラ・ランディという名前と直近にベルリンで起こったCIA絡みの事件の容疑者に自分がなっていることを知ります。で、とりあえずボーンはパメラに接触しようと狙いを狭めるんですね。彼女がもうすぐベルリンにやって来ると知ったから。
ベルリンに向かう途中、ミュンヘンにかつての仲間(マートン・ソーカス扮するジャーダ)がいた事を思い出しその家に入ります。
その男はパメラの名も知らず、“トレッド・ストーン(踏み石作戦)”も2年前に終わったと言います。
ちょっとした隙をみて男はボーンに襲い掛かり大立ち回りの果てに殺され、彼の通報を受けてやってきた3人のCIAもボーンの機転によりガス爆破の犠牲者となります。この辺りもやられそうになったから反撃しただけなのに、ボーン情報の危険度があがるだけなんですよね。
この後、公衆便所で手に付いた血糊を必死で洗い流すボーンの姿に悲哀が感じられます。
スパイ映画では最新機器だけでなく日常の何でもないモノを普段と違う使い方をしてアッと驚く展開にもっていったりしますが、ベルリンにやって来たボーンの行動も面白かったですね。
ベルリンの観光案内本に掲載されているホテルに片っ端から電話をしてパメラの宿泊先を探り、予約を確認したら、そのホテルに入りながらホテルのフロント経由でパメラに電話をする。パメラが電話に出たところでフロントでパメラさんは居るかと尋ねる。フロント係はカウンターの電話でパメラの部屋番号を押すが、勿論話し中。ボーンは彼女の部屋番号を知ることになる、てな具合。
「スプレマシー」では、パメラとボーンが互いの情報戦を戦う中で、ベルリン事件の背後にいる真の悪者に気付きやっつけるまでが描かれています。
冒頭のインドに居る時から悩まされていたフラッシュバックの記憶も取り戻し、それがベルリン事件に結び付いていたことも分かるという、シリーズの2作目ですが、これ単発としても完結されていると思いますね。
ついでにフラッシュバックと背景の事件についても軽く。
背後の悪者は“トレッド・ストーン”の責任者だったアボットでした。彼がCIAの巨額の資金を私的に流用し、或いは私的な見返りを隠してロシアの資産家に石油の利権を買わせ、利益を分配させていたのです。ところがその事を知ったロシアの諜報員がCIAに関連情報を売ろうとした。それを知ったアボットとロシアの石油王が殺し屋を雇ってベルリン事件を実行し、偽の指紋を残して容疑者に仕立てたボーンの殺害を狙ったのです。
しかも、この悪徳石油王の不正に感づいたロシア民主活動家ネスキーが邪魔になったアボットらは、まだ“トレッド・ストーン”として正式に活動してなかったボーンを使ってネスキー暗殺を行っていたのです。ボーンが苦しんだフラッシュバックはこのネスキー暗殺のシーンなのでした。
そして、終盤ではネスキーの残された娘に会いに行くのですが、そこでインドにやって来た殺し屋と再会します。
この殺し屋、実はKGBの後継組織FSB(ロシア連邦保安庁)だったことも示され、最後はもの凄いカーチェイスの果てに死にます。CIAといい、FSBといい、なんともやり切れないですなぁ。
当初は細切れカット演出が嫌いだったのでお薦め度を★二つ半から★半分マイナスにしてましたが、エピソード構成が気に入って「一見の価値あり」になりました。なので、前回記事にしてなかった細かなエピソードについて書いておきます。
未見の方には“ネタバレ注意”ですネ。
「スプレマシー」を何度か観てて思い出したのがジンネマンの傑作「ジャッカルの日」。
「ジャッカルの日」はド・ゴール暗殺を請け負った殺し屋ジャッカルとフランス警察との攻防を描いたサスペンスですが、「スプレマシー」も刺客を差し向けた(結果恋人を殺した)真犯人への復讐に燃えるジェイソン・ボーンとCIAとの攻防を描いているからです。
ボーンはまずインドからイタリア、ナポリを経由してヨーロッパに入ろうとした所で税関のチェックにあいます。(実はパスポートによると3作目の後半の舞台として出てくるモロッコ、タンジールも経由したらしいですけど)
イタリア配属の4年目のCIA職員にはボーンは荷が重すぎ、あっという間に逃げられ、おまけに携帯の情報も車も盗まれ、ボーンはパメラ・ランディという名前と直近にベルリンで起こったCIA絡みの事件の容疑者に自分がなっていることを知ります。で、とりあえずボーンはパメラに接触しようと狙いを狭めるんですね。彼女がもうすぐベルリンにやって来ると知ったから。
ベルリンに向かう途中、ミュンヘンにかつての仲間(マートン・ソーカス扮するジャーダ)がいた事を思い出しその家に入ります。
その男はパメラの名も知らず、“トレッド・ストーン(踏み石作戦)”も2年前に終わったと言います。
ちょっとした隙をみて男はボーンに襲い掛かり大立ち回りの果てに殺され、彼の通報を受けてやってきた3人のCIAもボーンの機転によりガス爆破の犠牲者となります。この辺りもやられそうになったから反撃しただけなのに、ボーン情報の危険度があがるだけなんですよね。
この後、公衆便所で手に付いた血糊を必死で洗い流すボーンの姿に悲哀が感じられます。
スパイ映画では最新機器だけでなく日常の何でもないモノを普段と違う使い方をしてアッと驚く展開にもっていったりしますが、ベルリンにやって来たボーンの行動も面白かったですね。
ベルリンの観光案内本に掲載されているホテルに片っ端から電話をしてパメラの宿泊先を探り、予約を確認したら、そのホテルに入りながらホテルのフロント経由でパメラに電話をする。パメラが電話に出たところでフロントでパメラさんは居るかと尋ねる。フロント係はカウンターの電話でパメラの部屋番号を押すが、勿論話し中。ボーンは彼女の部屋番号を知ることになる、てな具合。
「スプレマシー」では、パメラとボーンが互いの情報戦を戦う中で、ベルリン事件の背後にいる真の悪者に気付きやっつけるまでが描かれています。
冒頭のインドに居る時から悩まされていたフラッシュバックの記憶も取り戻し、それがベルリン事件に結び付いていたことも分かるという、シリーズの2作目ですが、これ単発としても完結されていると思いますね。
ついでにフラッシュバックと背景の事件についても軽く。
背後の悪者は“トレッド・ストーン”の責任者だったアボットでした。彼がCIAの巨額の資金を私的に流用し、或いは私的な見返りを隠してロシアの資産家に石油の利権を買わせ、利益を分配させていたのです。ところがその事を知ったロシアの諜報員がCIAに関連情報を売ろうとした。それを知ったアボットとロシアの石油王が殺し屋を雇ってベルリン事件を実行し、偽の指紋を残して容疑者に仕立てたボーンの殺害を狙ったのです。
しかも、この悪徳石油王の不正に感づいたロシア民主活動家ネスキーが邪魔になったアボットらは、まだ“トレッド・ストーン”として正式に活動してなかったボーンを使ってネスキー暗殺を行っていたのです。ボーンが苦しんだフラッシュバックはこのネスキー暗殺のシーンなのでした。
そして、終盤ではネスキーの残された娘に会いに行くのですが、そこでインドにやって来た殺し屋と再会します。
この殺し屋、実はKGBの後継組織FSB(ロシア連邦保安庁)だったことも示され、最後はもの凄いカーチェイスの果てに死にます。CIAといい、FSBといい、なんともやり切れないですなぁ。
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