「マスク」をしているのは、なにもマスクをしている人間だけではない。「化粧」だってマスクに違いないのだ。それならば「衣服」にしたって、何にしたって身に付けるものの全てにそう言えるだろう。 なぜ私たちはマスクをするのか……守るためである。私たちはあらゆる毒から自身を守るためにマスクをするのである。
ここでふ思ったことがある。「水の滴るいいオンナ」人は、水に濡れるときだけは「マスク」を外す。それ則ち、何からも脅かされないからだ。水に濡れるとき私たちはありのままの姿になる。胎児が子宮の中に宿るときも。私たちは確かにそのままである。心も身体も母親に晒けだしている。だからこそ、出てきた赤ん坊はありのままの無垢であり、マスクをしないのである。あらゆる毒に晒されて、私たちは毒づき、その内耐性がなくなり「マスク」を必要とする身体となる。
とまぁ、これはフィクションである。あくまで私の妄想の一貫であるのだから、あまり気に留めないで欲しい。