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同人サークルA-COLORが北海道をうろうろしながら書いているブログです

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society

2006-11-25 17:19:00 | 映画-2006年

「とりあえず現時点では、最強のジャパニメーション」

 スカパーなどでやっていた『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』(以下、『SAC』)シリーズの最新作。
 従来作が全26話のシリーズものだったのに対し、こちらは一話完結もの。従来作はテレビシリーズ物で、今作は特番ものみたいなカンジだろうか。

 感想は後におくとして、この作品を含めた『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズは現時点では世界最強のジャパニメーションじゃないかな、と思ってます。
 まあ、オレが攻殻ファンっていう要素もたぶんに影響してるとは思うけど。

 公式サイトのイントロダクションなどでも説明があるとおり、今作の『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』(以下、『SSS』)は従来作のさらに先の話。少佐が9課を去って、トグサが9課の隊長をやってるという設定になっている。

 少佐がいない9課ってことで、すぐに『イノセンス』や『攻殻機動隊2』なんかが連想されるけど、そのいずれの作品とも違うストーリーとなっている。
『SAC』シリーズは人形遣いと少佐が出逢っておらず、原作の『攻殻機動隊』や劇場版『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』と違う展開になっていたが。さらに時代が下って少佐が去った後の世界としても、『イノセンス』や『攻殻機動隊2』とは違う展開になってるってこと。
 正統進化というか、『SAC』シリーズとしては正統続編というカンジだろうか。

 劇場版が精神世界を持ち込んだ小難しい世界観なのに対して、『SAC』シリーズは「今、起きている危機」に対して9課が活躍するポリスストーリー的な展開だとオレは思ってる。どっちが良いとか悪いとかじゃなくて、こういう分かりやすいストーリーの方が安心して楽しめると思う。
『SSS』も傀儡廻という謎のハッカーを相手に、少佐なき9課のポリスストーリー風になっている。で、その捜査線上で徐々に傀儡廻について明らかにされながら、そこに少佐の影もチラホラと見えるという展開。
 9課の面々が“ダマされる”のと同様に、観ている者も少佐の真意が知れず困惑しながらも、徐々に事件の真相に迫ろうとしていく。
 このへんの盛り上げ方も良い意味でエンターテイメントしていて面白い。

『SAC』シリーズといえば架空の未来世界を描きながら、現実世界を反映するという世界観も特徴なんだけど。
『SSS』でも少子高齢化や医療福祉、それに対する政府の対応策を攻殻世界なりに反映させている。
 こういう政治性を帯びたメッセージを含めることに、いろいろと思惑は考えられなくもないことはないんだけど。
 SF的なギミックとして、高齢化医療を使ってると考えても良いかもしれない。

 で、肝心の9課を離れた少佐なんだけど。
 いわゆる草薙素子義体の他に、別の義体を使って登場する。このへんは『攻殻機動隊2』にもあったし、『イノセンス』でもやっていたところ。
 こういうところで、単純に時間が経過しているだけでなく、『攻殻機動隊2』的な(『攻殻機動隊』の続編的な)位置づけにあることを印象づけている。
 他にも、9課に新メンバーが加わっていたり、キャラのディテールが細々と変わっていたりと、続編的な要素が盛り込まれている。
 その一方でタチコマが復活していたりしていて、『攻殻機動隊』の続編でありながら、『SAC』シリーズの続編でもあるという、攻殻ファンにとっては嬉しい作りになっている。

 本作は時事問題をネタにしたポリスストーリーとしても、アニメーションのクオリティの高さをとっても、そして何よりも、『攻殻機動隊』の続編としてもホントに良くできている。少なくても、オレ的には。
 というわけで、本来なら満足度だけなら10点を付けたいと思うんだけど、はたしてこれは攻殻ファンのオレの欲目なのか? と思ったりする。ホントに10点を付けて良い作品なのか、と。
 まあ、この作品より優れた映像作品はたくさんあるとは思うけど、オレ的評価としては『攻殻機動隊』シリーズを一つの括りとして10点にしたいと思う。

『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』(DVD)
http://www.kokaku-s.com/
監督:神山健治
出演:田中敦子、大塚明夫、山寺宏一、他
点数:10点(ファンの欲目込みで)


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