「髪が薄くなったのは旧型だから?」
何も言うことはない、シュワルツェネッガーとキャメロンをスターダムにのし上げた『ターミネーター』の続編。
チープな予算で作られた前作とはうって変わって、こちらは超破格の予算で製作。
シュワルツェネッガーのギャラが、前作の制作費と同程度だったらしい。
でも、金をかけただけのことはあって、見所のシーンは盛りだくさん。
特に液体金属で作られたサイボーグT-1000の存在感は、CGと分かっていても度肝を抜かされる。
当時は、映画公開前にネタばらしをしなかった(私が見なかった)ので、液体金属のCGシーンも非常に強烈な印象だった。
現在の、たとえば『マトリックス』におけるネタばらしは、見所がCGしかない映画だっただけにイタすぎた。
今では、なるべくメイキングビデオの類は見ないようにしている。
なお、テレビで放映されたのは「特別版」ではなかったので、私が好きなマイケル・ビーンの出番はなかった。
『エイリアン3』でも出番を省かれるなど、マイケル・ビーンは不憫な役者である。
この映画は、おそらく映画史に間違いなく残るであろう作品なのだが、同時に私の映画史にとっても大きな作品である。
幼少時から映画は好きだったけれど、「映画ファン」であることを意識したのは、この映画を観てからだったと思う。
というのも、この映画をきっかけに「初体験」したことが山のようにあったからだ。
以下に、その「初体験」を記す。
1.初めて前売り券を買った
前売り券を買ったらもれなく付いてくる「メンバーズカード」が欲しかった。
ちなみに、このカードの有効期限は1997年8月29日(作中のジャッジメントデー)というのが泣かせる。
もし、このカードを今でも持っている人がいたら、掲示板などでご一報下さるとちょっと嬉しい。
2.初めて整理券をもらった
当時の人気ぶりはすさまじく、映画館で見るには整理券が必要だった。
後にも先にも、私が整理券をもらって映画を観たのは、この作品だけ。
『スターウォーズ』も『マトリックス』も整理券無しで観れた。
3.初めての単独上映
当時の札幌は洋画でも2本併映というのが主流だった。
『キンダガートン・コップ』と『バックドラフト』の併映という超贅沢なカップリングもあったほどである。
だが、『ターミネーター2』は単独上映で、これをきっかけに札幌でも単独上映が主流になっていった。
ただし、『ターミネーター2』の場合、厳密には単独上映ではなかった。
『サマーシュプール』というスキーの映画もやっていた。
やっていたのだが、一日に一回だけ上映されるという、まさにとってつけたような併映だった。
4.初のサントラ買い
あまりにも映画に感動してしまい、映画のサントラまで買ってしまった。
5.初のメイキングビデオ買い
販促用のメイキングビデオも買ってしまった。
でも、資料的な価値もあって、なかなかお買い得なモノだった。
6.初の原作買い
原作というか小説も出ており、映画の小説を買ったのもこれが初めて。
中身は、まさに「完全版」といえるモノで、「特別版」でもカットされたシーンもちゃんと収録されている。
一番興味深かったのは、やっぱりラストシーン。
ネタばらしになるから書かないけど、主人公=サラの核心に触れているシーンになっている。
とまあ、私にとっては大きな影響を与えた映画だったのである。
だからかもしれないが、この映画は私にとって心に残る映画となっている。
最後に、翻訳家の戸田奈津子氏がコラムで書いた面白い話を1つ。
作中、エドワード・ファーロングが「ノープロブレム(問題ない)」というシーンがあるが、実際には「ノープロブレモ」と発音している。
これはメキシコで育ったジョン(=ファーロング)の英語には、スペイン語訛りがあるという設定だからだそうだ。
だから、「さっさと失せろ」と邦訳されている言葉も、実際には「ハスタラビスタ」とスペイン語になっている。
言葉一つとっても、これだけの設定があるということを知って、映画の奥深さを知ったものである。
『ターミネーター2』(テレビ)
監督:ジェームス・キャメロン
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、リンダ・ハミルトン、エドワード・ファーロング、ロバート・パトリック、他
評価:10点
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