あべ力也世田谷区議会議員、全世帯の53%の一人暮らし世帯や17%の夫婦のみ世帯への行政サービスについて保坂区長に問う!
定例会一般質問
それでは、通告に基づき質問してまいります。
まず、#次期基本計画策定 に向けてでございますが、国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す #国民負担率 は、五十年前の昭和四十五年度には二四・三%でしたが、令和三年度は四八%と高齢化に伴う社会保障の負担増加などにより、これまで最大となる見込みです。一方、国の財政赤字を加えた潜在的な国民負担率は六〇・七%の見込みであります。このような重い負担の現状で考えさせられるのは、負担と再配分の公平性です。
私は世田谷区の人口や世帯の動向を基に、全世帯の五三%に及ぶひとり暮らし世帯や一七%を占める夫婦のみ世帯といった、人口から見ても世田谷区の半分にも達する方たちが具体の #行政サービス がないという現状について質問を重ねておりますが、国においてもこうしたひとり暮らし世帯やその予備群で、孤独や孤立感の中で様々な悩みを持っていらっしゃる方々に何ができるかを政策として実行していくため、菅内閣で英国に次いで世界で二番目となる #孤独・孤立対策担当大臣 を任命し、具体的な支援策などを議論するため、内閣官房には孤独・孤立対策担当室も設置されています。
新型コロナウイルスの影響によって孤独や孤立など、人々が引き籠もる状況が深刻化していることもその背景にありますが、世田谷区などの都市部においては、人口構成に占めるひとり暮らし世帯や夫婦のみ世帯が増加傾向にあり、合わせて七〇%という深刻な状況です。
また、ひとり暮らしの高齢者は年々増えていて、そのうちの七割は女性です。あるひとり暮らし世帯の当事者の方から、自分の身元を保証してくれる人はいずれいなくなる、保証人がいなければ賃貸への入居を断られるのが現実、ひとり暮らし世帯の自分の緊急連絡先は一体誰なのか分からないといった不安や悩みを聞きますが、どのように解消していくのかも自治体の課題の一つです。
世田谷区として、国の孤独・孤立対策担当大臣や内閣官房の孤独・孤立対策担当室に呼応した所管や施策の展開を期待するものですが、現状、具体の政策は何があるのか。また、今後、次期基本計画などに区民構成の現状に即したこうした視点を取り入れ、具体の政策展開と実現に軸足を移すぐらいの検討をしていただきたいと要望するものです。
また、総務省の #自治体DX推進計画 では、データ様式の統一化を図り、客観的証拠に基づいて、行政の効率化、高度化を図ることが打ち出されております。すなわち根拠が必ずしも明確でない政策の形成や、その執行を行ってはならないということです。デジタル化により、今後、様々なデータを取得しやすくなりますし、区の統計の資料は、政策決定に向けたエビデンスにもなることから重要と考えます。詳細な転入転出の状況や様々な側面からの数字は、区議会議員をはじめ、区民にとっても、区の現状を把握し、どのように改善する必要があるかを示す指標です。詳細な統計資料の作成を要望するものですが、併せて区長の見解を伺います。
保坂区長
あべ議員の御質問に答えます。
まず、ひとり暮らしの方が非常に増えている当区における次期基本計画策定との関係について、そして、統計数値のオープンデータ化についてのお尋ねをいただきました。
ひとり暮らしの区民の割合は御指摘のように増加傾向にあり、家族や世帯における支えあい機能の低下が懸念される中、コロナ禍により全国的にお子さんの自殺や不登校が急増し、また、高齢者をはじめとした多くの方が行動抑制を余儀なくされて、孤独、孤立はもはや社会生活のあらゆる場面で起きているものと考えています。社会的に孤立しがちな方が増えることで、将来の介護需要の高まりや、若年層も含めたひきこもりや閉じ籠もりの増加、社会との関わりの低下による生きがいの喪失、あるいは自ら命を絶つ自殺の増加など、様々社会的な影響が心配され、今後の区政運営において大変大きな課題であると認識しております。
区では地域行政制度の見直しを進めていますが、今後身近な地域で受け止め合う居場所や人と人のつながりが重要になってまいります。SDGsの理念でもある誰一人取り残さない社会の構築に向け、セーフティーネットの強化はもとより、地域包括ケアのさらなる深化、あらゆる世代の居場所づくりや就労、社会参加活動の場づくりなどが要求されていると考えております。次期基本計画の検討においては、改めて人口推計を行い、人口の構成をはじめとして、今後の世田谷区の地域社会の見通しなど、様々な角度からデータを分析し、影響を見定めてまいります。
御指摘の転入転出の推移についても、幅広く開示をすることを通して、より正確な実態を区民に把握してもらうよう検討いたします。審議会や区議会の皆様としっかり議論を重ね、情報公開や統計のオープンデータ化を図りながら、命を守る取組を基軸に、必要な施策の実施を準備してまいります。
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