素晴らしき茜空の会

主に特撮番組の感想文。ブログタイトルは仮面ライダーキバに登場する「素晴らしき青空の会」より。

仮面ライダーアギト 第6話「哀しき妖拳」

2016-09-03 07:34:37 | 仮面ライダーアギト
真由美の父親はアンノウンの犠牲者だった。「おれがついてる、おれが守る」と誓う涼だが、真由美を執拗に狙うアンノウンから彼女をかばったとき、その目の前で異形の化け物に変貌を遂げてしまう。一方、氷川誠がG3の装着員に選ばれたことを激しく妬む北條透は、誠の過去を突き止める。


涼くん、とうとうギルスに変身です。

うわー!!! こんな変身、初めて見た。すごくかっこいいですねこれ!
そして。「なんか敵方みたいなデザインだな」という第一印象そのままに
つねに唸り声をあげ、口をかっと開き、雄叫びをあげ、敵の腹に食らいつく。

必死で逃げるアンノウンを見てたら、どっちが怪人かわかりません。
武器を持たず、自分の身体の一部を変形させて戦うスタイルも独特で、
これで3人のライダーが揃いましたが、まったくタイプが違うんですね。

なんか、うん、井上先生の書くヒーローって感じ(個人的な見解です)
野生の魂を借りてる感じっていうか、生命をむきだしにしてる感じっていうか。

全てを失ったところからスタートし、「自分の居場所」を探して
異形の姿となってもなお、自分を迎えてくれる家族ができた翔一くんとは逆に
あるのが当然だった「自分の居場所」を次々と失い、
真由美ちゃんにすがりつくも、異形の姿を見られ拒絶されてしまう涼くん。

真由美ちゃんも、涼くんのこと好きなら受け入れてあげなよ!とも思うわけですが、
アンノウンに父親を殺され、自分も襲われた直後だから、無理か、無理っすよね。

「会いたくなったら会いに行けばいいじゃない」と、真由美ちゃんを笑顔で見送る翔一くん。
どうなんだろうな、この「わかれに何の感慨もない」っていう様子は。
ギャグシーンの多い前回までは「天真爛漫だなぁ」と思っていたんだけど、
シリアスシーンの中にいると、なんかこう、一般的な感性との微妙な「ズレ」に違和感を覚えてしまう。

そう考えると、相手を困らせるような「おもてなし」の数々も、寒いダジャレも、
真魚ちゃんにしがみついて助けを求めたのも、正体を知られて怯えた姿を見せたのも、
なんだろう、まるで小学生みたいな感情表現じゃない?

そしてとうとう来ましたよ「あかつき号」事件!。
井上御大がインタビューで

「しばらくあかつき号の謎を謎のまま置いてたんだけど、
 誰も『謎の答えはどうなったのか』聞いてこないから
 俺の方が焦っちゃって、中盤からそろそろ内容を明かしていかなきゃな、
 なんて考えたりしたね」

と話してたあかつき号事件ですよ。
ネタバレ回避しつつもインタビュー記事読んじゃっててすみません。
というわけで、あかつき号関連は中盤以降までスルーでOK(笑)

しかし、本当にそんな行き当たりばったりな書き方をしているのか。
30分×50話にも及ぶ壮大なストーリーですよ?
事前に計画的なプロットとかないの? あ、ありますよね???

ラスト。謎の少年は三雲主任をなぜ追いかけるのか。
なんかね、「お母さん」にする気なんじゃないかって、怖いんですよね。お腹狙ってきたし。

えっと、今回やたらと井上先生の話ばっかり出しちゃいますが、信者なんですみません。
井上先生の小説では「母親」がすごい支配的っていうか、存在感が強いんですよね。
母親の存在を求めるシーンが、すごく印象に残るんですよ。

・・・とか考えてたら「月神」のラストシーンがぶわっと脳内に広がってしまって、
魂持ってかれて思考がフリーズしちゃってるんですけど。
とにかく、井上御大が「母」というものをどう考えているのか、すっっっっごく興味があるので
できたら「お母さん」展開に持っていっていただきたい、「母」を求める姿を見てみたい。個人的に。
えげつない展開だと、なお嬉しいですね!(※子供向け番組です)

井上先生の小説は、いいぞ(布教活動)
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「月神」や「海の底のピアノ」については、感想を書きたいと思ってたんですが、
結論。感想まとめるとか無理です。
いやもう、すごいことはわかるんだけど、なにがすごいかさっぱりわからない(笑)


2 コメント

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Unknown (ゴーシュ)
2016-09-03 12:15:33
子供番組なんですよ!!そんなことできるわけないじゃないですか(挨拶)
来ましたね当時のスタッフ人気一位二位を争ったギルス
アギトは全く違う戦いかたのライダーが出てくるので絵的にも見映えがいいんですよね
プロットに関してはあまりガチガチに固めると役者の都合や編集的にもきつくなってしまうので本当に大まかなものが決まってるだけだと思います
井上先生の生インタビューだとデート計画みたいにここに行くここで盛り上げるそういったものを考えてそれを完成度高めればいいとおっしゃってました(ただこの書き方はクウガの構成のかたがカーレンや不思議コメディを手掛けた浦沢さんと同様真似したらいつかひどいことになるともいってます)
親の存在がある種の呪いになってるのはアギト555龍騎の小説版でも描かれてますね
母の声に苦しむ少年
自身の親の変化に苦しむ少年など
何だかんだで井上先生のヒーローは完璧ではないんですよねどこかしら愛嬌があったりどこかずれがある
翔一は過去がなく未来もみていないただ現在だけをみているからその人とフラットに付き合える
キバの音也はじぶんが気に入るかどうかで動いてるからどんな人とも対等に生きている
かっこいい一部だけでヒーローを語るのが嫌いなんでしょうね
そうなったのはご自身の体験談でもあるということがわかる父上について語った伊上勝評伝おすすめです(宣伝)
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Re: (茜空)
2016-09-04 16:23:33
ですよね子供番組ですもんね(挨拶)

デートに例えるあたりが井上先生らしいですね。
そういうスタイルが似合う人と、かっちり仕上げたいスタイルの人がいて
両方の作品を楽しめるのは、とても幸せだと思います。

翔一くんには過去も未来もない、なるほど。確かに未来がないですね。なんでだろう。
個人的には、キバの渡がイクサとの戦闘で四つん這いになって逃げるシーンが印象的で
あんな無様なヒーローはそうそういないと思いますが、
人間なんだから、みっともないところがあって当然だよなって思います。

お父さんについて語った本があるんですね。
昭和ライダーの映像を見てると、脚本の至るところに伊上勝さんのお名前があるので驚きます。
これは必読ですね!教えていただいてありがとうございます!
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