映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は芦田愛菜主演、今村夏子原作の映画「星の子」本編です。
僕の場合は、ほとんど原作を知らず映画を通じて原作を知るパターンが多いのですが、今回も芦田愛菜が6年ぶりの主演で近作のマザーやさよなら渓谷などの大森立嗣監督の作品が好きなこともあり興味深く鑑賞しました。
作品に流れるテーマは家族愛。愛情たっぷりに育てられた芦田演じる中三生のちひろは、病弱だった頃に幼い頃のちひろを治した宗教を信じている両親と暮らしてます。ちひろには姉がいるのですが、そんな両親と距離を置くために家出をし行方不明。親戚の叔父は、ちひろを両親から引き離そうとしています、そんなちひろは、ひそかに恋い焦がれる教師がいますが、教師のあらぬ噂に巻き込まれることに。
家族の日常生活と密接な関係にある、ちひろを治したとされる信仰の水。他人には不可解に見える両親の行動に疑念を持ちながらも、両親の愛に寄り添うちひろ。ちひろの父を永瀬正敏が母を原田知世を演じていて、日常での宗教活動を除けば、どこにでもある、むしろそれ以上の家族愛を感じます。また、ちひろの周りにいる友人たちも、一人の人間として温かく見守っていて好感を持ちました。
この映画は、決してカルト的な宗教に対しての批判ではなく、ちひろの家族の中に流れる深い愛を中心に描かれ星の子のタイトルを象徴的なラストで締めくくっています。