【あらすじ】
『あなたが私を好きだった頃』の続編。
年上の恋人と別れて2年が経過したある日、共通の知人から「彼」が結婚したことを聞かされた井形さんは、彼との思い出が詰まったマンションを引き払い、人気評論家が所有する、古民家の、別宅へ引っ越しをします。
時、同じくして、著者が経営する会社が軌道に乗り、人手を増やすことになりました。
面接に現れたのは、著者よりも4歳年下の久住勇太。
今働いている会社を、すぐにでも辞めたいと切羽詰まった様子の勇太を見て、井形さんは雇用を決めます。
何でもそつなくこなす勇太は、社内の人気者になり、欠かせない存在となっていきます。
そして、井形さんにも少しずつ変化が、、、
【感想】
年下の久住勇太に魅かれていく自分に戸惑う姿と、勇太を受け入れる覚悟を、フルネームから下の名前で変えていくことで、心の変化を表現するあたりはさすがだなと思いました。
元恋人のへの思いを断ち切れてない井形さんにイラッとすることもありましたが、結果的にハッピーエンドで一安心。
勇太との、その後の関係がとても気になります。
『本当の愛は人を幸せにしようとする意志だ。愛は単なる感情ではなく、強い意志なのだと今さらのように気付かされたのです』
「あなたが私を好きだった頃」からずっと違和感があったのですが、元恋人は、最初から井形さんを幸せにしようと言う意思がなかったように思います。
元恋人との恋愛は、久住勇太に出会うために必要な、イニシーションラブだったのではないかな?