私の本棚

※読書感想メイン

夢をかなえるゾウ4/水野敬也

2021-06-13 | 水野敬也
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夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神 [ 水野敬也 ]価格:1738円(税込、送料無料) (2021/6/13時点)

 



愛煙家で関西弁を話す神。ガネーシャ

今回の主人公は、余命宣告を受けたサラリーマン。
残りの人生を悔いのないものにするため、ガネーシャの教えを受けるお話で涙あり笑あり。【なんとなく気付いてはいた】どんでん返しありと、相変わらず最後まで忙しい読み物ですが、やっぱり面白い。

今回は死と向き合う話と言うこともあり、この本を読まなければ知らずにいたこともありました
例えば葬祭費や埋葬料を支給される制度があることネットで調べてみると、自治体によって金額が異なるみたいですが、亡くなってから2年以内に申請すれば支給されるそうです。

そして今回も考えさせられること多数

中でも私が一番印象に残ったのは『夢に拘って実現しようと努力を続けることは素敵なことだけどその夢に縛られて不幸になるなら、手放さねければならない時もある』

ガネーシャは夢をかなえるための課題を、今までいくつも出してきましたがその夢が自分を苦しめているのなら、夢を手放すことも必要だと言います。

そして、死神が、亡くなった人が最後に口にする後悔の言葉の1つに「会いたい人に会えなかったこと」があります
私は、一昨年、生き別れた生みの親を亡くしているのですが主人に「後悔しないために1度だけでもあっておいた方がいいのではないか」と言われていました。
しかし、幼い時に両親が離婚しているので、母親の顔を忘れてしまっていることや新しい家族がいるだろうと遠慮と、自分の過去と向き合うことができず、会うことを躊躇っていたところ昨年、行政書士を通してあちらの親族から手紙が届き、亡くなったことを知りました。

死神の言葉は、私には耳が痛かったです。


『もしこの世が終わるとしたら、幸運だったこと。楽しかったことの全てを思い出す。
悲しいことではなく、人生に意味を与えてくれた喜びの全てを』オードリ・ヘップバーン

まずは、後悔しないために、やりたいことリストをまとめてみようと思います。

・年内まで断捨離・終活する
・体重を落とす
・不動産の資格を取る
・旅行をする
・美味しいものを食べる
・写真をたくさん撮る


拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々/蓮池透

2021-06-12 | 政治



2016年5月読了

当時の民主党議員が国会で取り上げられたことで話題になった1冊なのですが
読んだ後で、この問題をよくドヤ顔で取り上げたなと呆れてしまった記憶があります

タイトルがあまりにも過激だったので内容も過激なのかと思いきや、目立った過激さは感じられませんでした。
また、安倍首相を中心に、自民党批判を繰り広げられているのかと思うと、そうでもなく
拉致問題に関わった人たちほぼ全員が批判の対象で、民主党政権時代のお粗末な民主党の対応も批判されています。

このタイトルは、編集者の推しがあったそうです。
過激なタイトルだと目につきやすく購入者が増えると思ったのか、安倍批判を狙ったものなのか?
それにしても嫌なタイトルだなと思いました。

それに、憶測で書かれているであろうと思われる個所がいくつもあり
全体的に首をかしげたくなる内容の方が目立ちます

拉致被害者を迎えるため花束が必要だと参与に伝えても予算が無いと言われ、自分たちで用意したことに触れ
参与を批判されていますが、なぜ批判されなければならないのか疑問でした
もちろん一時帰国であれ、家族が戻ってきたのは嬉しいことです
花束を渡すことが悪いとは言いませんが、まだ帰国することすらできない拉致被害者がいるのに
彼らのご家族に配慮する思いまでは至らなかったのだろうか?
北朝鮮に残っている被害者家族があのシーンを見て、複雑な心境だったのではないか?。
そんなことを考えると、花束を用意してもらえなかったことくらいどうってことないように思う

最後の対談は全く共感できず、むしろ不快でならなかったです。
というか、対談相手がなぜ青木さんだったのでしょう?
青木氏の発言には前首相を批判したいだけで、そのためにこの問題を利用している印象が強く
客観的、論理的には語っていません。
冷静に読むには時間がかかりそうだったので、対談は全部を読むことができませんでした。

確かに北朝鮮を挑発する行為には賛同しかねるし、経済制裁を加えても逆効果だと私も思います
ただ、蓮池氏の書いたこの暴露本は挑発行為にはあたらないのだろうか?
被害者家族は蓮池氏の批判を繰り返していると、レビューのあちこちで目に留まり
工作員呼ばわりした自民党議員もいました。
相手を怒らせても問題は解決できないと蓮池さん自身が理解しているはずなのに、何か矛盾を覚えてしまうのです
過激な発言をしたことを本書で懺悔されてるのに、蓮池さんの短期な性格は今も変わってはいません。
これを読んだ主人が「思考が右から左に変わっただけじゃないか」と言うように
蓮池さんの本質、根っこの部分は何も変わっていないのです

安倍さんは拉致問題を政治利用したのかもしれません。
ただ、あの時安倍さんや小泉元首相たちの働き掛けで拉致問題が動いたのは事実で
安倍さんたちが動かなければ、弟さんは戻ってこなかったのではないでしょうか

批判と不満ばかりがやたらと目立ち、スッキリすると言うよりモヤモヤ感が残り
これを書いたことで、弟さんの立場を悪くさせているように思いました。



誰もボクを見ていない/山寺 香

2021-06-12 | ルポルタージュ




まともな義務教育を受けることができず、ラブホテルで生活をし
お金がなくなれば、野宿生活をする。
お金は全て少年の母親が、ゲーム代に使い果たす。

そして・・・

所持金がない幸子は我が子に、祖父母を殺害し、金品を奪うことを強要。

映画化されるまで、私はこの事件を知りませんでした。
孫が祖父母を殺害する事件は最近でも起きていて
北海道でも孫が強盗目的で祖母を殺害した事件が起きたので
そのルポタージュだとばかり。

母親、幸子のお金の使い方がとにかくだらしがなさすぎる。
お金を自由に使えるのは独身のうちだけで、結婚をすると大抵は生活に充てがうはずなんだけど
幸子は自分の娯楽のために使ってしまうため、1ヶ月のお給料があっという間になくなってしまう。
お金がなくなると、親戚や両親からお金を借り、借りたお金はゲームに注ぎ込んでしまう

仕事をする訳でも家事をするわけでもなく、食事も作るわけでもなく。
ほんとうであれば、幸子がやらなければならない家事を、事件を起こすまで少年が全部担っていたのだ。

母性も全くない

幸子がお金を使い込んでしまうため、一回り離れた妹のミルクを買うこともできず
少年が牛乳を盗んで飲ませたこともあったそうです

幸子が再婚した相手から暴力を振るわれ、性的虐待にも遭っているにもかかわらず
それを助けようともせず、ゲラゲラと笑って見ている。
それでも少年が我慢してきたのは、母親への依存が強く、捨てられたくない思いがあったからだ。

幸子の幼少時代の家庭環境が詳しく書かれてはいないので、どんな環境で育ったのかはわかりません
ただ、少なくとも幸子は親から虐待を受けて育ったわけでもなく
特別甘やかされて育ったわけではなさそうです。

大体親が我が子に虐待をするのは、自身の家庭環境に問題があり
同情の余地があったりするものだけど、幸子に至っては全く同情ができなかった
我が子に自分の両親を殺害し、金品を奪うことを強要させておきながら
殺人は立証することができず、わずか4年で刑期を終えて帰ってくることは納得がいかない。

とにかくムカムカしながら読んだのですが、読みながら2人の知人が浮かびました

この幸子と唯一違うのは、2人とも働いている(または働いていた)と、言うこと

それ以外は、幸子そのものだと思う

仕事を終えると子供を家に残し、パチンコに向かってしまう。
お金がなくなると、夫名義のクレジットからお金を引き出し
パチンコに注ぎ込む

足の踏み場もないくらいに家の中は汚れていて、泥棒が入ったような状態。
ご主人(知人の息子さん)は仕事柄帰りが遅く、出張で2、3日家を開けることが多いため
母親に子供の様子を見に行って欲しいと頼むこともあるそうです。

お子さんはまだ未就学児童なので、自分でご飯を作ることもできず
家にあるお菓子を食べて空腹を紛らわすのだけど
そのお菓子を食べたと言って激怒し、子供を怒鳴り散らしているところに出くわし
いたたまれず知人は、孫を家に連れて帰ってきたこともあったそうです。

今、離婚に向けて話し合いが設けられているのだけど
女性は自分の両親にに都合の悪いことは話さず、自分に都合よく話をしているのでしょう。
娘がパチンコに依存していることも、孫がどんなことになっているのかも知らないで
詳しい離婚の経緯を知らず、娘から聞いた話を鵜呑みにし、吹聴して歩いているそうです。

相手の父親は同業者で、主人と現場で何度か一緒に仕事をすることがあるのですが
とにかく、あちらの悪口しか言わない。
うちの娘が被害者だと言わんばかりのいいように、腸が煮え繰り返り
何度も「あんたそれは違うぞ」と言いそうになると言っていました。
現在、養育・親権をめぐって揉めています
母親がこう言う人なので、子供の将来を案じ、夫である知人の息子さんが引き取りたいと言っているのですが
相手も譲らず、裁判になりそうだと言っていました。


もう1人の知人もやはりパチンコに依存し、食事も作ったことがない
子供達にはスーパーで買った弁当しか与えないから、
当時高校生だった上のお姉ちゃんがアルバイトで稼いだお給料で、食材を買い
妹たちにご飯食を作ってべさせていたそうです。
ところが、アルバイトで得たお給料を、母親が財布から抜き取ってしまう
どんなに隠しておいても、すぐに見つけ出してしまうので
どうしていいのかわからないと、娘にこぼした話を思い出しました。

また、こんなこともあったそうです。
一番下の妹が、小学校に入るか入らない時に
持病である喘息発作を起こしたことがあるそうです
学校から帰宅したお姉ちゃんが妹の異変に気づき
母親を探したけど見つからず、近所に助けを求め、救急車を呼んだこともあったそうです

今、その母親は、10年以上前に脳梗塞で倒れ自由に出歩きことができずにいるのですが
「家族は何もしてくれない」「自分たちは好き放題に出歩くのに私をどこにも連れて行ってはくれない」と
周囲に愚痴をこぼしたらしく、愚痴を聞かされた知人が
「バチが当たったんだ」と、本人に向かって言ったそうです。

黒川博士は、虐待を繰り返す親への支援の必要性を訴えているのですが
それには反対ではないけど、虐待だけではなく
ゲームやパチンコに依存する人たちを矯正させることも必要ではないだろうか?
そうでないと、第2、第3の少年が産まれるのではないかと思います

桶川ストーカー殺人事件ー遺言/清水 潔

2021-06-10 | ルポルタージュ



回りくどすぎて何を言いたいのかわからないことがたまあるので、出来ればあっさりと書いてくれるとありがたかったな・・・

まず、Amazonのレビューを読んで思ったことをここに書きますね

法律を学んでいる人が、「犯罪は犯罪者だけのせいではないのですね」の読者レビューが目に留まったのですが

せっかく本を読んでの結論が、「犯罪は犯罪者だけのせいではない」なんて、何のために法律を学んだのでしょうか?

桶川ストーカー殺人事件は、部下や兄をお金で物を言わせ利用し、自分は手を汚さず、執拗な嫌がらせをし、逃亡。

挙句、北海道のとある場所で入水自殺なんて、遺族からすれば「卑怯者」と叫びたい気持ちでしょうね

後悔して泣くくらいなら、自殺なんかせずに罪を償え。と、言いたいです

もし小松和人に同情するとしたら、まともな恋愛も出来ない。

まともな仕事に就かず、自分の想いのままにならないと子供のように発狂し、相手を怯えさせるような

きちんとした教育と子育てをしてもらえなかったこと。そんな両親のもとに生まれ、育てられたことです

私が犠牲になった詩織さんに感じたことは、あのときゲームセンターに行かなければ、小松和人と出会うことも無かったはず

みんなでカラオケBOXに行かなければ、そこで小松和人と意気投合することも無く

メルアド交換をしなければ交際するとこもなく、ストーカーされることも、殺されることも無かったのではないかな?と

そこは詩織さんの汚点で、詩織さんにも非があります

とはいえ、警察の怠慢が最悪な結果を招いたことも事実。

詩織さんが友人2人に、自分が置かれている状況を詳しく説明しなければ

友人はストーカーグループの存在を知ることも

腐敗した上尾署の実態を知ることも無かったのです。

その友人が詩織さんの話をすべてメモに書き残してくれたおかげで、後にそれが遺言となり、清水さんが引き継いたのです。

清水さんが調べ上げたすべてを記事にしたから、国会で女性議員が清水さんの記事を取り上げたのです

そして上尾署の腐敗を問題にし、12人の署員が処分されたのです

犠牲者がでたことで見直しされた法律や、新しくできた法律があり。

第二の被害者を出さずに済んだ事件や、学んだ事件や事故もある。

世間が騒いだことで、不正や不祥事が暴かれたこともある。

詩織さんはご自身が犠牲になったことで、命と引き換えに、上尾署の腐敗を世間に知らしめることができたのです

そして「ストーカー規制」が成立したのです。

それは彼女の成果だと思います。

詩織さんの落ち度を否めないのも事実です

でも、彼女の死によって学んだこと、考えなければならないことがあったはず。

犠牲者を否定するのは簡単だけど、彼女の死を無駄にしてはいけない。そう思います。

家族喰い/小野 一光

2021-06-09 | ルポルタージュ




登場人物の多さに、1人1人を把握するのに時間がかかり
こんなに苦労して読んだのは「24人のビリーミリガン」以来です。

事件の詳細と犠牲者の多さに、誰もが驚愕し、憤り。
それでも、世間の関心は徐々に薄れていき、他へと向かう。
ほとんど風化しかけても、長い月日をかけ取材を続けた、小野さんを敬服します

読了後の感想は、憤りとやるせなさで、なんとも複雑な気持ちになりました
ある人は角田美代子をモンスターと言い、ある人は化け物と言う
でも、著者の小野一光さんは「角田美代子はモンスターではない」と言う
読後の私の感想も、小野さんと同じです。
どうして自分を破滅に追い込むようなことをしたのだろうか?

以前読んだ「黒い看護婦」と重なるものがありました。
あの事件の主犯格であった吉田純子が、架空の人物を作り上げ、仲間を脅しコントロールするのですが
この事件も、主犯格である角田美代子が架空のヤクザの名前をだし、親戚を脅し、思いのままコントロールする。
共通点はそれだけではなく、吉田純子といい、角田美代子といい、「愛」に餓えている人だと思った。
とても凄惨で、悍ましく、人を人と思わない美代子を擁護する気など全くなく、憤りしかないのですが
もし両親が愛情をこめて育てていたら、犯罪に手を染めていただろうか?
特に角田美代子に至っては、自分の子供に売春をさせる母親って、私には理解出来ない
ここまでひどいことをされても、母親を想い、父親を想っているのですよね。

両親が、角田美代子と言う化け物を作ったのだけど
その両親が、愛情をかけてさえいれば、化け物にはならなかったのではないか?と、思えてならない

のどから手が出るほど欲しかった、家族団らんと両親の愛情を
親戚は簡単に手にしていて、それが美代子には耐えられなかったのではないか?
お金目的と言うより、親戚を妬んでいるようにも思えたし、お金で寂しさを紛らわしているようにも思えた
もちろん、許すことは出来ないけれど、美代子も加害者であり、被害者
逮捕されてから同房で一緒だった方の証言は、切なくて仕方なかったです。

それでも、あなたのせいで、遺族が苦しみ、悲しみ
あなたのせいで、被害者はいまだにトラウマと戦っているのだから、最後の尻拭いぐらいしてほしかった
どういう理由があろうと、自殺なんて卑怯です