bon voyage!

ボディボーダー・ママののんびりオーストラリアライフ

Change your life with Permaculture!

2005-04-28 | Weblog
先日、パーマカルチャーの創始者の一人である、
デービッド・ホールムグレン氏の講演会が
東京であったので参加してきた。
日本ではまだあまり知られていない分野であるのに対し、
彼の故郷であるオーストラリアでは、もうすでに
「パーマカルチャー」は学校でも教えられていて、
一般家庭に浸透している言葉である、と言ったのには
ショックだった。

実はパーマカルチャーとは、何も目新しいものではなく、
日本にも昔から存在していた。
日本の田舎の農村で昔から培われてきた、
人と自然が有機的かつ生産的なつながりを持つ空間。
これをベースにパーマカルチャーの文化が生まれた。

最低限の労力で、植物や動物の力を最大限に活かす環境を作り、
すべてが循環し補助しあうような空間を作ること。
それがパーマカルチャー・デザインだ。
例えば、家の周りの斜面を利用して雨水を貯水したり、
野菜畑の周りには、害虫を寄せ付けないハーブを植えたり、
鶏を配置して害虫を食べてもらったり。
すべてのものの配置に意味を持たせ、最大限に資源を利用するのだ。

「農業」のイメージが強いパーマカルチャーだが、
実は人間のライフスタイルのヒントとしても応用できる。
以下は講演会の資料から抜粋した、パーマカルチャーの基本原則、
そして()内は、それを人間のライフスタイルに当てはめたものである。
*☆*☆*☆*

1)関連性のある配置をする。適材適所。
  (他者とのつながりを大切に。)

2)多くの機能を持たせる。
  (百姓であれ。でも得意分野を持つ。)

3)多くの要素が存在する。
  (さまざまな個性が存在したほうが豊かな社会になる。)

4)効率的なエネルギー計画。移動も効率的に。
  (シンプルな生活を心がける。)

5)生物資源を使う。
  (生き物を使って仕事をしてもらう。実は人間が一番身近な生物資源。
   自分の体を使おう。)

6)エネルギーを循環。
  (ポジティブなエネルギーを循環させ、ネガティブなエネルギーを垂れ流さない。)

7)小規模集落システム。
  (小さく始め、そこに持っているエネルギーを十分つぎ込む。)

8)還移と進化を促進させる。
  (変わるのは今、この瞬間。)

9)多様性。 
  (みんな違っていい。)

10)接縁効果を最大に。
  (触れ合うことでエネルギーが増幅する。)

11)パターン。観察することで美しいパターンを見つける。
  (日常の立ち振る舞いを見直す。)

12)態度。
  (考え方のパターンを変える。問題は自分自身の中にあるという
   ことを認識する。全ては両方に働き、悪いことは良いことでもある。
   競争ではなく、協力。重荷を最低に。必要以上のものは持たない。
   無理をしない。
   恐れるな、しかし注意深くあれ。自然とともに作業し、支配しない。
   バランスを取る。


ホールムグレン氏が特に強調していたのが、地元で取れる、ローカルなものを
サポートする大切さだ。遠い海外から調達してくる食材ではなく、なるべく
自分で育てたもの、もしくは地元で取れたものを食べることで、エネルギーと
資源を有効活用できるのだそう。またパーマカルチャーということ自体に関しても、
決して遠いオーストラリアに行かなくても、日本の地方にも素晴らしいパーマカルチャーが
存在するので、それに気づいて大切にしてほしい、という主張が印象的だった。

パーマカルチャーに携わる人たちを見てて、いつも思うことがある。
それは、彼らの信念と行動に、矛盾がないことだ。
オーストラリアやコスタリカでファームステイした時にも実感したのだが、
彼らの生活習慣は徹底してエコロジカルで、自然と共生しているのだ。
自分の都合によって、ルールを緩めたり、自分を甘やかしたりしない。
日本やオーストラリアのような先進国に住んでいると、環境問題などの深刻さを理解し、
何かしなければ、と思いつつも、なかなか現実との折り合いを付けれず、
結局は「仕事だから仕方ない」とか「どうすればいいか良く分からない」とか言い訳をし、
環境に悪い生活態度を続けてしまうのではないだろうか。
楽をするためのたくさんの抜け道や誘惑が存在する中、自分を規律し、徹底的に
生活習慣をエコロジカルなものに転換する勇気と強さを持つこと。
その大切さを再認識し、自分の生活態度に反省した一日だった。