先日、パーマカルチャーの創始者の一人である、
デービッド・ホールムグレン氏の講演会が
東京であったので参加してきた。
日本ではまだあまり知られていない分野であるのに対し、
彼の故郷であるオーストラリアでは、もうすでに
「パーマカルチャー」は学校でも教えられていて、
一般家庭に浸透している言葉である、と言ったのには
ショックだった。
実はパーマカルチャーとは、何も目新しいものではなく、
日本にも昔から存在していた。
日本の田舎の農村で昔から培われてきた、
人と自然が有機的かつ生産的なつながりを持つ空間。
これをベースにパーマカルチャーの文化が生まれた。
最低限の労力で、植物や動物の力を最大限に活かす環境を作り、
すべてが循環し補助しあうような空間を作ること。
それがパーマカルチャー・デザインだ。
例えば、家の周りの斜面を利用して雨水を貯水したり、
野菜畑の周りには、害虫を寄せ付けないハーブを植えたり、
鶏を配置して害虫を食べてもらったり。
すべてのものの配置に意味を持たせ、最大限に資源を利用するのだ。
「農業」のイメージが強いパーマカルチャーだが、
実は人間のライフスタイルのヒントとしても応用できる。
以下は講演会の資料から抜粋した、パーマカルチャーの基本原則、
そして()内は、それを人間のライフスタイルに当てはめたものである。
*☆*☆*☆*
1)関連性のある配置をする。適材適所。
(他者とのつながりを大切に。)
2)多くの機能を持たせる。
(百姓であれ。でも得意分野を持つ。)
3)多くの要素が存在する。
(さまざまな個性が存在したほうが豊かな社会になる。)
4)効率的なエネルギー計画。移動も効率的に。
(シンプルな生活を心がける。)
5)生物資源を使う。
(生き物を使って仕事をしてもらう。実は人間が一番身近な生物資源。
自分の体を使おう。)
6)エネルギーを循環。
(ポジティブなエネルギーを循環させ、ネガティブなエネルギーを垂れ流さない。)
7)小規模集落システム。
(小さく始め、そこに持っているエネルギーを十分つぎ込む。)
8)還移と進化を促進させる。
(変わるのは今、この瞬間。)
9)多様性。
(みんな違っていい。)
10)接縁効果を最大に。
(触れ合うことでエネルギーが増幅する。)
11)パターン。観察することで美しいパターンを見つける。
(日常の立ち振る舞いを見直す。)
12)態度。
(考え方のパターンを変える。問題は自分自身の中にあるという
ことを認識する。全ては両方に働き、悪いことは良いことでもある。
競争ではなく、協力。重荷を最低に。必要以上のものは持たない。
無理をしない。
恐れるな、しかし注意深くあれ。自然とともに作業し、支配しない。
バランスを取る。
ホールムグレン氏が特に強調していたのが、地元で取れる、ローカルなものを
サポートする大切さだ。遠い海外から調達してくる食材ではなく、なるべく
自分で育てたもの、もしくは地元で取れたものを食べることで、エネルギーと
資源を有効活用できるのだそう。またパーマカルチャーということ自体に関しても、
決して遠いオーストラリアに行かなくても、日本の地方にも素晴らしいパーマカルチャーが
存在するので、それに気づいて大切にしてほしい、という主張が印象的だった。
パーマカルチャーに携わる人たちを見てて、いつも思うことがある。
それは、彼らの信念と行動に、矛盾がないことだ。
オーストラリアやコスタリカでファームステイした時にも実感したのだが、
彼らの生活習慣は徹底してエコロジカルで、自然と共生しているのだ。
自分の都合によって、ルールを緩めたり、自分を甘やかしたりしない。
日本やオーストラリアのような先進国に住んでいると、環境問題などの深刻さを理解し、
何かしなければ、と思いつつも、なかなか現実との折り合いを付けれず、
結局は「仕事だから仕方ない」とか「どうすればいいか良く分からない」とか言い訳をし、
環境に悪い生活態度を続けてしまうのではないだろうか。
楽をするためのたくさんの抜け道や誘惑が存在する中、自分を規律し、徹底的に
生活習慣をエコロジカルなものに転換する勇気と強さを持つこと。
その大切さを再認識し、自分の生活態度に反省した一日だった。
デービッド・ホールムグレン氏の講演会が
東京であったので参加してきた。
日本ではまだあまり知られていない分野であるのに対し、
彼の故郷であるオーストラリアでは、もうすでに
「パーマカルチャー」は学校でも教えられていて、
一般家庭に浸透している言葉である、と言ったのには
ショックだった。
実はパーマカルチャーとは、何も目新しいものではなく、
日本にも昔から存在していた。
日本の田舎の農村で昔から培われてきた、
人と自然が有機的かつ生産的なつながりを持つ空間。
これをベースにパーマカルチャーの文化が生まれた。
最低限の労力で、植物や動物の力を最大限に活かす環境を作り、
すべてが循環し補助しあうような空間を作ること。
それがパーマカルチャー・デザインだ。
例えば、家の周りの斜面を利用して雨水を貯水したり、
野菜畑の周りには、害虫を寄せ付けないハーブを植えたり、
鶏を配置して害虫を食べてもらったり。
すべてのものの配置に意味を持たせ、最大限に資源を利用するのだ。
「農業」のイメージが強いパーマカルチャーだが、
実は人間のライフスタイルのヒントとしても応用できる。
以下は講演会の資料から抜粋した、パーマカルチャーの基本原則、
そして()内は、それを人間のライフスタイルに当てはめたものである。
*☆*☆*☆*
1)関連性のある配置をする。適材適所。
(他者とのつながりを大切に。)
2)多くの機能を持たせる。
(百姓であれ。でも得意分野を持つ。)
3)多くの要素が存在する。
(さまざまな個性が存在したほうが豊かな社会になる。)
4)効率的なエネルギー計画。移動も効率的に。
(シンプルな生活を心がける。)
5)生物資源を使う。
(生き物を使って仕事をしてもらう。実は人間が一番身近な生物資源。
自分の体を使おう。)
6)エネルギーを循環。
(ポジティブなエネルギーを循環させ、ネガティブなエネルギーを垂れ流さない。)
7)小規模集落システム。
(小さく始め、そこに持っているエネルギーを十分つぎ込む。)
8)還移と進化を促進させる。
(変わるのは今、この瞬間。)
9)多様性。
(みんな違っていい。)
10)接縁効果を最大に。
(触れ合うことでエネルギーが増幅する。)
11)パターン。観察することで美しいパターンを見つける。
(日常の立ち振る舞いを見直す。)
12)態度。
(考え方のパターンを変える。問題は自分自身の中にあるという
ことを認識する。全ては両方に働き、悪いことは良いことでもある。
競争ではなく、協力。重荷を最低に。必要以上のものは持たない。
無理をしない。
恐れるな、しかし注意深くあれ。自然とともに作業し、支配しない。
バランスを取る。
ホールムグレン氏が特に強調していたのが、地元で取れる、ローカルなものを
サポートする大切さだ。遠い海外から調達してくる食材ではなく、なるべく
自分で育てたもの、もしくは地元で取れたものを食べることで、エネルギーと
資源を有効活用できるのだそう。またパーマカルチャーということ自体に関しても、
決して遠いオーストラリアに行かなくても、日本の地方にも素晴らしいパーマカルチャーが
存在するので、それに気づいて大切にしてほしい、という主張が印象的だった。
パーマカルチャーに携わる人たちを見てて、いつも思うことがある。
それは、彼らの信念と行動に、矛盾がないことだ。
オーストラリアやコスタリカでファームステイした時にも実感したのだが、
彼らの生活習慣は徹底してエコロジカルで、自然と共生しているのだ。
自分の都合によって、ルールを緩めたり、自分を甘やかしたりしない。
日本やオーストラリアのような先進国に住んでいると、環境問題などの深刻さを理解し、
何かしなければ、と思いつつも、なかなか現実との折り合いを付けれず、
結局は「仕事だから仕方ない」とか「どうすればいいか良く分からない」とか言い訳をし、
環境に悪い生活態度を続けてしまうのではないだろうか。
楽をするためのたくさんの抜け道や誘惑が存在する中、自分を規律し、徹底的に
生活習慣をエコロジカルなものに転換する勇気と強さを持つこと。
その大切さを再認識し、自分の生活態度に反省した一日だった。