2カ月のロングステイの間、和食を懐かしいとは思ったものの、どうにも我慢できなくなって日本食料理店に駆け込むことはありませんでした。どうやら私はタイ料理好きの日本人なのでしょう。しかし、タイ料理は基本油が多いし、味付けも濃いので、誰でも知っているカオマンガイ(蒸し鶏ご飯)やガパオライス(バジル炒め添えご飯)といったファストフードだけを毎日食べ続けることはできません。タイ移住を勧める記事で、三食タイ料理を食べれば、一日の食費は200バーツ(840円)もあれば十分なんて試算を見かけますが、継続性の視点がすっぽり抜け落ちています。こんな食生活を続けていたら、きっと二週間経たないうちに身体に不調をきたすことでしょう。
かく言う私も、「今日はどうしても野菜をがっつり食べたい!」という日が、週に2日は存在します。そんな時に必ず食べるのがソムタムというパパイヤサラダ。ニンニクやトウガラシをクロックと呼ばれる石臼に入れてトントンと叩き潰し、これに熟していない青いパパイヤを細くそぎ取ったもの、トマト、インゲン、干しエビ、ピーナッツ、カボス(マナーオ)などを入れてさらに叩き、パームシュガーとナンプラーで調味します。この甘、辛、塩、酸、旨味の全てを備えたさっぱりサラダは、誰もが好きなタイの国民食であり、ソムタムが苦手なタイ人にはまだ出会ったことがありません。標準的なソムタムタイの他に、発酵した魚汁の入ったソムタムプラーラー、沢蟹も加えたソムタムプープラーラー、塩漬け玉子を使ったソムタムカイケム、トウモロコシが主役のソムタムカーオポートなどなど、バリエーションも豊富で、色々と楽しめます。ビールのつまみにピッタリ、蒸したもち米(カオニアオ)にもぴったり。これに焼き鳥(カイヤーン)や焼き肉(スアロンハイ)を合わせるともう天国、一日の疲れが吹き飛びます。
このソムタムの唯一の難点は辛いこと。何も言わずに現地仕様で調理されると、口から火を噴くことも。トウガラシが叩き潰されて、カプサイシンが汁に移っているので、ジンジンした痛みがなかなか抜けません。従って、「辛くしないで下さい」(コーマイペットクラップ)という表現は、タイ語実用会話のトップ10にランクイン間違いなしでしょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます