高架鉄道(BTS)と地下鉄(MRT)は、バンコクを訪れる旅行者の多くが利用する公共交通機関である。近年、路線延長や新規開設が相次ぎ、それぞれに路線網が充実して便利なものとなっている。利用者も多く、朝夕の通勤時間帯は、東京を彷彿とさせる混み具合で、幹線であるBTSスクンビット線では、乗車のために一本見送る利用者もいるくらいだ。
この両者はアソーク(MRTスクンビット)、サラデーン(MRTシーロム)など、いくつかの駅で乗り換えが可能であり、利便性の更なる向上と悪名高い渋滞の改善が期待されている(目に見えて緩和されたようには見えないが)。しかしながら、BTSとMRTは、以下に述べるように相互の使い勝手が非常に悪い。もしかして、経営者同士が犬猿の仲ではないかと、勘繰りたくなるくらいなのだ。
1. BTSはカードタイプの切符で、入札時は自動改札機に挿入する。一方、MRTは硬貨型のプラスチックトークンで、タッチして自動改札を通過する。初めて利用した時は戸惑いました。
2. 東京なら、JR東日本はSUICA、私鉄各社はPASMOと、別々のICカードを販売しているが、相互利用が可能である。バンコクでも券売機に列ができるので、リピート利用するのであれば、ICカードを使った方が断然楽ちんである。BTSはラビットカード、MRTにはMRTカードがあるのだが、こともあろうに相互利用ができないのだ。仕方なく私の財布には2枚のICカードが入っている。余談だが、バスにもICカードがあって、これもバスにしか使えない。しかも全てのバスで使える訳ではなく、エアコンの付いた最新車両に限定されるので、もっと酷い(私はバスは現金払い)。
3. ICカードには、Student、 Adult、 Senior(60歳以上)の3種類があるのだが、BTSではシニアカードはタイ人限定なのに対し、MRTでは外国人でも購入することができ、しかも運賃が半額に割引きされるのだ。これはとても有り難い。
4. BTSには1日に何回も乗り降りできる一日乗車券(150バーツ)があるが、MRTにはない。
5. 新設されたイエローライン(サムローンとラップラオを結び、途中フアマークでエアポートリンクに接続する)は、MRTの管轄なのにMRTカードが使えず、何故かラビットカードが使用できる。
運輸省あたりが間に入って、バンコクの発展のために、共に手を握ることはできないものなのだろうか?
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