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引き続き、Roger Stern時代のThe Amazing SPIDER-MAN (“ASM”)。今回は1981年に出版されたASM 224号のレビュー。それから、このVulture篇は一話完結なので、フルレビューはしないけど、Sternが書いたX-MENの話をチョコッと紹介。
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筋書きをStern、画をJohn Romita Jr. (JRJR)、インクをPablo Marcosがそれぞれ担当している。MarcosはMarvelが版権を持っていた時のCONAN(未来少年じゃなくて、名探偵でもなく、蛮人の方)なんかを描いてた人。上手いんだけど、JRJRとの相性はあまり良くないな。
添付の表紙は御用達Mycomicbookshop.comによると、JRJRにJim Mooneyがインクを入れたもの。JRJRの実験的表紙の一つだな。Vultureの羽の描き方が父親の描き方とそっくりだ。背後のVultureの顔の置き方が好きだな。
まずは粗筋から。大怪我を負ったVultureことAdrian Toomesは、病院で治療中。そこに居合わせたMay伯母さんの当時の彼氏Nathan。彼の言葉に励まされ再びToomesはVultureとして再び犯罪を重ねることになる。SPIDER-MANはVultureと偶然遭遇し再度戦うことに。
いつものように今回も気に入ったシーン、台詞等を紹介。JRJRの画力。まだまだなんだけど、SPIDER-MANが椅子の上で片手でバランスを取っている図は面白い。非現実的な構図は、描いてて楽しいんだろうな。
笑っちゃうのはVultureの病院からの脱出方法、そこら辺に置いてあった機械を使って、即席機械の羽を作っちゃうところ。凄い技術力だ。それも担当の看護師が目を離した隙に作っちゃう。天才だ。もし、そんな腕があるんだったら、ぜったい真っ当な道で成功できるよ。犯罪者にならなくても。
続いて台詞。Nathanが人質になって無口になったSPIDER-MANに対するVultureのもの。”Don’t tell that your legendary wit has run dry.” SPIDER-MANのwise cracking(憎まれ口)にVultureは相当頭に来ていたに違いない。
もう一つ、Vultureの台詞。前述のようにNathanの励ましに、気を取り直した彼。”You gave me my life back. How can I hurt you.” と言ってNathan開放する。意外と良い奴じゃん。見直した。
Vultureは逃げちゃって、今回はあっさり話が終わり。
さて、手短に同時期に買ったSternの書いたX-MEN Odd Men Out。X-MENの歴史を語った逸品。画はDave Cockrum。X-MENの歴史はほとんど知っているので、話しとしては新鮮味に欠けた。この本を買って唯一お得感があったのは、亡きCockrumの画が楽しめた点か。