昨年アメリカに行った際入手した1971年に出版されたX-MEN 76号を読み終えたので、さらっとレビュー。ちなみに、X-MEN 76号は、1967年に出版されたX-MEN 28号の再版で28号とは表紙が違う。
筋書きをRoy Thomas、画をWerner Rothが担当。表紙画はGil Kaneによるもの。
粗筋を手短に。悪の組織Factor Threeの命令によりOgreなる犯罪者が、ミュータントBansheeを手懐けX-MENを襲いその指揮者Xavier教授(X教授)を誘拐しようとする。それを防ごうとする若きX-MEN達。
いつものように、好きなシーン等を順不同で紹介。まずは、Kaneの表紙。署名がないので、誰だろうなって思ってたけど、そうだよね、この下から上に見上げる構図はKaneの得意技だ。光文社版のAmazing SPIDER-MAN (ASM)でもそんな構図をバンバン描いてたもんね、当時の彼は。そして彼が描いたASMの名作The Night Gwen Stacy DiedはこのX-MEN 76号の2年後に出版されている。彼の絶頂期かもしれないなこの頃が。
読む字が多いのは、当時のアメコミの特徴。今の二倍はあるな、字の量が。この話だって今だったら少なくとも2冊に分かれて出版される内容。まずは、チームが悪人に負けて1冊、汚名挽回で1冊みたいにね。それを1冊のページ数にまとめられているんだから、解説や説明に頼らざるを得ない。
悪者一味の標的がX-MENの基地だとX教授が簡単にわかっちゃうのはちょっと厳しい。さらに言えば、Bancheeが悪人に手を貸している理由もX教授は脈絡もなくさっとわかっちゃう。そんな、緩さが面白いかな。
X-MENの悪役の一人MimicがX教授の理解の元X-MENに加入しているのも面白い。X教授は納得しても他のメンバー(特にCYCLOPS)が半信半疑なのが良し。当時の戦闘技術はなまっちょろいけど、この頃からリーダーとしての自覚はしっかりあるねCYCLOPSは。
まだ60年代の話なので、X-MENが頼りない。チームワークもどこかちぐはぐ。(前述Mimicが一員であるのもその理由の一つだが。)
前述のようにこの話Banshee初登場の話。身体を振動させて、姿を見せない設定は1970年代以降の彼の登場作品では見られないな。(X-MEN 121号では自慢の声も出せない。)しかし、なんでこの当時の彼は猿みたいな顔してるんだろうな。それでいて長髪。
一方、気に入らない点。Roy Thomasにしては、話に盛り上がりがないな。また、画のRothもパッとしない、Jack Kirby風の画。当時のX-MENがあまり、人気がなかった理由がわかる。
出版年については、Marvel Comicsの公式サイト、Wikipediaを参照した。
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