アメコミとラーメン

今月の表紙もよく考えられてるな、SPIDER-MAN最新号




今月のアメコミがご用達から到着したら、いつものように、The Superior SPIDER-MAN(”SSM”)からレビュー。今回はSSM 11号、12号。筋書きをChristos Gage、画をGiuseppe Camuncoliが担当。いつものDan Slottは構想のみで、筋書きはGageに任せているね。

添付画像は、11号のもの。今回の話が超人的力を持った悪人の刑務所Raft Islandでの話なので、このようなデザインになっているのだが、それだけではない。Doc Ockの精神がSPIDER-MAN の身体の中に入り込んでいるわけだが、見方を変えれば、彼はSPIDER-MAN の身体の中に囚われている。本文中でもDr. Octopus(“Doc Ock”)がそんなことを語っているね。そして、そんな関係が画として表現されている。面白い。

前述の刑務所Raft IslandでSpider SlayerことAlistair Smytheが死刑に処せられようとしている。今はニューヨーク市長のJJJが、彼の妻を殺したSmytheの処刑に立ち会うべく悪のSPIDER-MANと共にRaftを訪れる。当然物語はそこからSmytheの大暴れに発展していく。

死刑執行前日、Doc Ockが操る悪のSPIDER-MANが、明日の今頃には全てが終っていると断言する。そこでのJJJの台詞、”Not for me.”が良い。例え、殺人者が死刑となっても、愛する妻Marlaを殺されたことを乗り越えることはできないってことなんだね。この台詞はものすごく現実的。

Doc Ockに乗っ取られているPeter Parkerの尊大な態度に、雇用主である研究所所長Maxの怒りは沸点まであと僅かな状態というところが伏線としては好きだな。

Doc Ockが収監されていた時に意地悪した刑務所の警備責任者に対し言った、悪のSPIDER-MANの台詞も気が利いている。You are a complete and total failure. Both as head of security and as a man. 警備責任者としても人間としてもダメダメだってのは手厳しいね。実際その後の警備責任者の行動は、どこか間抜けで、Doc Ockの言葉を裏打ちする。

次に12号。面白いのはごちゃごちゃ五月蠅いSmytheの弁護士を殴ったJJJかな。その後俺を訴えろって言い放ったのも小気味が良い。

また、安全な場所から出て、Smytheを追おうとするJJJの姿も好き。彼が死刑執行を無事終わらせようとしているだけなのか、それともSmytheを自分自身の手で殺そうとしているのかは今の時点では判然としない。

判然としないのは、もう一点。JJJを殺そうとしているScorpion、他の人質を殺そうとしているVulture。そいつらを放っておいて、悪のSPIDER-MANはやらなければいけないのはSmytheを殺すこと言い放った台詞。2点納得できていない。まず、彼がこの島に来たのはSmytheを殺すことが目的ではなかったはず。もう一つは、他の人質は安全な場所にいるとして、JJJは安全ではないはず。何か手を講じているのかということ。この辺は来月わかるね。

最後に今回は気に入らないことを何点か書く。まずは、Giuseppeが描くPeter Parker(精神はDoc Ockだけど)の画。どうもPeterっぽくないんだよね。

それから、死刑の瞬間現れたSmytheの作ったロボット、Mini Slayersについて。これはちょっと説得力がないな。Doc Ockが連れて来たロボットSpider-botsが島に沢山いるんだから事前に発見できるはず。その瞬間までわからないって、Doc Ock自身が間抜けだってことを露呈しているの同じだもんね。彼の間抜けな対応は次への伏線だってのは下種の勘ぐりか。
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