
Sinister Six篇の続き1990年のAmazing SPIDER-MAN (ASM) 336号、337号をレビュー。
筋書きをDavid Michelinie、画をEric Larsen、336号のインクをMike Machlan、337号のインクをTerry Austinがそれぞれ担当。添付画像は337号のものを使用。Larsenの作品なのだが、インクは何とWalt Simonson。大好きなアーティストの一人がインクを入れているのは嬉しい。本当は鉛筆も彼が描いてくれたらもっと良いのだが。X-MEN Legendという雑誌で奥さんLouisと組んでまたX-MENを描いてくれるらしい。楽しみ。
まずは粗筋。KingpinがVultureを雇いカジノ王Traskを殺害を試みる。Kingpinと組む他のヤクザは裏でChanceを雇いその殺害計画を助ける。それを阻むSPIDER-MAN。337号ではDoctor Octopusとその指示を受けるSinister Six達の計画が始動。
気に入ったシーンや台詞等を順不同で紹介。まず、DR. STRANGEがちょい役で出演。人間そのものを称えるのではなく、その所有物を褒めることで称えるような人々を悲しむ姿が面白い。Michelinieの考えをSTRANGEに代弁させているんだね。
ASM 336号の最後は、May伯母さんが心を寄せているNathanの死で終わる。彼は自分の死期が迫っていることを知り、全財産をカジノ王の死に賭けている。結局そういう人にはお金は行かないのだが、上記のように物質的な幸せを否定する作者の考えは終始一貫している。
ASM 337号でもゲスト出演あり。NOVA。ただし、前号のSTRANGEと同じで、物語の進行とは関係なく通りすがり。
337号のクライマックスは前半の1ページ。窓を割って暴れまくるHobgoblinを襲うSPIDER-MANの図。コマのないページをSplash Pageって言うんだけど、結構こういうページにこそアーティストは心血を注ぐ。だから読者が圧唐ウれるような迫力が出て来る。
最終ページのDoc Ockの台詞を紹介。”And Earth will belong to Octopus alone.” 笑っちゃう。Sinister Sixを組んでも結局こいつは自分以外の奴らのこと何に考えてない。それでこそ、Doc Ock。仲間への憐憫なんてない。それから、全ての計画は彼がたてている、仲間のことなんて信用していない。彼がリーダーである間は、Sinister Sixってそもそも長続きしない宿命なんだね。
ちょっと、細部は違うけど、Dan Slottが書いたDoc Ockが衛星を使って地球の温度を上る計画もこの話と似ている。いずれも、全世界を脅迫しているしね。