本当に7年振りにFANTASTIC FOUR(以下“FF”)を入手。いやいやこれをFFと称して良いのかどうか。そもそもこういう企画に絶対ひっかからないようにしているのだが、Peter Davidが筋書を担当していると知り、1号を定価$4.99で購入してしまった。新刊で定価は久し振り。
どういう企画かと言えば、1991年に出版されたFF 347号~349号の続きという設定。1991年のこの話はWalt Simonsonが筋書を書き、絶頂時代(個人的な感想)のArt Adamsが画を描くというなんとも贅沢な陣容。そして、FFのピンチヒッターにSPIDER-MAN、HULK、WOLVERINE、GHOST RIDERが集まると言う贅沢な布陣。アメコミ屋で買っちゃったね、X-MENとその姉妹誌ぐらいしか買ってなかったのにその当時は。
さて、今回はDavidの他、画をAlan Robinsonが担当。添付の画像はNew FF 2号のvariant。Nick RocheとFelipe Sobreiroが描いている。このvariantを選んだのは、構図が非常に良かったからなんだよね。1枚の画の中に動きがあって、一人一人のキャラがそれぞれにその個性を十分発揮している。よく見ると遠近法がちょっとな。因みに普通の表紙はNick Bradshawが担当しているのだが、Adamsっぽい画がなかなかイケている。
粗筋をさくっと紹介。ラスベガスの排水溝に住む人々が凶悪化した。それに気が付いた神父John。彼の助けを求める声は、New FFの元へ届いた。
いつものように、好きなシーン台詞等を順不同で書く。まずはこの排水溝で暮らす人々。John神父はMole Peopleと称している。1991年のFF347号にはMole Manが登場しておりこれはDavidのシャレ。わざわざMole Manを出さないところが良い。
出発前のSPIDER-MANがVultureを見過ごすのだが、その後、悪事を働いた直後の彼をSPIDER-MAN達が乗った飛行機が跳ね飛ばすのには笑った。ちょっと可哀そうな気もするが、悪事は割に合わないということかな。
新聞に映ったNew FFの写真はPeterの写したものなのだが、その経緯もおかしい。わざわざ遠回りさせて、Peterの仕掛けたカメラの前を飛ばさせたのには笑った。Davidが書くとこういう細かい細工が楽しいね。大爆笑。
このJohn神父が何か祈るとそれが現実になる展開。謎解きはこれからか。敵か迫った時に祈った神父はラスベガスから遠く離れたリノ(ここもカジノで有名)に瞬間移動し、New FFのメンバーはニューヨークに戻ってしまった。今回の悪人というか悪魔Asmodeusとその子分達と取り残されたのはGHOST RIDERのみ。で1号は終わり。
そして、2号はニューヨークで拾ったHUMAN TORCHが悪魔に支配されてしまったところで終わる。と昔ながらのアメコミ的なCliff Hungerを2話続けて出してきたな、David。
悪魔の目的が”SYZYGY”と簡単に明かされたこと。CZG? 何のこっちゃ。また、この言葉に出した願いが叶うJohn神父の不思議な力の謎。この2つがこれからの話で解かれていく筈。
2号でのSPIDER-MANの不満とそれに対するTORCHの皮肉が楽しい台詞。”You’re saying we can’t handle it ourselves?” “Yeah. You’ve been together five minutes and you’ve lost one of your members.” TORCHの言うことはもっともだ。
しょうもないことなのだが、リノからラスベガスに向かうバスのそとで、コヨーテとロードランナーが意味もなく描かれていた。写実的にね。絶対あの名作アニメを意識している。