先月書いたMoorcock’s MULTIVERSE の続き。何しろ12号まで続くので読み終わるまでに暫くかかる。
筋書をMoorcock、Rose von Bekの話の画をSimonson、Sir Seaton Beggの話の画をMark Reeve、Elricの話の画をJohn Ridgwayがそれぞれ担当。
粗筋をサラッと紹介。蟻人間に拘束されたRoseと彼女を守るSamはニューオーリンズに到着。そこに彼女の命を狙う謎の人物(Gaynor?)が現れた。2話目。ヒトラーが力をつけつつあるドイツ、ヒトラーの寵愛する姪が殺された。Seatonはその捜査を担当する。3話目。アフリカへと渡るElricだが、女海賊に捕まる。そしてSilverskinへと導く地図が描かれたカーペットを彼女に奪われる。
またまた、Moorcockならでは捻じれた設定。蟻人間とお互いの血液を交換するという儀式もさることながら、Roseは半分植物半分哺乳類らしい。最早理解できぬ。
蟻人間に、彼らが欲しいものを与える代わりに、Roseの命を引き渡すよう提案したGanorらしき謎の人物の台詞。”And in return I desire only pluck a single rose.”文字通りバラの花の茎を折ってしまう彼。画的には綺麗なのだが、花を折るという行為に迫力はないな。
散々Ganorと書いたのだが、ちょっと自信がなくなってきた。蟻人間に彼の正体を明かされた。取引のためだったら何でもやる彼の名はPaul Minct。仮面の下の顔は傷だらけ。かつての悪の所業の呪いなのか。やっぱりGanorかな。Ganorは顔がないみたいな表現が昔読んだ本で読んだ気がするしな。
添付画像にも選んだ4号の表紙。Rose。どんどんこの表紙が好きになってきている気がする。Simonsonが描くと女性が力強くカッチョ良くなる。今話題のSHE-HULKを描いてもらいたいな。過去に彼が描いたかは知らないけど。FANTASTIC FOURを担当していた1991年には描いていたかもしれないね。
2話目の舞台はミュンヘン。ロンドンからそこまでZeppelin号で移動。物語そのものより、その旅が気になる。自動車も運べるんだ、その飛行船は。1話目にもナチスドイツが出て来たし、最初に想定したように3つの話はやがて一つの話になるのか。
犯人は最初に怪しいと思った人物だな。途中では親衛隊の一人やHitlerに脅迫状を出した人物等も出て来るのだが。
3話目。女海賊の名はBarbary Rose。第1話のRoseの分身か。面白い。
ElricはStormbringerを失ってしまう。このパターンは今までになかった展開だな。気落ちして何もできない彼だが、ちょっと待て。この旅に出る前はこの黒い剣を人に預けてたじゃない。何か腑に落ちない。
Elricとその仲間を助けたかと思えば逆に縛り上げ、娘を我が物のしようとする軍人。夜間にはその軍を他の部族に襲われ、挙句の果てには、軍人と同じようにElric等を殺しレイプしようとするオチには笑った。言葉が酷いので台詞は書かない。