John BuscemaとStan Leeの作品を読んだので早速レビュー。1971年に出版されたTHOR187号、188号。
筋書をLee、画をBuscema、インクをJoe SinnotとJim Mooneyがそれぞれ担当。添付画像はBuscemaが描いた188号の表紙。BuscemaとSinnotによる作品。MooneyよりSinnotの方が力強い画に仕上がっていて好みだ。
面白いのは画面下の方でLokiとKarnillaが争っているように見えて二人の力を合わせInfinityと戦っている場面。これは中の話を読まないとわからない。
一大事にも関わらず、常にLokiは自分の欲望(王座への執着、生存)を優先するのは首尾一貫していて、むしろ清々しい。じゃなければKarnillaと共闘しない。
続いて粗筋。Infinityなる宇宙の力に魅せられたOrdinはInfinityに従わないTHORを必要に唐サうとする。THORは防戦するのみ。一方Infinityの影響は遥か遠方にある地球へも影響を及ぼしている。Infinityの秘密を知ったTHORは188号で反撃に出る。
次に気に入ったシーン、台詞等を紹介。天変地異の地球での混乱を面白おかしく説明する場面。アメリカが起こした現象と決めつけ、ソ連の軍人は艦隊を送ることを決定。それに対抗するかのようにアメリカの軍人も第六艦隊を送るよう大統領に進言。それに対する大統領の台詞。”We mustn’t fly off the handle … with elections coming.” 前半は自制を失うという慣用句。何事も選挙が年頭にあるのは、1971年も現在も変わらない。変わらないと言えばソ連の動きも現在のロシアと被る。アメリカの対応も妙に現在の状態に酷似している。
何百万光年彼方の事象を科学者が望遠鏡で見ていて、これが地球に影響していると結論付ける科学者。ここまでは良いとして、とするとだこの事件は何百万年前に起こったことになる。するとだ、この物語でTHORは1971年に生きているDonald Blakeの姿に変身することと矛盾してしまう。
不死のTHORの姿でいるとInfinityの力に魅入られてしまうので、命に限りのあるDonald に変身するという理屈は面白い。
188号10ページ目Mjolnirを使って嵐を呼ぶTHORの3コマは前半のハイライト。そしてMjolnirの力とKarnillaの魔術そして仲間たちの力を使いInfinityを打ち破った一撃は後半のハイライトかな。
物語はこの号でめでたし、めでたしとならないところはアメコミらしい、まだ問題は解決していないから。Infinityの正体はここでは書かないが、根本的な問題の解決は次号へ続く。
今この話をMarvelが再度やったら、2冊でInfinityは唐黷ネいな。もっとだらだら話を伸ばすね。2冊は読み物としては丁度良い長さだ。
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