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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

第94回 全国高校野球選手権大会 予選展望2 ≪関東≫

2012年06月24日 | 高校野球

第94回全国高校野球選手権大会 予選展望2


【茨城】(参加102校)
絶対的な本命はいない。常総、下妻二、水戸商が大会を引っ張る3巨頭か。

◎ 常総学院 
〇 下妻二 水戸商
△ 水城 土浦湖北 
▲ 藤代 霞ヶ浦 水戸桜ノ牧

名将・木内監督から常総学院を引き継いだのが、取手二時代の優勝メンバーでもある佐々木監督。すでに”木内門下生”からは、同期の下妻二・小菅監督が甲子園を経験しており、この”同級生対決”が今年の茨城のキーワード。常総学院は秋、春と着実に実績を残しており、今年も候補最右翼。菅原・伊藤の投手陣に鋭い攻撃力。あとは木内監督のように、相手に威圧感を与える采配ができるかが焦点。小菅監督の下妻二は、エースの諏訪にすべてをかける。170センチそこそこの左腕だが、何しろ投げ方がよく球のキレが素晴らしい。絶好調ならばどんなチームにも対峙できるだけの力を持つが、2番手以下の投手層の薄さと活発でない打線が、夏の大会になってどれだけ諏訪を支えることが出来るのか。小菅監督の腕の見せ所だ。今年はずば抜けたチームは見当たらず、10校以上に甲子園のチャンスが広がっている年だ。春優勝の水戸商は、関東大会で嫌な負け方をしたショックを一掃できているのか。他校を圧倒できる戦力はないが、混戦になれば力を発揮する。初の夏を狙う土浦湖北と霞ヶ浦。この”湖畔球児”達の初出場にかけて大会を見るのも面白い。特に霞ヶ浦は、2年連続の決勝敗退。昨年は9回大逆転負けという忘れられない結末。しかもこの展開で甲子園を逃したのが2回目。何とか彼らに、栄冠を輝かせたい気もあるが・・・・。1年時から甲子園の土を踏む萩原ら中軸の破壊力抜群の水城は、2年ぶりのVを狙う。カギは投手陣の踏ん張りか。昨年代表の藤代、水戸桜ノ牧に水戸啓明等、一発逆転を狙う勢力も多い。



【栃木】(参加63校)
自信あふれる作新の好守。連続出場なれば、作新の時代がやってくる。

◎ 作新学院
〇 宇都宮工 文星芸大付
△ 佐野日大
▲ 白鴎大足利 宇都宮北 宇都宮南

作新の小針野球が、栃木の野球を大きく変えそうな雰囲気だ。昨年夏までの栃木県は、関東の中では完全に他県の後塵を拝していたが、昨夏の作新の復活、全国4強に続いて、今年は秋、春の関東大会でも作新が連続で横浜を破るなど、この超名門が【新強豪校】として華麗なる復活を遂げている。もし今年の夏も栃木県の覇権を制するようだと、いよいよ作新時代の到来かも知れない。小針野球には、それだけの魅力と力にあふれている。その中心は何と言っても、2年生ながらガッチリとホームを死守する山下捕手の存在だろう。全国的に見てもこれほどクレバーな捕手はなかなか見当たらず、すでにチームの精神的支柱である風情を醸し出している。エースの大谷はセンバツ時でもわかったように、昨夏からほとんど成長が見られない。その間隙をぬって左腕・筒井が春に一本立ちしたのはチームにとって大きいが、夏の連戦はやはり大谷の力なくしては勝ち抜けないであろう。エースの復調がカギを握っている。打線は相変わらず切れ味は鋭いが、小技は利かない。そのあたりに、ライバルの付け入る隙もあると思うが。追っていく一番手は、好投手・星の宇都宮工か。星は長身から糸を引くストレートを投げるが、球筋はやや素直で、連戦で球威が落ちると捕まる危険性をはらむ。ここは打線の援護が期待できないので、星の孤軍奮闘が頼みだが。総合力では文星芸大付をあげるが、大事な試合にことごとく勝ちきれない”気持ちの弱さ”をどう克服しているのか。逆に大舞台に強い佐野日大の一気の浮上も有り得る。大型左腕・弓削の本格化で覇権争いに参戦したい。そのほか、打線活発な白鴎大足利、宇都宮北、宇都宮南の公立勢、旋風を巻き起こしたい大田原、宇都宮白楊などが上位をうかがう展開になりそうだ。

 


【群馬】(参加68校)
”野球の違い”見せつける新鋭・健大高崎。勢いに乗りこの難敵を倒す勢力は現れるのか。

◎ 健大高崎
〇 前橋商 前橋育英
△ 桐生第一 高崎 高崎商
▲ 樹徳 桐生商 東京農大二

『♪ Be Together~』のメロディーにのって、今が旬の健大高崎の進撃は止まらない。昨夏悲願の甲子園初出場を果たし1勝を挙げて完全に自信をつけたチームは、昨秋の関東大会4強、選抜4強、春の関東大会優勝と、着実に強豪への道を歩み始めた。その原動力は青柳監督が手塩にかけて育て上げた選手たちの”野球力”に他ならない。機動力を使った攻め、一瞬の判断力など、他校と比べて一歩も二歩も上回っている印象のある健大高崎の野球は、この夏も炸裂する予感がある。今年のチームは、特にエースの三木、控えの生井の2本柱に安定感があり、春よりもさらに一歩成長した感じだ。もともとの足を絡める強打線と相まって、候補一番手の地位は揺るぎそうにない。その健大高崎を追うのが、前年までコンスタントに甲子園を掴み取っていた前橋商。そしてその前橋商を何度も甲子園に導いた富岡監督が就任した高崎商だ。ともに左腕の好投手を持ち、健大高崎に一歩も引かない構えを見せる。【群馬の巌流島決戦】に持ち込めるかどうか。昨春のセンバツで悲願の甲子園の土を踏んだ前橋育英は、春の県大会準優勝。6人の甲子園組を中心とした堅い守りで、一泡吹かせたいところ。選抜出場の高崎は、帰ってからまだチームの状態が上がってきていない。選抜で見せた鋭い連打が戻れば面白い。その他では、桐生商の柿田投手が注目されている。そしてこのところ元気のない桐生第一がどう巻き返すのか、目が離せない。



【埼玉】(参加158校)
問題山積の浦和学院に、果たして歓喜の夏はやってくるのか。

◎ 浦和学院
〇 花咲徳栄 埼玉栄
△ 聖望学園 春日部共栄 
▲ 南陵 春日部東 

秋の関東大会を制して選抜8強進出の浦和学院を中心に動くのは間違いないが、6月にレギュラー選手の不祥事もあり、不安定な要素も多く抱える。浦和学院は、9回1死まで優勝した大阪桐蔭を追い詰めた戦いぶりが賞賛されたが、逆に勝ちきれなかった”詰めの甘さ”は長年のウィークポイントとして解消されなかったことも露見。エース佐藤に2年生山口という投手陣、そして鋭い打球を連発する打撃陣と、戦力的には他校を引き離す存在であるが、今年の夏は”詰め”を上手くできるのかが課題。昨年の代表、花咲徳栄の評判も悪くない。今年は下級生中心のメンバーを組む予定だが、岩井監督を中心に勝ち方を知るだけに、他校には怖い存在だ。このところ甲子園からご無沙汰の聖望学園、春日部共栄の両強豪も、例年通りチームを仕上げており”今年こそ”を狙う。特に春日部共栄の打線は強力。一発勝負で、はまった時は一気・・・・・と行くだろう。春準優勝の埼玉栄も、久々の甲子園に狙いを定める。接戦には強く、関東大会4強の力は侮れない。春の県大会では、4強に3校の公立勢が顔をそろえる”異変”が起こった。優勝した南陵は、これといった武器はないものの、接戦を勝ち上がるしぶといチーム。春日部東も投手力には自信を持っており、春は浦和学院の強打線を完封した。4強の川口も自信を持ち、大暴れを誓っている。強豪が順当に勝ち上がるか、それとも勢いを持った公立勢が大暴れか。目の離せない大会になりそうだ。




【千葉】(参加172校)
苦しみ続けた1年に終止符を打ち、習志野の逆襲が始まる。

◎ 習志野
〇 専大松戸
△ 木更津総合 千葉英和 千葉経大付属 
▲ 松戸国際 流通経済大柏 拓大紅陵 東海大望洋 東京学館浦安

昨年までの栄光をすべて失い、春までは習志野がもがき苦しんだ。在原、大野、木村と甲子園で好投した3本の柱を擁し、パワーあふれる打者を並べながらの敗退続き。自信を無くしかけたことだろうが、そこは百戦錬磨の小林監督。夏の大会に向け、チームをキッチリと仕上げつつある。仕上がってくれば他校より一枚も二枚も上の戦力を持つ習志野を、本命に挙げないわけにはいかない。昨年の夏などのように、接戦になった試合を取っていける気持ちの強さが出てくれば、連続出場に最短距離にいる。春優勝の専大松戸は、藤代、常総学院などを率いた名将・持丸監督のチーム作りが熟成して来て、昨年にも増して”悲願達成”に近い位置につけたといっていいだろう。エース・栗原は安定感抜群。今年は打線の層も厚く、どこからでも攻撃ができるところが例年との違い。持丸監督も選手の上げ潮ムードに、ひそかに自信を深めている様子だ。夏の千葉大会は172校が参加する激戦。毎年どこかで波乱が演出されるが、今年もその可能性は十分。力のある木更津総合、秋優勝の千葉英和、名門の千葉経大付属、春準優勝の松戸国際などは、どこが甲子園をつかんでもおかしくないほどの精鋭ぞろい。それに近年力をつけてきた流経柏、古豪拓大紅陵に東京学館浦安など、波に乗ったチームの勝ち上りが期待できそうだ。6月まで対外試合を自粛していた東海大望洋は、実力的には県下でも1・2位を争う充実した戦力を持ち、台風の目になるか。



【神奈川】(参加190校)
横浜優位も波乱含みか。強豪ブロックを横目に見ながら、横浜隼人の勢いが夏を制するかも。

◎ 横浜
〇 横浜隼人 桐蔭学園 東海大相模
△ 慶応 横浜商大 横浜創学館
▲ 桐光学園 武相 向上 川崎北

選抜8強に進出した横浜は、夏の神奈川の戦いを熟知している。エース柳に抑えの相馬、この2本に春好投を続けた田原を加え、暑い夏の連戦を乗り切る準備は十分すぎるほど整っている。しぶとい打線の中にあっては、1年生・高浜が4番に座るのではと見られており、待望久しい”主砲”の出現に、渡辺監督の自信も深まっている。ライバル・東海大相模も戦力は充実。昨年よりも打線の破壊力は落ちるものの、当時からエースだった庄司に安定感が増し、チームの総合力ではかなり高い所に位置している。注目の1年生・青島が一本立ちするようだと、横浜との対決でも引けを取らなくなる。横浜・東海大相模を中心として左側のブロックに強豪が集まったが、その間隙をぬって右ブロックからはどこが上がってくるのか。その最有力候補は、春優勝の横浜隼人と、4強の桐蔭学園だ。横浜隼人は春は1点差ゲームをしぶとく勝ち抜きVを達成。3年前の初出場を見て入部を決めた選手が大半の”プラチナ世代”がチームの根幹をなす。春は終盤での逆転が多く目立たなかったが、やはりネックとなりそうなのは投手陣か。先発がヨーイドンで失点するというパターンになると、夏の特殊な雰囲気の中で逆転していくのは骨が折れるので、どこまで整備できているかがカギを握りそうだ。右ブロックでは桐蔭学園の評判もいい。昨年のチームで狙っていた夏の覇権だが、今年のチームも好守に穴が少ない。しかし近年の桐蔭に言えることは、強豪とのたたき合いになった時に決め手に欠けるということ。しかし抽選結果は望み以上になったので、快進撃も期待できる。他にも力のあるチームが覇権を争うのが神奈川の夏。各校に警戒されているのは、打線が活発な慶応と好投手・松井を擁する桐光学園。そのほかにも初出場を狙う横浜創学館や好投手・馬場の横浜商大。近年実績を残す武相、向上、川崎北にもチャンスはある。



【山梨】(参加38校)

今年も2強の力の対決で代表が決まる。

◎ 東海大甲府
〇 山梨学院大付属
△ 甲府工 日本航空
▲ 富士河口湖 甲府城西 甲府商

38校で争う夏の覇権。出場校が多い関東の他県と比べると、戦い方にも違いのある県大会だ。例年エースを押し立てるチームが有利な戦いを展開するが、そのジンクスからは、東海大甲府が1番手に上がってくると思われる。春の関東大会でブレークしたエースの神原は、145キロ超の速球を誇り、控えの本田にも目途が立ち投手力は万全。相変わらず鋭い打球を打ち分ける打線は、渡辺・石井の中軸を中心に長打力もあり、充実した戦力となっている。対する夏連覇を目指す山梨学院大付属は、昨夏の県予選で5本塁打を放った主砲・小林を軸にして切れ目のない打線を誇る。エース広瀬の状態が上がってこないのが心配だが、控えの平間がエースナンバーを奪う勢いで伸びてきているのは好材料。今年は決勝で、宿命の対決の実現が濃厚だ。追っていく勢力の中では、しぶとさでは一番の甲府工がまずトップに上がる。もとより野球のうまさでは山梨県下ではNO1.あとはエースの三浦の踏ん張りにかかる。昨年準優勝の日本航空は、今ひとつ殻を破れていない今年のチームだ。それよりも新興勢力の鹿児島城西、さらに秋・春ともに4強に進出した富士河口湖の活躍に注目が集まっている。



【東東京】(参加148校)

盤石の構え見せる帝京は全国制覇が目標。剛腕・中村の復活にかける関東一。

◎ 帝京
〇 関東一
△ 二松学舎 国士舘 東海大高輪台
▲ 修徳 成立学園 雪谷

連続出場を狙う帝京の2本柱、渡辺と石倉の安定感は抜群だ。どっちがどっちと言えないくらい力も拮抗していて、昨年の剛腕エース・伊藤を擁したチームよりも安定感では上回る。打線も相変わらず破壊力は抜群。総合力では、十分に全国制覇を狙えるものを持っており、Vへ最短距離にいると言えよう。対する関東一は、選抜帰りの春の東京大会で敗れ夏はノーシードからの戦いとなったものの、幸いに帝京とは逆のブロックに入り、両雄の対戦があるとすれば、決勝での対決ということになった。選抜でファンをうならせたエース中村は、疲労からフォームを崩して春は十分に投げられなかったものの、その潜在能力は全国屈指。帝京打線を抑えられるとすれば、この中村以外にはないというのがもっぱらの評判だ。弱いと言われた打線も春の関東大会で踏ん張りを見せたように、かなり底上げ出来てきたので、投打にバランスのとれた新しい姿を披露できるはずだ。今年の夏の大会は、この2強を脅かす勢力はいないという気がする。春の準優勝、東海大高輪台や悲願の初制覇を狙う二松学舎大付、浮上のきっかけをつかみたい国士舘などが候補に挙がってくるとみられるものの、どこも今一つの戦力で、2強を脅かすまでには至らないであろう。




【西東京】(参加117校)

日大三の真の力が試される夏。決めて持つチーム少なく、都立勢を含めて群雄割拠。

◎ 日大鶴ヶ丘
〇 日大三 佼成学園 早実
△ 東亜学園 国学院久我山 創価 
▲ 日大二 片倉 昭和 日野

昨年は圧倒的な戦力を誇った日大三が全国制覇。圧倒的なパワーの前に、各校はねじ伏せられた格好だ。しかし今年は、その日大三の足取りがおぼついていない。秋・春の都大会で全く実績を残せず、この夏はノーシードからの戦いを余儀なくされる。だが、主将の金子、エースの斎藤を軸に、ひとつキッカケをつかめば一気に突っ走るだけのポテンシャルは、このチームも持っている。来年以降本格化する下級生の中にも光を放つ選手は多く、勝ち進むごとに新たな選手が台頭してくる予感もするので、決して目の離せない存在だ。ここ数年その日大三の最大のライバルになっている日大鶴ヶ丘には、スライダーを武器にプロも注目するエース・大高がいる。大高は完全に抑えきるだけの精度はまだないものの、西東京の中では創価・池田と並んでトップクラスの投手だ。打線も例年以上に活発なため、第1シードから一気に突っ走る可能性は十分。この両校に遅れないと虎視眈々と2年ぶりの甲子園を狙うのが早実。140キロ以上の速球を誇る八木が主戦として春以降登板していないのは気になるが、中学での実績のある選手が多く、スマートな中でキッチリと試合を拾っていけるかが快進撃のカギ。佼成学園、東亜学園の古豪は、今年もひと暴れを狙う。いずれも線の細さは否めないが、都大会で勝ちきるだけの力は秘めている。昨春のセンバツで鮮烈なデビューを果たした国学院久我山・川口にも最後の夏。実績は上がっていないが、一発にかける。その他、絶対のチームがいないだけに、都立勢にもチャンスは十分。最近実績を残す都日野は何とも厳しいブロックに入ったが、進撃できるか。好投手・金井の都片倉、スピードある攻撃が特徴の都昭和にもチャンスが巡ってきた。10校以上にチャンスがある大激戦。どこが勝ってもおかしくはない大会となることは必至。名門・強豪がVを獲るか、それとも新鋭の台頭があるのか。面白い夏だ。


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