≪第62回全日本大学野球選手権大会≫
【決勝】
上武大学(関東甲信越新大学) 6-5 亜細亜大学(東都)
上武 100 005 000 - 6
亜細亜 201 000 002 - 5
『梅雨の祭典』
全国大学野球選手権の決勝が、
雨の上がった神宮球場で行われました。
決勝は劇的な展開となり、
前日に東京六大学の明治を破った上武大が、
この日は優勝候補筆頭の亜細亜をも破り、
初の栄冠を手にしました。
全国の大学の頂点に立った上武大、
本当におめでとうございます。
試合は上武が先制点を挙げたのもつかの間、
亜細亜の打線が連投の上武のエース・横田を捕らえてすぐに逆転。
昨年の甲子園春夏連覇の大阪桐蔭の打の中心、水本が2打席連続のタイムリーで引き離すという、
亜細亜に理想的な展開となりました。
しかし前日明治に逆転勝ちして勢いに乗る上武は、
6回に大反撃。
1点を返すと、
満塁で代打に4年生の清水を送ります。
前日の明治戦で代打に登場して送りバントをきっちり決めていたところから、
NHKの放送席ではしきりに『気持ちの強い選手に違いない』と、
解説者もアナウンサーも言っていましたが、
その清水が3球目を捕らえた打球は、
打った瞬間に『いった~~~~』とわかるものすごい当たり。
1塁側・上武の応援席の大声援に乗ってグングン伸びた打球は、
レフトスタンドに突き刺さる
『代打逆転満塁ホームラン!』
一気に試合をひっくり返しました。
この清水選手。
中央球界ではもちろん無名。
甲府工業出身の4年生。
3年生まで全く出番はなく、
4年生になった今季初めてのヒットを記録した選手だそうです。
しかしリーグ戦はこの1安打のみ。
この選手を起用した監督の慧眼には恐れ入りますが、
この日を信じてくる日も来る日も素振りを続けた清水選手の執念が、
すべて乗り移った打球でしたね。
まさに『乾坤一擲の一撃』
出番がなくとも、
グラウンドに立てなくとも、
毎日毎日振り続けた、
100万回を優に超すであろう素振りが生んだ一撃でした。
*1日最低300回×365日×10年(中学・高校・大学)=約110万回 計算しちゃったりして。
実は前日の土曜日に甲府工業の練習試合を見たので、思い入れも強かったりしていました。
清水選手が、
自分の未来の嫁さんにも、
同僚にも、
子供にも、
孫にも・・・・・
いつまでも『語り継げる』一打でした。
そしてそのリードを『死ぬ気で守った』のは、
飯能南高校出身の横田投手。
彼も3年後期ぐらいから急に伸びてきて、
この春はリーグ戦7勝の救世主。
この大会でも『マウンドはおれに任せろ』
とばかり、
チェンジアップとカーブを上手く散らして4試合完投。
MVPを獲得しました。
『飯能南の横田』
いくら高校野球好きのワタシでも、
まったく高校時代の彼の姿は想像できません。
初めて耳にする名前でした。
しかしその落ち着いたピッチングは見事なもの。
右打者の外角にチェンジアップを出し入れする投球は、
どことなく谷口監督の高校時代(浦和学院)を彷彿とさせてくれました。
谷口監督、
甲子園でチェンジアップを駆使して、
強打者たちを翻弄し続けましたもんねえ。
その谷口氏が率いる雑草軍団が、
見事なまでのまとまりを発揮しての全国制覇。
頭が下がります。
それからもう一つ、
桐光学園の【土手ファン】としては、
石川選手の元気な姿が見られたことも、
とても嬉しい事でした。
(わかる人にはわかると思いますが)
ということで、
キラ星のごとく【超高校級選手】を集めた六大学、東都などのチームを撃破し、
この【無名軍団】が頂点。
ここに大学野球の楽しさ、
ひいては野球の楽しさもあります。
昨秋の明治神宮大会では桐蔭横浜大が初制覇。
それに続く『地方リーグ』の快挙。
大学球界はますます『群雄割拠』の時代に入っていくかもしれません。
今年もまた面白い【梅雨の祭典】でした。
大学という時代を野球にかける『戦士』達の戦い。
また胸が熱くなりました。
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