10・20米・ラスベガス(DAZNボクシング)
◇WBA世界ミドル級タイトルマッチ 12回戦
チャンピオン 挑戦者・同級2位
村田諒太(帝拳)● 12R判定 〇 ロブ・ブラント(米国)
110-118
109-119
109-119
前の記事にも書いたとおり、
昨日は西武がCSでSBに惨敗。
それも確かにショックだったんですが、
このショックに比べたら。。。。。。
そのぐらい村田諒太の王座陥落は、
ワタシにとっても、そして多くのボクシングファンにとっても、
衝撃以外の何物でもありませんでしたね。
昨年の歓喜のミドル級世界タイトルの奪取にわきかえったボクシングファン。
村田諒太のやるボクシングは、
ある意味日本の”国民的関心事”に近いところまでやってきていたといっても、
過言ではなかったでしょう。
数々のドキュメンタリー番組も作成され、
村田諒太のストイックでいて哲学的なにおいを持ったキャラクターなどとも相まって、
村田の顔と名前が一致する人が、
飛躍的に増えたこれまでの1年だったと思います。
そして転がり込んできたのが、
ラスベガスでの防衛戦と、
その後に見据えるあの強豪のゲンジー・ゴロフキンとの対戦。
ゴロフキンがカネロにまさかの敗北を喫したことでその”夢のカード”はしぼんだかに見えましたが、
世界的プロモーターはこのゴロフキンと村田の東京ドームでの対戦を諦めていない発言も続いて、
村田もビッグマッチに向けてこの日の対戦は「絶対に負けられない」と意気込んでいました。
しかもアメリカのファンたちに村田諒太の名前を浸透させるため、
先の井上尚弥張りの「インパクトのあるKO勝ち」を試合前から公言しており、
この日の試合はファンの間では、
「村田がどんな勝ち方をするか?!」
の一点に絞られていたような気がします。
「村田は勝ってタイトルを守れるのか?」
ではなく、
「どんな勝ち方をするか?」
ということ。
やっぱりこの”空気”は、
危険なものでしたね。
ましてやミドル級の試合。
そんなに簡単に村田はこの階段をも登っていけるのか?
ひそかにささやかれていたことが、
まさに昨日、ラスベガスのリングで現実のものとなってしまいました。
「人類最激戦区」
と昔から言われているミドル級。
こんなところに参戦できる日本人が出るなんて、
夢想だにしなかったというのが本当のところ。
その夢に酔いながら、
やはりだんだんとワタシも村田を「無敵の何とか」と勘違いしてしまって、
「負けるはずなどない・・・・・最強のところまで、登っていけるはず」
なんて簡単に思いすぎていました。
やっぱり・・・・・
ミドル級のボクサーは、
強豪がそこかしこにいて、
どの試合も簡単に勝てる試合などはないということ、
身につまされました。
初回から「あれっ?」という立ち上がりを見せた村田。
相手の細かいパンチを浴びて、
既にコーナーに戻った時は鼻血を出し、顔がはれていました。
それでも「まだまだこれから」
と思っていたものの相手の勢いは全く落ちず、
村田の強打を浴びてもそれ以上のパンチをその都度返してきました。
いくら解説の山中さんが「このラウンドは村田です」と言ってくれても、
見ている限り劣勢は明らか。
「後半相手の勢いが絶対に落ちてきます」
という解説を聞きながら画面を見ると、
なおさら勢いを増した相手と、
焦りながら前に出るもその都度被弾して消耗する村田・・・・・・
というまったくもって「見たくない絵柄」が映し出され、
その都度ワタシも疲労していきました。
試合が終わった時はもう、
見ている人たちが誰しも「ああ、これは村田は敗れたな」と覚悟したと思います。
WBCではないので途中の採点は公開されませんでしたが、
山中さんが言うような「競っています。判定はどっちに転ぶか」とは到底思えず、
「完敗」の思いを強くして判定を見守りました。
そして判定は。。。。。
なんと2者は10ポイントの差を付けました。
12ラウンドのうち11ラウンドが相手のラウンドということ。
ほぼフルマークですね。
まあ、
そうつけられても文句は言えないな・・・・・
というような試合内容でしたね。
村田は本当にここまでよく頑張ったと思いますが、
ここで何か「世界の現実」を突き付けられたような気がして、
本当に打ちのめされてしまいました。
*ちなみにその打ちのめされたマインドで野球にチャンネルを回すと、すでに西武がSBに3点も先取されていた・・・・・という、まさに”傷口に塩”という画面が展開されていました。ああ、なんて日だ、まったく。
これからの村田は、
どうなっていくのでしょうか。
ロンドンで金メダルを取り、
それから紆余曲折の末にプロボクサーの道を選択した村田。
そこからの長い道のりを、
本当に一歩一歩登って行ってここまでたどり着いた彼。
その歩みに、
何ら後悔するところなどないでしょう。
見守ってきたファンも、
本当に「見果てぬ夢」にのっけてもらって、
楽しい道程でした。
彼の一歩一歩、
そしてそれを冷静に頭の中で咀嚼して語る彼に、
リスペクトの思いを強くしていました。
あれだけの行動力と頭の良さを持った人ですから、
どの世界に行っても必ず成功していくことでしょう。
しかしながら、
ぜひボクシングの世界にとどまり、
その経験を活かしながら「高所で」ボクシング界を見て行ってほしい。。。。
それがワタシの願いです。
もちろん、
まだまだ戦い続けるということならば、
引退するまで変わらない声援を送り続けるつもりです。
村田諒太という日本が生んだ稀有なスターが、
ラスベガスという聖地で、
ミドル級という世界最大の激戦地で、
戦ったという事実は変わりにはありません。
頑張った村田には、大きな拍手を送ります。
だけど、
打ちのめされています。。。。。
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記事を読んだだけですが、(ちょっと痛々しく、悲しくなるので映像は見ません)
全くスピードに対応できていなかったようですね。
ガードをがっちり固めてプレッシャーを与えるというスタイルも、相手に圧力が伝わらなければ
スピードのない村田選手は当然不利になるでしょう。
負けるとすればあのようなパターンだろうなあという嫌な予想が当ってしまいました。
エンダム戦のときもそうでしたが、ジャブを含め手数がほしかったです。(映像を見ていないのでエラソーなこといえませんが)
それにもっと引き出しがあれば・・・本当に残念でした。
ほぼフルマークという結果以上に、大きな差を感じているのではないでしょうか。
そんな気がしてなりません。
年齢的にもおそらく・・・。
アラム爺さんはまだゴロフキン戦を諦めてないようですが、両者ともチャンピオンではなくなった今、
むりやり対戦させても盛り上がりに欠け、シラけるだけです。
なにより村田選手が望んでないのでは。
とにかく、今はゆっくり体を休めてください。
本当に本当に、おつかれさんと言葉をかけてやりたいです。
あとは尚哉!たのんだぞ!!
それにしても、この虚無感たるや はァ。。。
まだワタシ、立ち直れていません。
それほど衝撃の結末でした。
しかし誰もが「簡単に勝って、次だ、次」というコメントを出し、雰囲気を醸し出していたので、何か嫌~な予感めいたものはあったんですよね。
相手の登場の時の余裕、反対に何か村田にいつもと違うものが感じられた入場に、胸に変なドキドキ感が去来したのも、事実です。そして初回の立ち上がり。
打たれたという以上に、コーナーに戻った村田の顔がもう中盤以降のようになっていたのには、衝撃を受けました。
それでも「中盤以降は必ず・・・・」と信じて観戦していましたが、回を追うごとに力の差が。。。。。
それでも最後まで何とかしようとする村田の姿勢には、侍スピリッツを感じました。
今はただ、お疲れさまといいたいですね。
これ以降現役を続けるというのは、村田自身ということよりもスポンサーやらプロモーターの意向が強いといわざるを得ません。
村田は最後まで周りの状況を鑑みながら結論を出すのでしょうが、「スーパーボクサー」村田として、最後は自分の気持ちに忠実に、その結論を出してほしいと思います。