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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

拳四朗 稀に見る激闘制し王座防衛。 井上尚弥のスーパーバンタム級にも異変あり

2023年04月10日 | ボクシング

4/8 AMAZONプライムボクシングVol4  ~東京・有明アリーナ~
 ◇WBC・WBA世界Lフライ級タイトルマッチ 12回戦
   チャンピオン                挑戦者・WBAフライ級2位  
   寺地拳四朗(BMB) ◎ 9R・TKO  ● アンソニー・オラスクアガ(米国)
                58秒

 ◇WBA世界バンタム級王座決定戦 12回戦
   同級2位                   同級3位
   井上拓真(大橋) ○ 12R判定 3-0  ● リボリオ・ソリス(ベネズエラ)
      (116-112、117-111、118-110)
 
 ◇6回戦
   デビュー戦                日本バンタム級4位
   那須川天心(帝拳)○ 6R判定 3-0 ● 与那覇勇気(真正)
      (59-55、60-53、60-53)
 
 ◇WBOアジア太平洋ウェルター級タイトルマッチ 12回戦
   チャンピオン               挑戦者・WBO同級世界8位   
   佐々木尽(八王子中屋)◎ 3R・TKO ● 小原佳太(三迫)
                1分13秒

 ◇IBF世界フェザー級挑戦者決定戦 12回戦
  同級3位                     同級2位
  阿部麗也(KG大和) ○ 12R判定 3-0 ● キコ・マルチネス(スペイン)
    (117-111、119-109、119-109)


土曜日に行われたプライムビデオボクシングの第4弾。
那須川天心のボクシングデビュー戦が大々的に報じられる興行でしたが、
なかなか見どころの多い面白い興行となりました。

那須川天心は、
さすがにキックで百戦錬磨の実績を積んできただけあって、
ゲストの村田諒太も言っていた「格闘センス」が抜群。

相手の与那覇に「格の違い」を見せつけ、
楽々デビュー戦を飾りました。
見た感じ非常にスムーズに動けていて、
「ゆくゆくは世界チャンピオンになるだろうなあ」
と感じさせてくれる試合で、
ワタシも今後ウォッチしていきたいひとりですね。

しかし、
その那須川以上にインパクトを与えてくれたのが佐々木尽。
彼自身「今日は自分の名前を覚えていってもらうことが主眼」なんて話していましたが、
その言葉通りの見事な強打で、
百戦錬磨の相手、小原を切り裂いて3RのKOで見事な勝利を飾りました。

世界に配信されている今日の試合。
世界のボクシングファンたちにも、
かなりのインパクトを与えたんじゃないでしょうかね。

何しろその強打と動きの速さ、
強烈です。

ウェルター級という層の厚いクラスですから、
そうそう簡単にタイトルマッチの機会も訪れないと思いますが、
いまだ日本人がそのタイトルを取ったことがないウェルター級で、
佐々木がどこまで行ってくれるのか。
非常に楽しみになってきました。


そして・・・・・・


なんといってもこの日最大のインパクトを与えてくれたのは、
メインイベンター、拳四朗でした。

拳四朗は、
この試合Lフライ級の3団体統一をかけた「チャンピオン同士の激突」だったものが、
直前で相手が肺炎にかかって試合がキャンセル。
という事で直前の変更で選ばれたのが、
日本の帝拳ジム所属で、
帝拳の世界フライ級チャンピオンである中谷潤人の盟友でもあるアメリカのオラスクアガ。

この対戦が決まった時、
コアなボクシングファンからは、
「もともとの3団体統一戦より、こっちのマッチアップの方がずっと面白そうだ。オラスクアガは、もともとの対戦予定だったゴンザレスよりもよほど強い。もしかしたら、拳四朗も危ういかも」
なんてことがささやかれていました。

ワタシは「本当かよ~」なんて思っていましたが、
試合が始まって見てびっくり。

このオラスクアガ、
これまで拳四朗がやったどの相手よりも、
よほど強いボクサーでした。

何しろLフライ級なのに、
あのド迫力のパンチは何だ~って感じで、
一発当たったら沈みそうなすごいパンチを放っていました。

しかも動きも早く、
解説席の村田さん、そして山中さんをして、
「拳四朗以外が相手だったら、必ずオラスクアガ選手がチャンピオンになっているだろう」
というぐらい強かった。

しかし拳四朗も、
前回京口を倒して2団体制覇を成し遂げたように、
現在絶好調で、ボクシングキャリアのピークを迎えている選手。

しっかりとジャブを突いてなかなかオラスクアガ選手を中に入れず、
しかも的確で強いワンツーなどをガシガシ決める絶好の試合展開。

じわじわと拳四朗が押し始め、
中盤からはボディへの強打が炸裂。


が・・・・


これだけパンチを浴びても、
オラスクアガはどんどん前に出てきて、
さらに強いパンチをまとめてきます。

さすがの拳四朗にも、
若干の焦りというか恐れの色も出だし、
7R、8Rと進んで行くにつれ、
試合がどうなっていくか全くわからない、
ものすごい、壮絶なファイトとなりました。

優しい顔をして気がものすごく強い拳四朗は、
それでも決して下がらずグイグイ通し、パンチを決めていきますが、
オラスクアガもひるまず応戦。

会場からは期せずして「拳四朗」コールの大合唱。

前に行われた4試合、
那須川天心の試合を含め、
いい試合が多かったのに、
この拳四朗の試合とは全く雰囲気が違いました。

この拳四朗の試合、
まさに「これがボクシングだ」という試合で、
ワタシも久々に「手に汗握る」感じで、
息もできないぐらいの攻防でした。

そして9R、
ついに拳四朗がオラスクアガをとらえ、
右を中心にパンチを集めロープ際に追い詰め、
ついにレフェリーが試合を止め、
フィニッシュしました。

それにしてもすごいファイトだった。

オラスクアガも、
「こんなに強いボクサー。いたんだ!!!」
っていうぐらい強い選手でした。

これでまだキャリアは5戦ですから、
今後世界チャンピオンになるのは当然として、
ものすごく強いボクサーとして崇められる存在にまでなる可能性を秘めていますね。

その強いオラスクアガを葬り去った拳四朗、
本当に、ホント~に、
強くなりました。

見事なファイトでしたね。

もうこれでLフライ級には、
敵はいないんじゃないかな?!

ゴンザレスなんて、
全く目じゃないでしょう。

今後どういう感じで彼のボクシングロードが進んで行くのか、
本当に注目しています。

いや~
日本のボクシング界にとって、
拳四朗は井上尚弥と、
完全にツートップですよ。

中谷潤人がいい形になってくればスリートップかも。

試合後は感極まって涙が出ていましたが、
ここがまた彼のいいところですね。
これからの防衛ロードも、
楽しみにしていますよ。


さて、
この日弟である井上拓真のチームの一人として、
リングサイドに陣取っていた井上尚弥。

5月のタイトルマッチが7月に延びましたが、
まずは元気な姿を見られてよかったです。

なんだか少し風貌や雰囲気が変わっていて、
最初見た時、
正直井上尚弥だとは思いませんでした。

その井上尚弥関連で、
大きな「事件」が昨日起こりました。

スーパーバンタム級2団体の世界王者にして、
「井上と戦いたい」
と公言していたアフマダリエフが、
なんと判定で敗れて王座から陥落してしまいました。

これは井上尚弥の「スーパーバンタム級での4団体統一ロード」にとって、
大きな出来事ですね。

アフマダリエフを破ったタパレス、
2団体統一王者になりましたが、
今後どういう感じで進んで行くんでしょうか。

風の噂では、
何か亀田の3男が絡んでくる可能性もあるとか。。。。。。
さて、
井上尚弥のスーパーバンタム級4団体完全制覇への道は、
いったいどうなっていくんでしょうか。

拳の方も心配だし、
いったいどうなるんでしょうね。

ちなみに井上拓真の試合は、
これまでと変わらんタイプの試合でしたね。
あのファイトスタイルで4団体制覇は、
厳しいだろうなあ。。


という事で土曜日盛り上がりましたが、
日曜日にも注目するマッチが。

それは日本の吉野修一郎が、
アメリカの「次世代のパウンド・フォー・パウンド」と言われているシャクール・スティーブンソンに、
敢然と挑んで行った試合が行われたからです。

吉野は長く日本で活躍してきた選手ですが、
なかなか世界へ挑戦するという術が見つからなかった選手。

日本人で世界に名の通った伊藤、中谷を連続して倒し、
「誰も戦いたがらない」シャクールから「じゃ、お前でいいや、お前やる?」
と指名を受けて決定したこの日の試合。

吉野にとっては、
降ってわいたような大チャンスでした。

しかし相手は「ネクストメイウェザー」とまで言われているピッカピカのホープで、
さらに下の階級では世界2階級をすでに制しています。

まさに映画「ロッキー」そのものの試合で、
吉野に対する日本のボクシングファンの期待というか声援、
凄かったです。

吉野の「根性」が、
どこまでシャクールに通じるのか。。。。。。

そう思って見ていましたが、
やっぱり現実は厳しかった。
映画のようにはいかなかった。

1Rから全く相手を寄せ付けないシャクールの技巧とパンチの強さ(パンチはないと言われていたのですが…)に痛めつけられ、
ついに6Rでレフェリーストップ。
無念のTKO負けとなってしまいました。


しかし。。。。


ホントよくやった。
そのファイティングスピリッツに、
スタンディングオベーションです。

かつてPFPの全盛期のローマン・ゴンザレスに敢然と挑んだ八重樫東、
そしてワシル・ロマチェンコと戦った中谷正義、
彼らに匹敵する、
『強者に敢然と挑んでいく日本男児』の系譜に、
吉野修一郎が名を連ねる一戦でした。

まだまだ吉野の現役生活は続くと思います。

シャクールより強い相手はいないと思いますから、
今後は自信をもって、
世界チャンピオンを目指してください。
再起、待っています。。。


ということで、
濃い・・・・本当に濃い「ボクシングの週末」を過ごさせてもらいました。

佐々木尽の登場に驚き、
拳四朗の激闘に酔いしれ、
そして吉野の挑戦に拍手を送りました。

ボクシングのおもしろさ、
凄さがたっぷり詰まった2日間でした。

那須川天心選手も、
楽しみですね。


これでしばらくはボクシングもビッグマッチがなく、
小休止となりそうです。
おっと、中谷潤人の試合はあるか。

まだまだ魂を熱く燃やしてくれるボクシングは、
ワタシを熱くしてくれます。



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