昨日は月曜日なのでプロ野球はお休み。
しかし、
実に様々なことが起こった日になりました。
考えること、感じること、
いろいろとあります。
スポーツの「幅広さ」を実感する1日となりました。
そんな中で、ボクシングと相撲という2つの格闘技を見て、ふと思ったこと。
まずは日曜日から。
ボクシングのWBA・IBFライトフライ級統一王者の田口良一が、
「統一王者」として初めての防衛戦に臨みました。
田口は挑戦者にして、
1階級下のミニマム級元王者であるブドラー(南ア)に対して、
前半から主導権を握られる苦しい展開となりました。
結局最終回にダウンを奪って反撃したものの、
判定はジャッジ3者ともに1ポイント差で挑戦者を有利と採点し、
田口は王座を明け渡す結果となりました。
この試合でもまた、
今年話題になっている「コンディション作りの難しさ」があらわになりました。
減量に苦しんだ田口は試合前から明らかにげっそりとした表情で、
今までの防衛戦の戦い方がウソのように、
彼らしい攻防一体のボクシングを全く見せることができませんでしたね。
ジムの会長は、
試合前にはジャッジに南アの人間が含まれていることにクレームをつけてジャッジを入れ替えさせ、
試合後は最終回の採点がおかしいとこれまた「提訴する」なんてクレームをつけていました。
しかし試合を見る限りにおいては、
「田口が勝った」
とはどうしても思うことができない展開で、
ジャッジは珍しく3者ともに公平だったと思いますよ。
田口には厳しい戦いとなってしまいましたが、
捲土重来を期してほしいと思います。
まだまだ伸びしろはいっぱいあると思います。
ここで諦めてほしくはないですね。
次に相撲。
昨日の相撲を見ていて、
大いに感じるところがあったのですが、
それに触れていたのはデイリースポーツのみ。
”それ”とは横綱・白鵬の昨日の取り組みにおける立ち合い。
今場所元気な琴奨菊との一番で白鵬は、
ぶちかまされて一気に持っていかれるのを過度に警戒したか、
相手がしっかり構えていた1度目の立ち合いで”待った”をかけました。
そして2度目は、
相手がまだそんきょの姿勢に完全に入っていないところで、
両手ともに仕切り線につけることなくフライング気味の立ち合い。
琴奨菊は立ち遅れて、
武器である立ち合いのぶちかましを見せることができませんでした。
白鵬としては、
金星を献上した阿炎戦のことが頭をよぎったのでしょう。
「ぶちかましをまともに受けてはいけない。」
しかし横綱としては。。。。。
こんな相撲、どうなのかな?
瞬間ワタシの頭の中に浮かんだのは、
『また白鵬が、姑息なことをやった』
そしてこの相撲を見ていて、
ワタシは何か自分の中で妙に「腑に落ちる」ことを感じてしまいました。
それは、
なぜ白鵬を応援できない自分になっているんだろうということ(の本質)。
ワタシは以前、
白鵬のたたずまい、相撲に向かう姿勢、そしてその目指すところなどに、
大いに共感していたものでした。
最も好きな力士は、ずっと長い間白鵬でした。
特にその前の横綱である朝青龍の大相撲というものをなめ切った態度をずっと見させられていたので、
その対比という点からも、
「白鵬は本当に素晴らしい」と思っていました。
勝てば勝つほど、
その相撲に魅了されていたといっても過言ではありませんでした。
それぐらい「白鵬フリーク」だったと思っています。
しかし・・・。
いつのころからか、
白鵬の相撲に言い知れぬ違和感を感じて、
何か「応援できない」という思いが芽生えてきて、
現在に至っています。
ワタシは基本的に、
大相撲には「大横綱」が絶対に必要だと思っています。
相撲のすばらしさというものを、
その土俵上の力強さ、所作、たたずまいなどに、
すべて感じさせてくれる力士こそが大横綱。
すべての力士に、
大相撲たるものの手本を見せてくれる強大な存在、
それこそが「時代とともにある大横綱」だと思います。
横綱になったからといって、
決して大横綱になれるわけではない、
そんな思いでいました。
そしてそんな存在こそが、
大相撲の大いなる「重し」になってくれる、
そんなこと、感じずにはいられませんでした。
ワタシが見てきた大相撲で、
過去北の湖、千代の富士、貴乃花、
この3人こそは「大横綱」。
特に北の湖と貴乃花は、
どっしりと相手力士の立ち合いを受け、
それを力強く跳ね返すというすごさを見せてくれたという印象が強いですね。
彼らと比較して白鵬はどうか……
そんなことをよく考えていたのですが、
横綱在位前半~中盤の白鵬はまさに「その大横綱をも上回る」と思っていたのですが、
現在、言ってみれば横綱在位後半の白鵬には、
まったくそのことを感じません。
何度優勝しても、
そしていくら勝ちまくっても、です。
「なぜなんだろうなあ…?」
と自分でも不思議に思っていたことなのですが、
昨日の相撲を見て、
ふっと腑に落ちました。
白鵬の相撲が、
「勝てばなんでもいい」というものに変化してきており、
そのため土俵上で「姑息なこと」を平気でやるようになったということが原因だということです。
白鵬を好きでなくなっている好角家たち、
い~っぱいいますが、
やっぱりこのことが本当に、
気持ちの奥のところで許せないんだろうなあ・・・・・
それがなんだか、
昨日感覚的に、
よ~くわかったような気がします。
「横綱たる威厳、誇りと潔さ」
それが失われてしまっているから、
かつてのように応援されないんだと思いますね。
ただ強いだけでは横綱として尊敬されない、
これこそが、
大相撲はほかのスポーツとはちょっと違うこと・・ってことなんでしょうね。
文化の一端も担っているということです。
無条件で尊敬される存在、
「気は優しくて、力持ち」
を地で行く存在、
それこそが横綱というものなんじゃないでしょうかね。
昨日のような相撲を続けている限り、
白鵬は好角家には全く評価されないでしょうし、
どんどん「晩節を汚す」方向に進んでしまうのではないかと思われます。
だからと言って「すぐにも辞めろ」とは言いませんが、
勝っても負けても、
どっしりと下の力士たちの攻めを受けて、
まさに「後の先」の極意で、
土俵を務めあげてはもらえませんかね、引退までの間。
そうすれば土俵を去る時、
「白鵬はなんとすごい横綱だったんだろう」
って思われるような気がしますけどね、個人的には。
昨日のような相撲では。。。。。。
まあ、
「勝つことこそが正義」
というのも、
わからんではないですが。
そんなことを、
なんだか強く思ってしまった昨日でした。
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