師走に突入しました。
この1か月、
ラグビー界はトップリーグを中断し、
日本代表のテストマッチを4試合行いました。
結果は以下の通り。
11/5 ● 20-54 アルゼンチン代表(H)
/12 ○ 28-22 ジョージア代表(N)
/19 ● 30-33 ウェールズ代表(A)
/26 ● 25-38 フィジー代表(N) H;ホーム A;アウェー N;第三国
昨年のワールドカップでの大躍進から1年。
あの大活躍が一瞬の輝きだったのか、
それとも日本は本当に強くなったのか。
ファンならずとも最も興味のあるところで、
この1年、そしてこれからを占うのには格好の『勝負の1か月』でした。
しかし代表メンバーの招集がままならずということが事前の報道で語られ、
しかも練習の期間も1か月のみ。
不安もたくさんある中での、『ジョセフ・ジャパン』の実質的な船出でした。
第1戦は秩父宮でのアルゼンチン戦。
はるか彼方からやってきたこの強豪に対して、
日本は明らかに組織が出来上がっていないということを露呈して、
勝負にならない完敗。
いくら立ち上げたばかりの代表チームとはいえ、
『う~ン』とうならざるを得ない戦いぶりでした。
いわゆる『おなじみのメンバー』を欠いての戦いということは、
この一連の試合だけを見れば『何をしているのか?』ということになりますが、
裏を返せば日本代表の底上げをする絶好の機会に恵まれたともいえます。
サッカー日本代表を見てもわかるとおり、
2年、3年の時を経れば、
メンバーはがらりと変わっているぐらいでないと、
チーム全体の底上げはできません。
次から次に選手が湧いて出てくるような状態となって、
『こんないい選手が隠れていたんだあ…』
と思わせてくれるようになって、
初めてガチンコのW杯で他国といい勝負ができるというもの。
そういう意味では、
この秩父宮でのアルゼンチン戦から、
いったいヨーロッパ遠征でどこまで日本代表は買われるだろうということに注目し、
見ていました。
そしてヨーロッパ遠征。
初戦のジョージア戦で、
日本はしっかりとキックで陣地を獲得しながら敵陣に進み、
決定力のあるバックスでトライを取り切るという、
ある意味ラグビーのお手本のような戦いぶりで勝利。
前回のW杯での、
フォワードで前進を繰り返してゴリゴリ行く戦い方から、
ジョセフHCの”色”を感じる戦い方で勝利を収めたことが、
何かとても日本ラグビー界にとって意味のある事のように感じました。
そしてこのヨーロッパ遠征のメインの試合ともいうべきウェールズ戦。
この試合は素晴らしかった。
キックを多用してしっかりと陣地を奪いながらハードにタックルを浴びせて、
敵地で強豪に一泡吹かせる寸前まで追い詰めました。
しかし最後に勝ちきれないところには課題を残したということでしょう。
最終戦のフィジー戦は、
見ていて何か、
”メイン”と位置付けていたウェールズ戦を終えた後の、
何かちょっとエアポケットに入ってしまったような試合の入りになりましたね。
相手が前半に一人を退場で失い数的優位を作りながら、
その後次々に『フィジアンマジック』を炸裂させられて、
一方的になりそうな気配でした。
後半は意地を見せて3トライを返しましたが、
課題の多い試合となってしまいましたね。
特にタックルミスが多かった、
そして相手の揺さぶりに対応できていなかったという感じのする試合でした。
4連戦の最終戦ということで、
明らかに疲れも見て取れましたね。
しかしながら、
この4連戦を総括すると、
なかなかいい1か月だったということが、
言えるのではないでしょうか。
これから日本代表がどのようなチーム作りをしていくのかが、
端々に出ていて、
今後に期待の持てる4試合だったと思います。
さて、
2019年の自国開催ワールドカップを控える日本。
なんとしてでも強化の手を緩めず、
8強進出、
そしてあわよくば4強も・・・・・というところまで、
チームを引き上げていってほしいです。
そのためには、
なんといっても今年から参戦したSRのチーム『サンウルブス』の活用こそが大事になってくるのではと思います。
もっともっと、
このサンウルブスに日本の選手たちが参戦してきてほしいですね。
11月の4連戦に招集された日本代表の選手たち全員が、
このサンウルブスで戦ってもいいのではないか、
そんな気さえしています。
日本代表に近いこのチームの試合と代表戦で、
年間20試合以上を戦えたら、
確実に強化のスピードも上がっていくことでしょう。
これで今年の日本代表のラグビーは終了。
あとはトップリーグや大学選手権、高校選手権などの”チーム戦”にバトンが渡されます。
ラグビー人気は確実にファンのすそ野を広げていると思いますが、
なかなか相撲のように『爆発的に』とならないところは、
日頃このスポーツが市民の生活の中に入り込んでいないからでしょうか。
それでも昨年のW杯前と比較すると、
観客数は20~30%ぐらいは増えているのではないか?
そんな気もしています。
いよいよここから、
2019年に向かってのカウントダウンも始まります。
世間の興味を、
2020年の東京五輪から、
その前の2019年ラグビーワールドカップへとシフトさせる必要もあります。
そのためには、
一にも二にも、
代表の強化。
それしかないでしょう。
来年2017年は、
ラグビー界にとって、
とても大事な年になりそうです。