一方9日にある長崎の平和祈念式典には、パレスチナは呼ばれて、イスラエルは呼ばれなかった。
そのことに抗議して、これまで少なくともアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、オーストラリアの大使が出席しないことを表明しています。
これらの国…ざっくり言えば「西側自由主義先進国」は、そろってイスラエルと共にある、と公言したようなもの。
西側先進国のメディアではこのことをあまり大きくは取り上げていませんが…
本当の意味での「世界」、すなわち約150の国と地域は、この事を、ショックをもって受け止めているようです。
西側先進国以外の国々の基本的な見方は、イスラエルは現状ロシアと同じような立場にある、というものです。
それなのにヒロシマは、平和祈念式典にロシアは呼ばずイスラエルは呼んだ。
ナガサキがイスラエルを呼ばなかったら、西側先進国はそろって式典をボイコットした。
彼らは「そういう国々」なのだ。
アメリカの国益と、ユダヤ人の中の白人(アシュケナジーム)の野望だけを支持する、すなわち…
経済力のある白人と「名誉白人」だけの味方で、それ以外の世界中の人間すべてに背を向けるのだ、と。
これはG7をはじめとする先進国が、それ以外の世界中の人々から「信用ならない」者たちとして、背を向けられるということでもあります。
世界で圧倒的な経済力を持つG7なんだから、他から見放されても怖くなんかない、というのはついこの間までのことで…
IMFは、来年のG7が世界のGDPに占める割合は42%程度と推計しています。30年ほど前には70%を超えていたのに。
それに対してBRICS諸国プラスイラン、サウジ、UAEの占める割合が、ほぼそれに匹敵すると。
それに加えて、どんどん成長しつつあるグローバルサウスの国々から見放されたら、G7などの「先進国」は圧倒的劣勢に立たされるのです。
特に地下資源…化石燃料だけでなく、レアアースやレアメタルなど、電気製品やハイテク産業に欠かせない資源のほとんどは…
西側先進国以外の国に偏って存在しているのです。
その状況で「世界のほとんど」を敵に回すことの愚かさについては、言うまでもないと思います。
「こっちは世界の金融を握っているんだから、やつらは抵抗できない」というのが、先進国の驕りの根拠なのかもしれませんが…
新興国が、いまや決済に使う通貨として米ドル離れを実行しようとしている現在、それも怪しくなってきている。
ここ最近の世界の株式市場や、通貨レートの不安定な動きは、表面上は盤石に見える金融システムそのものの、脆さを露呈しているものなのではないでしょうか。
こうした世界情勢の元で、西側先進各国が、軍事と政治倫理において…
自分たちの論理と価値基準だけを押し通して行くことの危うさ。
それに全く気づいていないのだということが、ヒロシマ、ナガサキの式典を通じて垣間見えます。
白人と、「名誉白人」?のつもりでいい気になっている日本人が、そのことを手痛い形で思い知るときが、近づいているような予感がします。
特に我々は、名誉白人などというものは、いざとなったらいつでも取り消されてしまう「幻想」なのだし…
そもそもそんな発想自体が、人種差別に加担する恥ずべきことだというのを、きちんとわきまえるべきではないでしょうか。
私は、世界史で500年間続いた「白人専制」の時代はまもなく終わって、様々な人種の力が、並立、共存する時代が来ると思っています。
それでなければ、現生人類の文明は数万年単位で後退して、人口もそれに応じて激減する、大破局が訪れるか。
前者の方であることを切に願っていますが。