昨日は一日父のアテンドで終わりました。
ペッピーノさんのお世話になりながら、医者に連れて行き、買い物の介助をし、食事をして…
帰って来たら夜の11時でした。
出かけたのが9時だから、14時間かかりました。
壮健な大人なら、3~4時間で済む用事が、父を連れてだとその3、4倍もの時間がかかります。
なにより、杖を突きながらでも、歩くスピードが遅くて。
10センチ足を前に出しては、もう片方を10センチ出す、という歩き方で。
椅子から立ち上がるのも、我々は1秒でできるけれど、支えてあげても10秒近くかかるという。
車いすに乗ってもらって押せば、スピーディーに動けるのは間違いないのですが…
本人は、歩けるうちは自分で歩きたいと。
医者も「車いすにすると介助は楽ですけど、老いが加速すると思いますよ」と。
仕方ないです。ひたすら辛抱。
判断力が衰えているから、買い物をしていてもすぐに気が変わってしまうし。
記憶力も衰えているから、1分前に買ったものを、もう忘れてしまうし。
しゃべることは間違いや要領を得ないことだらけで、それでも否定すると、すごく悲しそうになります。
私は昔、というか、ほんの1年ほど前まで……母が倒れる以前の父を知っていますから…
あんなにしっかりしていて、頭の回転の速かった父が、急にこんなになって…とこちらも悲しくなるのです。
介護は忍耐。
効率やスピード、生産性を求める、一般のビジネスとは真逆のスキルが求められます。
「デキるビジネスパーソン」がやったら、お年寄りの心を壊すか、自分の頭がおかしくなるかのどちらかです。
それなのにいろんなメディアで、介護職のことを「誰でもできる仕事だから給料が安い」と…
したり顔で書いているやつがいるのを見ると、ふつふつと怒りがこみ上げて来ます。
保育士とかも同じ。
「乳幼児の世話や老人介護を、一日でもがっつりやってみてから物を言え、このドアホ!」と。
まあ、建設土木の仕事などでもそうなんですけれど。
それを書いているお前は、40℃を超す炎天下や、氷点下の凍てつく寒さの中で、一日働けるのかよと。
「誰でもできる仕事」なんて、この世にあるんだろうか。
単に、日々社会を土台から支える、エッセンシャルワークほど賃金が安くて(医師を除く)…
なくてもすぐに社会が回らなくなるわけではない仕事ほど、お金は儲かる、ということかも。
その現実はすぐに変えられないけれど…
やったこともないくせに「誰でもできる」と平気で書ける神経に、腹が立つんですよ。
ちなみに「職業に貴賤はない」ということを言う人がいます。
私は、人間がやる職業に、貴賤は明らかにあると思う。
ほとんどの職業は尊いものです。
特に、その人たちの力が無ければ、毎日動いている社会がすぐに動かなくなってしまう仕事…
エッセンシャルワークと呼ばれる仕事は、その中でも、とりわけ尊いものです。
私がイタリアに住んでいたときに、それを身に染みて感じる出来事がありました。
それは、ゴミ収集業に従事している方たちが、待遇改善を求めてストライキをしたときです。
ちょうど気温の高い季節でもあって。
わずか数日で、街中の道路や、鉄道駅や、商業施設、観光スポットなど、あらゆるところが「ゴミ溜め」になり…
歩道は足の踏み場もなくなり、車道はあふれ出したゴミが邪魔で、通行に支障をきたして渋滞し…
ネズミやらゴキブリやらが街路を走り回り…
街全体が、吐き気がするほどの悪臭に満たされて、外出するだけで頭が痛くなりました。
人々は、仕事どころではなくなりました。大げさでなく、本当に、仕事どころではない!
ただ、ゴミ収集人が数日間仕事を止めただけですよ。それで、実質的にどれだけの「経済損失」が出たか。
ああ、ゴミ収集は典型的なエッセンシャルワークなんだな、いないと数日で社会機能がマヒするんだなと。
ゴミ収集人たちがストライキで要求した待遇改善は、市当局によって受け入れられたと聞きましたが…
それ以上に、彼らの社会的な価値を市民に改めて思い知らせたことで、意義深いストライキになったと思います。
これこそ、職業の貴賤の「貴」の好例ですね。
逆に「賤」な職業もある。
自分だけ金銭的な恩恵を受けるけれど、社会に恩恵をもたらすところが少ない仕事…
場合によっては、他人の健康を損ねたり、精神的に傷つけたり、金銭的に窮乏させたり…
人の不幸によってなり立つ仕事は、尊さが低いと言わざるを得ません。
まして、仕事をしている本人が、そのことを自覚していながら…
「仕事だからしょうがないんだ」とか「それでも買う(利用する)やつが悪い」と、開き直ってしている場合…
それは、まぎれもなく「賤しい」仕事です。
そういう仕事をする人間は、どんなに世間から「偉い人」「うらやましい人」と言われていても、賤しい人です。
政治家、特に、醜聞や黒い疑惑にまみれながら、面の皮厚くごまかして…
自分自身の利得と、自分の「スポンサー」に利益誘導することだけ考えて…
選挙のときだけ、大衆にいい顔をしているような政治家は、典型的な「賤しい人々」ではないかと。
今の首相もそうです。
もう、呆れるほどデタラメなやり方ばかりなので…
ここでひとつひとつ、詳しく論評するのはやめておきますが…
本来、国民から託されたお金を運用する、行政府の長(かつて「国会の長」と言い放った人もいましたが)なのに…
視線は国民の方を全然向いておらず、党内の右派(安倍派清和会)や、経団連や、米国政府とその政商…
果ては日本会議、神社本庁、旧統一教会などなどの顔色ばかり見ている。
今それをやったら、国民生活も経済もガタガタになる、ということばかりする。
軍備増強といったって、病気になって死にそうなハリネズミや、飢えでよろよろのアルマジロみたいになっても…
ただの哀れな存在でしょ。
「攻撃するより、自分で倒れるのを待った方がいいわなこりゃ」となるだけ。
しかも「閣議決定」だけで、もう避けられないものであるかのように、勝手に国民に押し付けてくる。
財源は?と言われたら、言ってることが二転三転、四転五転?ですからね。
それが、偉い人?尊い職業ですか?
あの、国会で何百回だかウソをついた総理大臣の「舎弟」たちが、そんなに怖いんですかね。
結局は、臆病な自己保身人間ですよ。
もっとも、世論調査の質問をとても狡猾な文言にして「それならまあ、どちらかといえば賛成」と言わせて…
国民の過半数が支持しているということにして、肯定の空気を醸成する、マスコミも最低ですけれど。
そういうマスコミのトップクラスは、安倍政権の頃から、首相とバカ高くて美味しいもの食べて…
すっかりお仲間になっちゃっているのに、表面では「権力と癒着してません、中立です」という顔をしている。
本当に、腐った賤しい職業の人々です。
マスコミのいうことは鵜呑みにできない、だからといって、ネットに流れている言説だって信用はできない。
「じゃあ何を信じればいいの?」という人がかなりいるかと思いますが。
結論から言えば、何物も「信じて」はいけません。なにを「信じる」かというのは、宗教の話だけにしましょう。
「信じる」といった瞬間に、もうそれは一種の洗脳の世界に足を突っ込んでいる、と思った方がいいです。
マスメディアを含め、人の言うことは、すべて単なる情報のひとつとして受け取って…
できるだけたくさんの情報を集め、それを総合して、自分の頭で考えて判断しないといけません。
「そんなめんどくさいこと、自分のことでくそ忙しいのにできるか!」と言うのなら…
この情報があふれ返り、人の悪意や謀略に満ち満ちた現代社会に、生きていること自体がヤバすぎますよ。
かならず騙されて、酷い目に遇わされて、いつか破滅します。
自分のことで忙しい上に、社会の速い動きにまで目配りして、勉強して、ちゃんと考えないといけない。
しょうがないです。こんなめんどくさい時代に生まれちゃったんだから。
それがいやだったら、もう、現代に生まれさせた両親を恨むしかないですね。
社会的な権力を持った人は、とくにウソをついて人を扇動しがちだから、気を付けないと。
某Nテレビの元会長、U氏(故人)という人は、新入社員を前にした訓示でこう言ったそうですよ。
「君たちは、大衆の心理を自由自在に操り、コントロールするために、選ばれた人間なのです」
私たちは、普段から意図的に操られたり、コントロールされて生きている、ということに気が付かないと。
喜びも、悲しみも、怒りも、楽しさも、何を見てそう感じるか、何をしたときにそう感じるか…
誰かの意図で、誘導されているのかもしれないと、時々我に返ることを繰り返さないと。
また、私の父の話に戻りますが…
「なんちゃって無宗教」の、普通の日本人とはちょっと違って、父はゴリゴリの無神論者です。
なぜ父が神を信じないか。それは少年時代の体験から来ていると聞きました。
終戦のとき12歳だった父は、国民学校の洗脳ががっつり入った、典型的な軍国少年だったそうです。
天皇陛下は、この世に人として現在しているものの、その実態は本物の「神様」だと、深く信じていたと。
そして、日本は「神国」だから、戦争をして負けるはずがないと。
世界でたった一つの、本当の「神の国」なんだからと。天皇陛下だけが、本物の神様なんだと。
本当に、純粋に、信じていたそうです。
ところが戦争に負けると、天皇陛下は「私は神ではなかった」と、自ら表明した。
人間宣言、というやつです。
父は、学校の教師に「天皇陛下は自分が神だと、今まで嘘をついていたんですか?」と尋ねたそうです。
先生は、苦しそうな顔をしながら…
「本当は神様だったんだ。でも戦争に負けたから、今はそう言うしかないんだ。アメリカに言わされたんだ」
と答えたそうです。
少年だった父は、こう思ったと。
「世界に一つの神なら、戦争に負けたりしない。アメリカに『言わされる』なんていう惨めなことにならない」
「天皇陛下も、先生も、大人たちはみんな嘘つきだ!神様なんて、嘘っぱちだ!」
そして成長するに従い、あれは国全体で信じていた宗教だったのだと、日本は宗教国家だったのだと気付き…
その宗教は、時代と大人の都合とによって、ころころ変わるようなものだったということを思い知った。
ついこの間まで、子どもに国家神道を叩き込んでいた教師、偉そうに演壇でそれを子供に演説していた有力者たち…
その同じ人たちが、戦争に負けた途端、民主主義が日本の新しい価値だと、平気な顔で、得意そうに言い始めた。
「それから俺は、宗教というものは全部、信じないことにしたんだ」
そう父は、言っていました。
ついでに、戦前、軍国日本の役人や軍人だったのに、その責任については何事もなかったように口を拭って…
皇民化教育を、公民教育にすり替え…
戦後になっても、涼しい顔を決め込んで、変わらず指導的な役割を果たしている人間がたくさん混じっている…
そんな「自民党」も、信じないことにしたんだと。
純粋な愛国・軍国少年だったことの、反作用ですね。
そのまま戦後を生き抜いて「売国右翼」嫌いの、頑固爺さんになった父。
あるとき近くの駅前で、自民党の若手衆議院議員がビラまきをしていて、手渡されたときに受け取らず…
「戦争責任を無かったことにした連中が偉そうにして、今もその子や孫が偉そうにしている…」
「そんな自民党は相手にしないよ」
と、面と向かって言い放ったそうです。
それを聞いた若手議員は…
「貴重なご意見、確かに受け取りました。勉強させていただき、ありがとうございます!」
と返して来たそうです。
「おっ?と思ったよ。あいつは自民党でもまだ、まともな方だな…」
「反対者に向かって『こんな人たちに負けるわけにはいかない!』と怒鳴ったやつとは、人としての器が違う」
「まあ器の小さいダメな男ほど偉くなって、まともな人間は芽が出ない、そういう集団だよ」
と言っていました。
ともかく…
我々も、子どものころ、近所の人や親せきなどの大人たちは…
「嘘をついてはいけないよ」というのと「そうすれば偉い人になれるよ」というのを、同時に言っていました。
その場合の「偉い」がどういうことだったのか、わかりませんが。
大ウソつきでも、この社会では「偉く」なれるということ…
むしろ、法に触れない範囲で(場合によっては法に触れても良いから)上手に嘘をついた方が…
「偉い人」になるためには、むしろ近道だったりする場合がある。
ああいう大人は、それを知らずにいた「偉くない」無辜の民だったのでしょうか。
それとも、知っていて「タテマエ」としての道徳を言って、嘘で騙される側に我々を誘導していたのか。
民間道徳というのは、その両方のおとなが、子どもたちに吹き込んでいたものだったのでしょうね。
とにかく人間がいうこと、やることを、頭から「信じちゃいけない」これは確かです。
それに多くの人が気付かない限り……いや今さら気付いたとしても…
私たちの日本は、今相当にヤバい状況にあります。
先日、東京都立大学で授業を終えて出てきたとたん、暴漢に襲われて重傷を負った、社会学者の宮台真司さんは…
「崩壊を加速せよ」と言っていました。
どうせ崩壊するのならそのスピードを速めて、新しい時代の到来を早く呼び込んだ方がいいと。
(それは誤解を生む表現だ、ということなら、宮台さんには申し訳ないですが)
そういう表現をするから、右からも左からも攻撃される宮台さんなんでしょうが。
うーん…
一度「ガラガラポン」しないと、やっぱりこの社会はダメなんでしょうか。
でも、急激なガラガラポンが、大変な痛みと、多くの命の犠牲を伴うことは間違いありません。
日本の現実の姿を知らないで、無鉄砲なことをするのは自殺行為だし。
現在、日本の食料自給率は30%台。衣料品の「自給率」は、わずか3%!
建設資材の鉄もコンクリートも、はては材木まで、輸入に頼らないと話にならない。
衣・食・住という、人間の基本的な生活のすべてが、外国とのお付き合いなしでは立ち行かないニッポン。
エネルギーも自給なんてできるはずもなく。
もはや「鎖国」のできる体ではなくなってしまいました。
江戸時代とは産業構造が違ってしまったから、鎖国したら人口の8割以上は「消えて」もらわないといけないんです。
それなのに、自国のガラパゴス化には全く無頓着で…
外交の大切さ、諸外国と「うまく付き合う」ことで生き残ることの重要性を忘れて…
ただ一つの国のいうことだけ聴いて、他は知らない関係ないで済ますか、敵視するか。
その「ただ一つの同盟国」は、「オフショア・バランシング」という政策…
要するに、世界の警察として直接手を出すことはもうやめて、地域のことは地域だけで解決してもらいますよと…
それを明確に打ち出し始めています。
そんな状況では、もっと世界を広く、いろんな角度から見て戦略を立てなければいけないのに。
ただ軍事力を強めるだけでは、戦前の大日本帝国とか、今の北朝鮮とかにそっくりな国になるだけです。
(国は貧しくて軍事力だけあるという)
そうなって、国家としての基礎体力がないのに、某新興超大国に対して…
「反撃能力」という美名の「敵地先制攻撃能力」を付けて、結果的に体当たりしていったら…
本当に「崩壊が加速」されます。
崩壊して、二度と立ち上がれなくなる可能性だってある。
「日本の継戦能力はたったの3日。それを高めるため、ミサイルや弾薬をもっとため込む必要がある」
とは言うけれど、武器弾薬、ミサイルだけあっても、この島国の中で、人は生きて行けないんですよ。
ミサイルをかじったって腹のたしにならない。笑
本当の継戦能力って、そういうことじゃないでしょう。
国富を削って、国民を貧しくして、軍備だけ増強するのは、ほんとに北朝鮮と同じ悪手です。
まあ、つまるところ「俺んちの武器を買え!」という「親分」の要求をのまされてるんですけれど。
しかも、他の国はアメリカ製の武器を買うときでも、値段交渉をする権利を当然与えられているのに、日本は…
安倍元総理が、トランプのケツを舐めて「FMS」という仕組みで兵器を買うことに同意してしまったために…
価格交渉の余地なく、アメリカの「言い値」で無駄に高く兵器を売りつけられているんです。
要するに、アメリカ政府が一旦、メーカーから兵器を買い取って、それを日本に転売するような形。
アメリカ政府の手数料?中抜き?があるから、値段も高くなるし、納期も遅くなる。
結果、たとえばF-35戦闘機などは、ほぼ同じ仕様を買っているポーランドより、2~3割高い値段で買っている。
いいカモにされているということ。
みなさん知ってますか?日本はアメリカに対して、そこまで土下座外交をしているという事実。
ああ、さすが「外交の安倍」ですね!外国の首脳を喜ばせることは上手です。
トランプだけでなく、プーチンにも気持ち悪いラブレターを書いて、結果ナメられて北方領土は永久に帰って来ない。
その素晴らしい(太鼓持ち)業績に対しては、国葬でねぎらわなくてはね!
まあ、その話はまた別として。
とにかくそこまでの土下座外交をした末に、いざ有事となったら…
「オフショア・バランシングです」「ウクライナだって一人で頑張りました。日本も頑張ってね!」
と言われて、最終的には、はしごを外されるでしょう。ていのいい鉄砲玉。人柱ですよ。
黄色い人同士が争って、勢力を削ぎ合ってくれたら好都合、とアメリカさんは思うんじゃないですか。
「Ohチューゴクはダメージ受けて衰えましたか!でもニッポン滅びちゃった?カワイソ。まあショガナーイ!」
です。
日本政府は、戦後そんなに経たないころから、既にアメリカの出先機関としての機能も果たして来ました。
政府の政策の後ろには、いつもアングロサクソン族でプロテスタント教徒の、白人の利害があります。
そのことを、つい忘れがちですが。
そもそも、大陸の大国と全面戦争して、50か所以上ある原発をやられたら、それだけで国土は放射能まみれ。
その上に、太平洋側が巨大地震でやられでもしたら、もうこの列島に人が住める場所なんて、ほんのわずか。
国民のほとんどは、死んでしまうか、ボートピープルになってどこかに流れて行くか、ですよ。
日本は病んだ老人の国みたいになってしまった、といいますけれど…
何十年と長く病床について、苦しみもがきながら、復活のときを信じて待つのと…
一度さっさと「逝ってしまって」いつかどこかで、復活するのと…
(ちなみにユダヤ人国家は、滅亡から復活まで2千年近くかかりました)
どちらを選ぶのか。どちらを「選ばされる」のか。
その選択は、わりと待ったなしで、目の前に突き付けられています。
運命を主体的に変えたいのなら、時間はもうほとんど残されていない。
赤信号は、みんなで渡ったって、やっぱり怖いんです。
突っ込んでくるダンプカーの前で、目を塞ぎ、道にしゃがみこんでしまったら、もうおしまい。
最後の最後まで、怖くても目を開けて、なんとか危険を回避するべく努力しないと。
目を塞ぎ耳をふさぎ、口を閉じて、自分はどうせ老い先短いんだから…
と、無責任を決め込んでも大丈夫なのは、まあ、ぎりぎり八十代以上の人だけですよ。
それより下の世代が「逃げ切る」ほどの時間は残されていません。
世にも悲惨な状況を、生きているうちに味わいたくなければ、子や孫たちが味わうのを防ぎたければ…
怖がらず、面倒くさがらず、目を開けて、頭を使って…
「信じる」だけの態度もやめて、賢く生きないと、です。
はっきり言っておきます。
「面倒なことは『お上』に任せておけばいいんだ、そんなに悪いようにはしないよ」と信じるのは…
「アイドルは、うんちもおしっこも性交もしない」と信じるのより、ほんとはずっとヤバいんですよ。
なぜなら後者を信じて、騙されたとしても、あなたやあなたの大切な人たちが…
命まで取られることはないから。
でも「お上」が「民草」の命なんて毛ほども考えないのは、歴史の中でいやというほど証明されているんです。
何百年、何千年経っても、権力は長く放置すれば必ず腐敗する、というのは真実です。
そして、腐敗した権力ほど危なくて怖いものは、この世にありません。
だからこそ、権力の暴走を止め、一定のタガをはめるために「近代憲法」というものが存在します。
国民の「徳目」や国家的な「理想」を論じるものでは、本来ないんです。
「彼ら」はまもなく、自らに枷をかける、邪魔な近代憲法を廃棄して…
国民に守らせる徳目と、国家的な神話との集合体のようなものに、すり替えようとするでしょう。
そのとき「彼ら」の手先として機能するのが、テレビなどのマスメディアです。
「お上」と、その御用商人であるマスコミを「信じる」のは、いちばんヤバいことだと肝に銘じておきましょう。
こういうことを書くと、すぐ「サヨク!」と言う人たちがいますけれど…
そういう反応をしてしまう人は、既に騙され、洗脳されてしまっているんです。
サヨクってなんですか? 問題はもうとっくに「右か左か」で語れるものではなくなっているんです。
そういう二十世紀の考え方は、いいかげん捨てましょう。
特権を持ち、民衆を洗脳して、捨て駒としていいように使おうとしている、ほんの一握りの人々と…
洗脳され、騙されようとしている大多数の人々、どちらの幸福と安全を守るのかが問題なんです。
まずはそこにフォーカスしないと、何もわからないし、何もできないと思います。