「防衛政策の歴史的な転換」が話題になっています。
防衛費は現在の2倍にして、他の税金の使い道を削ることと、将来の増税で賄うと。
そして、なにより重大なのが、自衛隊の役目の大転換。
かつて「専守防衛」が原則だった自衛隊。だから軍隊でなくて、自衛隊と呼んでいたわけです。
それが、安倍政権時に「集団的自衛権」が求められて…
同盟国の安全を守ることも「自衛」の範囲内だということになった。
だから、日本の国土を守るだけでなく、遠く離れた外国にまで行って活動するようになった。
そして今度は「反撃力」と「敵基地攻撃能力」を持つと。
相手が攻撃してくると思われた場合は、その基地や指令系統を、こちらから先制的に叩くことが許されると。
なぜなら現代のミサイルは撃ち落とすことが不可能なものがあるため「撃たれる前に撃つ」必要があるからだと。
事実上の、先制攻撃能力保持です。
これ、もう自衛隊じゃなく、普通に軍隊ですよね。他国の「国防軍」と、やることがどこも変わらないんだから。
名前も変えるべきじゃないですか?
政府自民党にとっては、憲法?9条?違憲?笑笑
と、鼻で笑ってしまうようなことなんでしょうね。これはもう、実質上の一部改憲です。
こんな重大な、重大過ぎる国の方針転換が、国会審議もなく、閣議決定されたというだけで…
あたかも「もう決定した事項」のように報道されている。こういうのこそ「マスゴミ」というんじゃないですか?
国権の最高機関は、国会だったんじゃないですか?
それも、役立たずの憲法の規定だから、無視しちゃえと言わんばかり。
そしてそれに、半分以上の国民が「賛成」なんだと。
もう、既にこの国、おかしくなっちゃいました。法治国家ではなくなったかのようです。
一党独裁?中国と同じですね。
あんな自由も民主的な手続きもない国いやだ、じゃなかったんですか?
ちなみに、防衛費2倍増といいますが…
内訳は、まだ詳細に示されていないといいますけれど…
政府の内部文書をスクープしたジャーナリストがいて。
細目はまだ決定していないものの、その9割以上が「米国からの兵器購入」費用となっているそうです。
国内の防衛産業を育てる、という気は全くないんですよ。
こんなありさまだから、国産戦闘機の開発にも失敗したんですね。
実際、国内の防衛関連企業は、米国製兵器のノックダウン生産がほとんどの業務であり収入であり…
日本独自の開発には、人員もお金もさくことができずにいるそうです。
かつてはそこまでではなかったのに、第二次安倍政権時から、その傾向が強くなったと。
要するに、安倍がトランプと約束してしまった「防衛費を倍にして米国の兵器を爆買いします」
「その購入費用も、米国政府の言い値で、いくら高くても買います」=FMS協定
という、土下座外交の結果です。
本当の目的は、日本の防衛力を上げるというよりも、米国の防衛産業に「貢ぐ」ことなんです。
貢ぐって言っても、原資は国民の収めた税金ですからね。
国を売っているようなもの。
そう、売国行為です。
それをそのまま引き継いでしまっているのが、岸田政権というわけです。
安倍氏が銃弾に倒れた、翌々日、米国のブリンケン国務長官が物凄い速さで来日して…
岸田首相とひざ詰めで何やら密談して帰って行きました。
安倍がした約束「防衛費2倍」「FMSの維持継続」を、彼の死後も維持継続することの、確認だったのでしょう。
貢ぐことが目的でなく、本気で防衛力を強化したいのなら…
米国製兵器を買うことに9割ものお金を支出するのではなくて…
自衛隊の組織改革、自衛官の待遇改善、訓練の充実、老朽化した設備の改築、などなど…
もっとお金をかけなくてはいけないところに、たくさんの予算を追加するはずです。
本当の目的は「米国に貢ぐ」ことで、その理由づけのために、台湾海峡が危機だとか、北朝鮮の脅威だとか…
そういったことを、盛んに宣伝してきたのでしょう。
そうでなければ、兵器だけは世界有数の充実ぶりで、内実はボロボロの、今の自衛隊の問題を放置するはずない。
今のままでは、高額な兵器だけ買っても、自衛隊は強くなんてなりませんよ。
なにより、慢性的に自衛官の数が足りていない。
今持っている装備をきちんと運用するのに必要な人員の、7割ぐらいしか人がいないそうです。
足りない分は「有事になったとき、一般から補充する」ということになっているんですよ。
一般から補充……要するに、素人の、18歳~40歳ぐらいの国民から徴集するということです。
タテマエとしては、志願兵を募るということなんでしょうけれど…
ロシア、ウクライナ戦を見ればわかるでしょう。
事実上は、強制的に徴兵しないと兵は集まらないんです。
訓練度の低い素人集団だから、ロシア軍は見掛け倒しで弱いなんて、対岸の火事みたいに言って笑ってますが…
日本も、有事になったら同じことをするつもりなんです。
なぜ、自衛官が足りないか。
営舎はボロボロ、内部ではパワハラと暴力が横行している、スーパーブラック集団だからですよ。
このたび、女性自衛官の五ノ井さんが性暴力被害を訴えて、加害者たち全員が免職になりましたが…
そんなこと、実は隊内では常態化していて、ただ被害者がほとんど訴え出ないからだそうです。
この2年だけで、性的な物を含めたハラスメント被害はなんと1400件にも上り、対処のしようもないほどであると。
まあ、旧軍体質ですよね。
一方アメリカ軍などは、知らない人が多いようですが、今は、人権問題がものすごく強く意識されている。
軍の訓練機関で、人種差別事案があったとき(トイレに差別的な落書き)米軍の中将がものすごい語気で…
「他者を尊重し、権利を守る感覚がない者は、いますぐここから出て行け!」と、スピーチしていました。
今は21世紀なんです。19世紀や20世紀半ばまでの軍隊とは違う。兵の世代も、今の子たちです。
現代風に人権を守れる集団でなければ、統制は取れないし、隊員同士の連帯感は生まれないし…
本当の意味での「強さ」は発揮できない。
そうした隊員教育に、お金も人員も時間も割かない自衛隊に、米軍並みのパフォーマンスは発揮できません。
そしてなにより、積極的に入ろうという人が集まらない。
集まっても、自衛隊の場合、10年以内に半分近くが辞めてしまっているんです。
まずはそういうところから手をつけないと、本当の「防衛力」はつかない。
そして、それこそ有名な話ですが、自衛隊の営舎内では…
トイレットペーパーでさえ、隊員が自前で調達しなければならないほど、経費が不足している。
しかも、最新兵器は持っていても、それを使う十分な訓練をするための、お金も時間も教官も足りない。
そんな状況を、政府だって知らないはずはない。
というか安倍氏自体、自衛隊の地位向上を、といって、いろいろかわいそうな状況を宣伝していたでしょう?
地位向上と言いながら、国民の意識を自衛隊に親しんでもらうよう仕向けただけで…
肝心の、自衛隊そのものの、生活や組織の質、訓練度の向上には手をつけませんでした。
欺瞞ですね。
現政権も、現場に回すお金や人員は後回しで、ひたすら「米国製の兵器を購入する」ことだけに血道を上げる。
これで「日本を守るため」の防衛費増額だ、と言われても、とても信じられませんよ。
要するに、我々日本人は、アメリカの防衛産業にお金を貢がされて…
それで東アジアの緊張が高まって、いよいよヤバい有事になったら、火中の栗を自分で拾わされる…
というより、中国と前線でやり合って、国が滅びても、相手の力をできるだけ削ぐ役割を果たせばいいと。
そして、最後ははしごを外されて、捨てられることを運命づけられているんだと思いますよ。
アメリカは、経済的、軍事的なライバルが衰えてくれれば、それでいいんです。
同盟国?かわいそうだが、滅びちゃったんじゃしょうがないね。ありがとうさようなら、です。
そもそも、兵器を充実させることだけが、安全保障でしょうか?
ミリタリーな側面だけ見るのは、視野狭窄に過ぎます。
外交はもちろんですが…
食料の安全保障、エネルギーの安全保障、保健衛生の安全保障など、いろいろやることはあります。
なによりも、経済の面で、近隣国と戦争が事実上できない「互恵関係」を築くこと…
分かり易く言えば、事実上「けんかできない間柄」に、自分と相手を縛り付けてしまうこと。
これがなにより一番効果があります。
そうした活動の総体を「安全保障」活動と言うのではないでしょうか。
そうした全体観を持たず、ただ果てしない軍拡競争をするだけでは、国と国民の安全にはつながらないですよ。
本当に北朝鮮と同じ轍を踏みます。
岸田首相は安倍氏の、そしてその背後にいる、安倍氏の祖父・岸信介氏の亡霊の、思う通りに動かされている。
安倍氏が敬愛していた祖父の岸信介氏は、本当なら戦犯として…
巣鴨プリズンの、絞首台の露と消えるはずだったところを、GHQによって助命され…
戦後はCIAの協力者として、コードネームまで与えられ、アメリカの便益を日本国内で守る役割の代表者…
米国の言う所の「ストロングマン」として後半生を生きて来ました。
「命の恩人」である米国に全てを捧げて奉仕する、という態度をそのまま受け継いだのが、安倍晋三氏であり…
彼が率いた清和会=自民党右派だったのです。
このまま今の政府と、その飼い犬である大手マスメディアにだまされて行くと…
日本人は、国ごとアメリカに貢がされ、最後は捨てられる運命にあります。
日本が好きな人、それでいいんですか?
でも、こんなことを書いても、心に響く人はほんの少しで…
ほとんどの人は「過激なことを言う左翼的な変人」と思うのでしょうね。
まあ、わかります。大きなマスコミのいうことの方が、権威があるし信用できますからね。
私たちの子孫を守るため、できることはしないといけないですが、うまく行くかどうかは非常に心もとないです。
もし、失敗したら……
その時のための安全策を、お子さんやお孫さんのために、用意してあげることも必要かもしれません。
今からお金をためたりして…
子どもたちが、いざとなったらこの国から出て行くことも、可能なようにしておいてあげたほうが良いと思います。
最後に、参考になる動画を貼っておきます。
とても長いので、見たい方だけ、少しづつご覧になっていただければと思います。