昨日は栃木に住んでいる叔母が実家を訪ねて来ていて、私にも会いたいというので、一緒に食事に行きました。
叔母はいま81歳ですが、自営の家業を切り盛りして、現役で働いています。
元気だから働けるのですが、周囲から頼られている仕事があるから元気、という一面もあるのかもですね。
ペッピーノで行って、しばし歓談の後、武蔵小杉のグランツリーというSCに行って食事しました。
父を連れて行く場合、上の写真のように、優先駐車帯に停めることが出来ます。
体の不自由な人、怪我人、病人、高齢者、妊婦さんが優先です。
で、食事中に父たちと、どんな車がお年寄りにとって、自力で乗り降りしやすいか、の話になりました。
脚がかなり弱っている父によると、上の写真のペッピーノの隣に駐車している車のような…
ミニバン、ワゴン車の類は、実はとても乗り降りしにくいんだそうです。
なぜなら、まず路面から車の床面まで、足が上がらないから。
お年寄りにとっては、あの高い位置にあるシートに座るのは「よじ登る」ような感じなのだそうです。
降りるときも、車の床から路面に下りるのが、まるで飛び降りるような感覚で、怖くてできないのだと。
父は福祉施設のデイサービスに通っていて、その送迎の車もワゴン車なのですが…
お年寄りにはその段差が怖いので、ちゃんと踏み台が用意してあって、2ステップで降りるようになっているそうです。
それでもひとりで下りるのは怖いので、職員さんに脇を支えてもらって下りるのだと。
しかも、路面に凹凸があったりすると、踏み台がぐらぐらするのでとても怖いそうです。
同じ理由でSUVも、乗ったことはないけれど、たぶん乗り降りが怖いだろうと言っています。
乗りやすいのは、シート位置が低い、セダンやステーションワゴンのような車だとか。
椅子に腰かけるように、まずシートにお尻を下ろしてから、後で足を引っ張りこむような形の乗り方が安心だと。
若くて健常な人にとっては、腰をかがめずに乗れる、背の高いタイプの車は乗り降りしやすいですよね。
でも、脚がうまく上がらず、引きずるように歩いている人にとっては、それが全く逆になるんです。
それ以上足が衰えてしまったらもう、車いすのまま乗れる介護対応車しかないのですけれど。
こういうことって、体が壮健な人の視点ではわかりにくいことですよね。
壮健な人が、体がうまく使えない人の動きを予測して、それに合わせるというのは意外に難しいものです。
というわけで、父も車椅子を使うようになって、それから降りられなくなるまで…
自力で乗り降りするには、うちのメメやペッピーノのようなタイプの車がラクだと。
そういう状態がなるべく長く続くよう、衰え防止のリハビリ、頑張ってほしいです。
でもそう考えると、セダンやステーションワゴンが少なくなって、SUVやミニバンのようにシート位置が高い車が全盛の今は…
まだ自力で何でもやりたいお年寄りには、かえって優しくない状況なのかもしれませんね。
もちろん、腰をかがめるのが難しい人には、座面の高い車が乗り込みやすいわけですが…
世の中には、いろんな不自由さを抱えた人がいますから、道具も多様であるべきです。
〇〇ばっかり、というのは決して良い事ではないということ。
なるべく多くの人の幸せのためにも…
そして、リスク分散という意味でも、多様性はやはり大切なのだと思います。