旧統一教会と、自民党ほかの保守系政治家とがねんごろだった問題…
それに加えて、いまひとつ報道は盛り上がっていませんが、ここにきて出てきた問題はそれだけでなく。
既に終わった東京五輪を巡る…
贈収賄事件を、東京地検特捜部が、いまになってなぜか大張り切りで捜査し始めています。
「スポーツ利権」の利権の中心にいた「フィクサー」高橋治之氏の自宅をガサ入れしたり。
高橋氏が元役員をしていた、国がからむイベントを巡る利権の大元、電通本社をガサ入れしたり…
高橋氏にわいろを贈ったと疑われている、紳士服の「AOKI」の会長宅をガサ入れしたり…
そのほか、電通から五輪案件を下請けしたと思われる、別の広告代理店の本社をガサ入れしたり…
とにかく「ガサ入れまつり」です。
東京五輪が、合法違法含めた、でも道義的にはとっても汚いお金にまみれた大会であり…
たとえ無観客になろうとも、それを遮二無二推し進めたかった「エライ人」たちは…
国民を喜ばせたいとか、アスリートの努力に報いたいとかいう、美しい話ではなく…
本当はそこから出てくる「甘い汁」を、逃したくなかったからなんです。
それは、招致の段階で既に予想されていたこと。
結果、最近にない「お金のかからないコンパクト五輪」にする、という条件で招致された大会のはずが…
終わってみれば、過去に行われた五輪の中で一番の巨費を投じた、ジャイアント五輪になってしまいました。
詐欺みたいな話ですが、それを「おかしくない?」と突っ込む人は、ほとんどいませんでした。
たとえば五輪スタッフは、無償ボランティア以外は全員、パソナから派遣された人々でなっていましたが…
「日給30万円」(!)の報酬ということで組織委とパソナが契約したスタッフに、実際に払われた賃金が…
なんと時給1600円だったり。
8時間労働として、日給12800円。パソナが受け取った金額の4%ですよ!
中抜き率は96%!
中抜きと言うより、根こそぎ持って行って、お小遣い銭だけちょろっと本人にあげたという感じ。
パソナだけじゃない。信じられない搾取や、わいろと裏金、利権誘導……
あっちこっち、カネを巡る、腐った話だらけの五輪だったんですよ。
なーにが「アスリートファースト」だ!
そして、その「甘い汁」には、4兆円を超える公費=私たちの税金から出たお金が含まれています。
でも、すべてスルーされて、五輪は無事閉幕して。
汚れたカネでたらふく食ったやつらは、もうナフキンできれいに口を拭いて、さあ次のおいしい話は?
となっていたところ。
それがなぜか、今になって急に、地検特捜部のこの急な動き。
いままで鎖につながれ、檻に入れられていた猟犬が、一気に解き放たれたような感じです。
何があった?
最近、というかここ数週間であった、政財官含め、世情を大きく揺るがす大きな事件といったら……
やっぱり、あの事件しかないでしょう。
パンドラの箱にかかっていたカギを握っていたのは、あの政治家だったんですね。
あの方がいなくなって、一気に日本の「闇の世界」にいた魑魅魍魎と、その仕業が表に出て来た。
スポーツ利権のドンと呼ばれた、元電通の高橋治之氏は、逮捕まで秒読みという雰囲気になって来たし…
パソナの会長だった竹中平蔵氏は、ここにきてパソナ会長やオリックスの取締役を…
突然辞任し、雲隠れしてしまいました。
やっぱり、凄い人だったんですね。良い意味よりずっと多く、悪い意味で。
そういう人を、税金=国民が出し合ったお金を使って「国葬」にすること、いいんでしょうかねえ。
「1兆歩譲って」きちんとした是非の議論をしてから、進めるべきことだったんじゃないでしょうか。
そして「国葬」をするとすれば、受注してすべてを取り仕切るのは、電通になります。
五輪と同じ、政府関係のすべての利権仕事の中枢にいる、電通。
なぜなら、普通のお葬式じゃないから。葬儀屋さんなんかの出る幕はないから。
イベント実行、マスコミ対応、外国要人とメディアの裁き、すべてを一括してこなせる組織は…
日本の中では、電通と、あと無理して博報堂ぐらいだし。
でも、電通が絡めば、また汚れた利権仕事が新たに発生しそうです。
表面的には、厳粛で美しく心に迫る、みため素晴らしいお式になるでしょうけれど。
それでも国葬、やりますか?
そして今の、この地検特捜部の大攻勢も、いつまで続くか……
パンドラの箱のふたをまた閉じて、その上にドンと座る「新たなラスボス」が確定しちゃったら…
彼らも再び檻に入れられて、動けなくなるかもしれません。
今、旧統一教会のことを頑張って報道している、ほんの一部のテレビや週刊誌、ユーチューバーなども…
何も言えない、書けない、ただの権力の犬に再びもどるのかも。
どんなに裏で腐臭を放つ、汚い国になってもかまわない。
おとなしくして、まずい事には目をつぶっていれば…
自分と自分の家族、ペットだけは、なんとかこのまま安穏に暮らせるんじゃないか…
というのは、脳内お花畑な甘い幻想です。
国は、家屋と一緒です。
どんなに部屋がきれいに飾られて、居心地よく見えても…
土台が腐り傾き、白アリに柱や梁の内部がグズグズに食い散らかされていたら…
必ず、全体が崩れ落ちるのですから。