防衛大臣、国家公安委員長、この二つはそれぞれ日本の国防と治安維持を担う、重職と言えるでしょう。
そのうち、安倍元総理の実弟である岸信夫防衛大臣が、旧統一教会とのつながりを自分の口で認めました。
「付き合いもあり、統一教会のみなさんには、選挙の際もお手伝いをいただいている」
(統一教会のみなさん、という言い方がいかにも親しい関係を示していると思いませんか?)
「電話作戦など、ボランティアでお手伝いをいただいたケースはあると思う」
その上で、今後付き合いを断つのかどうか、と問われると…
「軽々に答えることはできない」
そのことがまずかったという認識がなく、なので当然反省も謝罪もなく。
しかも、今後ももしかすると「付き合って行くかもね、知らんけど」ということ。
すごい開き直りですね。
旧統一教会には、韓国の諜報機関「KCIA」とのつながり、さらに…
実は、北朝鮮と裏のパイプがあることも取りざたされています。
そういう組織と、日本の国防の元締めである防衛大臣が親しい付き合い。
防衛上の国家機密が、そうした国々に漏れる可能性が排除できない以上…
そもそも付き合っていた、ということ自体が、即刻辞任に相当する案件です。
それをしれっと「付き合いがある」「お手伝いいただいている」と白状して「それが何か?」と言わんばかり。
今後付き合いを続けるかどうかも「ちょっと何とも言えないねー」でしょう?
呆れるやら、驚愕するやら。
しかし、もともと統一教会は…
岸家、安倍家の人々にとっては、両家の偉大なるグランパ、岸信介氏の「盟友」である文鮮明の作った教団。
そして、日本と東アジアの共産化を防ぐという目的の「国際勝共連合」と統一教会は、表裏一体の組織。
政治団体である勝共連合の活動資金の一部を、宗教団体の統一教会が信者から吸い上げて作る…
という仕組みがあったのです。
この「国際勝共連合」は、岸信介、文鮮明の両巨頭に加えて…
大物右翼で、自らCIAのエージェントであると告白し、後にロッキード事件の渦中の人物となった児玉誉士男…
さらに、これも右翼で、日本船舶振興会(現日本財団)を作った笹川良一…
この4名が中心になって設立しました。
ですから、安倍晋三氏、岸信夫氏らも、子どもの頃から勝共連合/統一教会には…
親近感に近いものを持っていたのではないでしょうか。
なにしろ南平台にあった旧岸信介私邸は、彼らが転居した直後、統一教会の日本での本部になっているんです。
安倍晋三兄弟が、おじいちゃんと一緒に戯れている写真の、同じ居間の同じ場所、同じ角度で…
数年後には教祖・文鮮明が、家族と写真を撮っている。そういう関係ですから。
統一教会と「お付き合いがある」と悪びれず口にして、今後もつながりを持つかも、な人を…
国防のかなめをになう、防衛大臣にしている政権、本当に大丈夫ですか?
そして、二之湯智国家公安委員長。
この人は、2021年に京都で行われる予定だった「天の父母様聖会・世界平和統一家庭連合」協賛で…
実行委員長は、旧統一教会の「京都区長」であるイベント…
『新型コロナ終息を願う京都一万人祈りの集い』の「呼びかけ人」に名を連ねています。
しかも会場は、国立京都国際会館。国立の施設を、いち新興宗教関係のイベントに使用させるのは、異例。
結局、このイベントは開催されませんでしたが、二之湯公安委員長はこれについて…
「ちょっと名前を貸してほしいというので貸しただけ。それ以上の付き合いはない」と。
ところが、その3年前の、2018年。
やはり統一教会系の団体が主催した『ピースロード』というイベントで、彼はなんと実行委員長を務めています。
しかも「名前を貸した」どころか、自ら現場に足を運んで、大会の締めのスピーチをしています。
それを問われると…
「京都市が最後のゴール地点だったかな。そこで人が集まっていたので、一言お話をさせてもらった」と。
ちょっと名前を貸しただけ、それ以上の付き合いはないって言ったじゃないですか!
そして主催者の旧統一教会については…
「会員ではない。教義などについては、よく知らない」ですって!
仮にも公安のトップに座る人物が、あの反社会的団体、かつては公安もマークしていたであろう団体を…
「よく知らない」ですよ!
80~90年代、統一教会の「霊感商法」や「合同結婚式」がマスコミをさんざん賑わせて…
そのころある程度以上の年齢で、常識がある人間なら「統一教会=ヤバい宗教」だなんて常識なのに。
大ウソつきか…そうでなければ、そんな純情無知な人物に、とても国家公安委員長なんて任せられないでしょう。
ちなみにこの人、第二次、第三次安倍内閣で総務副大臣に抜擢されて、それから出世街道を歩き始めました。
国防を担うトップと、治安維持を担うトップ、いずれもが、統一教会とズブズブの関係。
それこそ「右派」「愛国者」を自称している人たちは、なんでこのゆゆしき事態に激怒しないんですかね。
どうして、だんまりを決め込んでいるんでしょう。
本当の「愛国」ではなく、とにかく「お上」の側、「強いもの・長いもの」の側についていたい……
ご当人たちは認めたくないだろうし、自分で気づいてさえいないかもしれませんが…
単に「愛権力」の人なんじゃないかと思いますよ。
信じて付き従ってきたその「権力」が、裏では、彼らの大嫌いな韓国の勢力とズブズブだったという事実。
「全部特亜三国のでっち上げだ陰謀だ!」と自分に言い聞かせて、目をふさぎ耳をふさいでいるのでしょう。
権力の中枢にいる人が、自分の口でしゃべっていたとしても「嘘だ、フェイク動画だ!」なんでしょうね。
目の前の現実を、受け入れられない。
だまされていたなんて認めたくはないですものね。認めたら自分のアイデンティティが崩壊しそうなんでしょう。
かわいそうに……
さらにさらに。
日本で、宗教団体の管理をしているのは、文科省です。
現文科大臣である末松信介氏も旧統一教会に、自らの政治資金パーティーのパー券を買ってもらっていた。
教団のイベントに、挨拶と応援のメッセージを送っていた。
やはり「常識の範囲内で、やましいことはない」と開き直っています。
パーティー券の購入は、政治資金収支報告書に記載の義務がないから、合法だと。
でも、宗教団体を管理統括し、その処遇についての権限を持つ立場の人が…
特定の宗教からお金を受け取ったり、特別にメッセージを送ったりというのが…
それこそ「常識」で考えて「やましくない」こと、と言えるでしょうか。
もっと問題なのは、下村博文元文科大臣です。
安倍晋三氏の「一の子分」的な立ち位置の政治家で、過激な右派思想の提唱者でもあります。
この人は、第二次安倍内閣の文科大臣を務め、統一教会の「名称変更」が認められたときに…
それを所管する立場にあった人です。
統一教会は、なぜ名称変更したのか。
この団体は、新興宗教の中でもとくに「エグイ」霊感商法で、会員の財産を根こそぎ巻き上げ…
それこそ骨までしゃぶりつくす悪質さで、世の中から「反社会的勢力」と見なされた時代がありました。
マスコミもセンセーショナルに取り上げて、おかげで、教団の勢力が著しく低下してしまいました。
ちなみに、そこまで苛烈な献金の強要をされたのは、日本の信者だけです。
教祖・文鮮明の思想では、日本は朝鮮半島を侵略した「サタン(悪魔)の国家」なので…
その「罪滅ぼし」をするために、日本人には特別に多くの金銭的犠牲を払う義務がある、と。
今現在も、名称を変えた旧統一教会の、資金のなんと7割超が、日本人から巻き上げたお金だそうです。
表向き「愛国」を掲げていた「自称保守」の日本の政治家たちが、裏ではこんな勢力とつながっていたとは…
なんともはや…の話なのですが。
日本での教団の勢力を取り戻すには、地に墜ちた「統一教会」のイメージを拭い去るため…
名前を変えて、表面上、別の教団に生まれ変わったように見せるしかなかった。
それをずっと、文科省に申請して来たのですが、歴代の文科省、および担当の文化庁は19年の長きに渡り…
頑としてそれを跳ねつけて来ました。
ところが第二次安倍内閣で、下村氏が文科大臣だった2016年、突如として名称変更が認められました。
旧統一教会としては、長年の悲願が実って、躍り上がって喜んだことでしょう。
下村氏は、このことについて…
「自分は一切関わっていない」「文化部長のところで決済が行われた」と主張。
しかし、事前に文化部長が、下村氏のところに「お伺いをたてに」来ていた事実が発覚。
前川喜平、元文部事務次官もこう証言します。
「役所というのは何も上(政治家)から指示がなければ、基本的に前例を踏襲します」
それが急に変節したというのは…
「大臣に報告して指示を仰いだ時、そういう指示があったとしか考えられない」
そして下村氏の政治資金団体は、統一教会の宣伝メディアである、世界日報社から…
過去に6万円の献金を受けた事実があるほか…
下村氏自身が、世界日報社の月刊誌『ビューポイント』の誌面に、3回も登場しています。
また、統一教会の幹部が、2013年に下村氏の資金パーティーのパー券を購入したこともわかっています。
そして、週刊文春のスクープによると…
「2014年選挙名簿」と題された下村事務所の内部文書(エクセルファイル)の、全国の「支援者」の中に…
5人の、統一教会関連団体の、幹部の名前があるといいます。
阿部正寿 世界戦略総合研究所 会長
小林幸司 世界戦略総合研究所 事務局次長
木下義昭 (株)世界日報社 代表取締役社長
早川一郎 (株)世界日報社 編集局次長 政治部長
谷尚美 世界平和女性連合 東京第六連合会 事務局長
統一教会の支援を自民党内の誰に回すかは、故・安倍晋三氏が差配していたという話がありますが…
さすが、その「一の子分」。別格の扱いと言ってもいいでしょう。
このガッツリドップリの関わり方で、口で「私は決済に関係ない」と言っても、通用するものでしょうか。
名称が「世界平和統一家庭連合」というものになったことによって、実態が隠され…
そのおかげで、この宗教の毒牙にかかり、身を亡ぼした人がどれだけいることか。
政治家と旧統一教会との癒着、裏での関りは、かつては岸家、安倍家の周辺だけだったとも言われます。
それが、今は自民党だけで約100人の議員に関与が疑われ、さらには野党の…
日本維新の会をはじめ、国民民主党、立憲民主党の中の「保守派」の議員にも飛び火している現状。
政治家とカルト宗教=その実態は反社詐欺集団との深い癒着が、安倍氏の死去と同時に表沙汰になり…
ここまで問題が燃え広がった以上、現政権がこれを無視することは、国家と社会に対する裏切りです。
8月あたまに、参院選を受けて、形ばかりの通常国会が予定されていますが…
岸田内閣は、たった3日でこれを閉幕すると。
まあ、この通常国会が形式的なものだとしても…
この期に及んでは、国民に説明責任を果たすため、与野党含めて、実態解明を進めるため…
臨時国会を即刻開いて、この問題を審議すべきではないでしょうか。
ほかにも、先の東京五輪招致と開催をめぐって、新たに不正な資金の流れ、わいろ疑惑が持ち上がって…
電通の元専務・顧問で、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会理事だった…
高橋治之氏の自宅と、電通本社に、東京地検特捜部がガサ入れに入ったり。
また、彼にわいろを提供した疑いのある、紳士服販売「AOKI」の青木拡憲前会長の自宅にも地検特捜部の捜査が。
五輪と黒いカネの問題は、以前から公然の秘密ともいわれていましたが…
ここにも政治の関与が疑われています。
五輪招致の中心にいて、リオ五輪の閉会式で、スーパーマリオの恰好をしてパフォーマンスをした…
安倍晋三氏には、どうしても話を聞かなければならなかったところですが、彼は既に故人となっています。
代わりに、組織委のトップだった森喜朗氏、当時の首相だった菅義偉前総理あたりにも、説明責任があります。
この問題も国会審議の必要があります。
また、現在猖獗を極めているオミクロンBA.5への対策、さらに流行を始めた「ケンタウロス」BA2.75について。
また、新たな感染症「サル痘」についてなど。
国としてきちんと対策しなければならない案件が山積みです。
とくにコロナについては、昨日も書いた通り、本当は専用の特措法が必要です。
岸田内閣と与党が、それらをすべて投げだして国会を早々に閉幕し、臨時国会も開かないとすれば…
これはもう、政権が政治を放棄して、ただ自分の足元がヤバいから逃げているだけ、になります。
参院選が先日終わったばかりで、次の選挙まではまだ3年もある状況。
このまま3年も待ったら、もう取り返しがつかないぐらい、国がめちゃめちゃになりますよ。
私たち国民は主権の行使のため、自分の国を守るため、選挙以外に何か抗議の手段を考えて、実行しなければ。
でも、非正規労働者が全体の4割を占める、異常事態になってしまった現在…
ストライキをすれば、雇用の不安定な人、時給で働く人たちは、すぐに生活が立ち行かなくなる。
街頭に出てデモをする習慣は、欧米では、民主主義国家の主権者の、普通の権利行使の手段ですが…
日本人には、もうそれをする習慣がなくなってしまっている。
まあ、私たちにできることは「ネットデモ」ぐらいでしょうか。
街頭に出られないなら(このコロナ禍でもありますし)、ネットの中で…
ひとりひとりがこうした問題を取り上げ、抗議の声を上げて行くしかありません。
一つ一つの声は小さくても、何百万、何千万という人がそれをやれば…
大きな世論のうねりとなって、マスメディアにも影響を与えられる…かもしれない。
もう、それしかないです。
そして今はおそらく、この日本を「いま一度洗濯いたし」て、世直しをする、最後の機会です。
これを逃したら、もう後はありません。
先行きは、国が荒れ果て、人心が乱れに乱れて「マッドマックス」とか「北斗の拳」の舞台のような…
この世の生き地獄のような社会になる。
それでなければ、焼け野原か。
私たちの子や孫たちの世代に、そんな思いをさせたくないと思う人。
今が本当に、ラストチャンスですよ。
それにしても、安倍元総理が亡くなってから、ほんの数週間のうちに…
まるでパンドラの箱のふたが開いたように…
隠されていた、この社会の「臭いもの」がどんどん噴出してくる。
非正規雇用を増やして、国民生活を不安定で貧しいものにしてきた最大の「戦犯」である…
竹中平蔵氏は、なぜか急にパソナの会長職から降り、表舞台から姿を隠しました。
伊藤詩織さんへの性的暴行事件に関する裁判は、結審して法的な決着がつき…
山口敬之氏の「同意なき性交」が実際にあった、という司法判断が確定しましたが…
当時、山口氏の逮捕状を取り消させたとの疑惑がある、中村格警察庁長官も、秋に辞職すると言われています。
安倍氏の影響力がいかに強かったか。
日本の「闇の部分」にふたをして、その上に、漬物石みたいにドンと乗っかっていた存在だったんですね。
私たちが見ていた「美しい国」の姿は、表面を取り繕う薄皮をひとつ剥いでみると…
見るに堪えない、悪臭ふんぷんのグロテスクな実態を現す、そういうものだったんです。
このままだまされ続けていたら、子孫に大変な負の遺産を残すところでした。
いま勇気をださなくて、どうしますか?