デイサービスに行っているところの連絡簿にも...
「おっしゃることが二転三転してしまうのでトラブルになることが多く、注意して接するようにさせていただいています」
と書かれています。
自分で決めたこと、要求したことを端から忘れていってしまう、というのもあるのかもしれません。
私自身もそれで普段から振り回されていまして。
細かいところでは日常の買い物の内容から(もう父は自分で買い物はできません)...
大きなところでは、施設に入るかどうかといった決断に至るまで、二転三転してしまうのです。
それで、私だけでなく第三者にも迷惑をかけてしまい、結果私が謝ることになります。
それなら言われたことをすぐにはやらず、様子を見た方がとも思うのですが、そうすると「なんで動かない!」と怒り出してしまうので。
こうしてぼけて来ると、人間の本質というものが表に出てくるもので...
もともと父には、わがままで自己中心的、思い通りにならないと怒鳴り出したりする、短気なところがあるんですね。
デイサービスで職員の方を手こずらせているのも、分かります。
直近では...
「もうトイレに行くのもしんどくなった。家の中をつたい歩くのも危なっかしい。かといって歩行器を使うのも赤ん坊みたいでみっともない」
「自信がなくなったから、いよいよ施設にやっかいになろうと思うんだ。手はずを整えてくれ」
と言われまして...
母がいるところに父と面談に行き、中も一緒に見学し、そのための書類を整え、医師に頼んで健康診断をしてもらい、診断書も作ってもらい...
持ち込むものも用意して...
さあ、明日は最終手続きをして、入所審査会議にかけてもらう、というところへ来たところで...
「やっぱりやめる」と。
これまで準備万端整えて、そのために時間も手間もお金もたくさんかけてきたのに、と言うと...
「そう言ったって気が変わることもあるんだよ!」
「俺の気持ちが行きたくねえんだからしょうがねえだろ!」
と激しく怒鳴られてしまい。とりあえずすべてキャンセルで、振り出しに戻ってしまいました。
そして今度は、今月末にある、私の祖母(父の母)の三十三回忌法要に出たいと父が言い出しました。
法要をする寺には、かなり急で長い階段があります。
父はもう、杖に頼って摺り足でようやく歩いているので、一段二段の段差でも、手すりにつかまって私の手を借りて、ようやく上がれる状態。
寺に登るのはとても無理なので、当初は欠席の予定だったのです。
それが、急に参加したいと。
階段を上がるしかないんだから無理だよ、と止めても...
声を荒らげて「これが最後の法事じゃねえか!」と。
じゃあ僕がおぶって上がり下りするの?ときくと...
「...大丈夫だ!」と。
一段が狭く急で長い階段を、67kgある父を背負って上がるのは、私には大変なこと。さらに下りるのはもっと危ないです。
妻は、普段鍛えている頑丈な人ならまだしも、運動を全くしてないし、もともと力もないし、還暦過ぎたあなたでは危なすぎるからやめろと。
かといって参加する従兄弟たちはおらず、他は数人の、八十前後の叔父叔母ばかり。父がどうしてもと声を荒らげて言うのですから...
もう命懸けでやるしかないかも。
私だったら息子にそんな危険なことさせようなんて、絶対に考えないですけどね。
我が子より自分の気持ちが大事、なんですね。
今月末でこのブログの更新が止まったら「ああ階段から落ちたんだな」と思ってください。
たとえ大怪我をしても、せめて命はあってくれるといいな、とね。
とにかく...
地域のケアマネさんや施設の相談員さんと接しているときは、愛想良く人当たりのいい老人なのですが、すごく裏表が激しくて、わがままで、辟易するのです。
デイサービスで言を左右して職員さんを困らせているのは、すっかり慣れて遠慮がなくなったので、好々爺を演じるのをやめて、本領を発揮しているのでしょう。
「こっちは客で、しかも人生の先輩なのに○○さん、なんて馴れ馴れしく下の名前で呼びやがったから、一発怒鳴りつけてやったんだ」
などと、武勇伝?を自慢げに語っていたり。
先方は親しみを込めて、距離を縮めるためにそう呼んでくれたのでしょうけれど。怒鳴られてお気の毒。
介護職は難しいですね。
そこでも職員の定着率が低くて、常に人手が足りないと所長さんがこぼしていましたが、仕方ないと思います。
困ったものです。
このままでは、数の多い団塊世代が後期高齢者になる頃は、日本人の介護職に面倒を見てもらうことなど、えらい贅沢になって...
一般人は、言葉の通じない外国の人か、それでなければAI付きのロボットに介護してもらう以外になくなると思います。
家族介護ということになると、今度は「介護離職」の問題が出て来る。
子ども世代の数が、昔と違って少ないのですから。
介護離職が出る分、労働人口が減るわけですから、社会としての生産力はどんどん落ちて行きます。間違いないなく。
そういうこと全部、きちんと考えて本気で対策せず、やってます感を出すだけで...
まあなんとかなるさのノリでいる人が多い気がしますよ。行政側だけでなく、一般人も。
このままだと十年もしたら、にっちもさっちも行かない事態になります。
どうするんですか?
こんなんで、日本の未来は明るいと?ほんとにのんきなこと。
まあ、でも...
そんな風になる前に、このままだとほぼ確実に、戦争がやってきますから。
「老後」どころではない。まずは戦争を生き残れるのかどうか、の問題が先です。
そして「戦後」をどう生き延びるか。前の戦後よりもっと、地獄かもしれない。
そんな世の中を見るのもつらいから、やっぱり父と一緒に、寺の階段から落ちてサヨナラしましょうかね。👋
あ、でも自分だけ死んで、父の方が寝たきりにでもなったら、どうしよう。
施設が見つかるまで、妻は休職して奔走しなきゃいけなくなるのか。
最悪、妻が介護離職...
息子は自分の夢を諦めて、研究職を捨てて、薬の会社の営業マンにでもなる?
親馬鹿だけれど、今の日本...もしかすると世界でもトップクラスの創薬研究の才能を、あたら潰すことになります。
果ては兵隊に取られて、戦死?
それは絶対にいやですね。
なんとか、父の気がまた変わってくれることを祈るしかないです。
でも不思議と、周りが助かる方向には変わらないからな...