◎ 病魔・睡魔。魔が差す・・・など魔が付く言葉が有る。魔が付く言葉の中で悪しき物事が起きる前に、黒いものを視てしまう事が有る。事故も又、事故魔・・とでも言うのだろうか・・予知してしまう事がある。
■ 予知・・・事故篇
一日の仕事が、やっと一段落をすると、やれやれと言った所だ。
次々と仕事は待っているけれど、その合間には、チョットした休憩を取る事にしている。裏庭には、ウッドで出来たテーブルと椅子が置いてある。そこで、いつも休憩をし、一杯のコーヒーを頂いている。
裏庭には、色んな木や花が咲いていて、季節の花を眺めながらぼーっとしている。ささやかな至福の一時である。
庭に隣接した田んぼでは、近所の人が野菜を色々と栽培している。大抵のお野菜は揃っている。綺麗に整えられ見事に育ったお野菜を見るのも気持ちが良い。「あんなに上手に作れたらな~・・。」と何時も関心をしてしまう。
この日も、コーヒーを頂き景色を見ていると、田んぼで叔父さんが、何時もの様に野菜の手入れをしているのが目に入った。仕事に夢中で、こちらには気が付いて無い様だった。普段なら、挨拶をしたり話しかけたりもしているが、邪魔になってはいけないので、この日は話しかけない事にした。
コーヒーを頂きながら、叔父さんの様子を見ていると、「やばい!。」と、思った。体、全体が、黒いもので覆われている・・。「何時もと違う・・。」その黒いものに異様さを感じた。ちょっと怖かった・・。あれは・・・間違いない。魔ものである。
「何かが起きる・・。おっそし~!。」と思った。深くは、関与しない事にし透視を止めた。意地悪では無い。いきなり、「あなた危ないですよ。私が魔物を退治します・・。」なんて、術を施すと相手はビックリしてしまう。術を施し魔物を退治し、無事も無かった場合、「あれは、頭が変だ!。」と言われかねないからだ。噂は、直ぐに広まってしまう。「気を付けた方が良い・・。」と言った所で、魔物を退治しなければ、事態は変わらない・・。嫌われるだけだから、言いたくても言えない場合が有る。
信じて頼って頂ければ、全力投球で救ってみせる。そうやって来たのだから・・。
二日後、その叔父さんは、事故に合った。田んぼで小型の耕運機を使っていて、前進とバックを間違えて、耕運機がバックし転び、体の上を耕運機が走ったらしい。入院をし退院後も長い間、杖をついていた。見る度に心が痛かった。
人は、こう言った事故も交通事故も不運だとか、注意が足らなかった・・と本人のみの責任を問う。勿論、そうでは有るが、それだけとは言い難い見えない部分の力が及んでいる事を知って欲しい。
それは、前もって透視で悪しき黒いものを目撃するから言える事だ。
あの東日本の震災の日の正午の空は、これまでに視た事の無い膨大な悪しき黒いもので覆われていた。震災さえも悪しきものの力が及んでいる。