〇 それから半年後・・・
私には、大切な友達が居た。
過去の話して有り、今は彼女とは音信不通と成っている。
それでも今も私にとって彼女は大切な友で有り、恩人で有る。
優雅で、おっとりとした上品な物腰と話し方・・・知識豊富で
おっとりとした性格の中に、激しい性格も共存していた。
その頃、とにかく彼女は我が家に良くやって来た。
ほぼ毎日、午後からやって来る。
何で気分を害したのか分からないが、心当たりが無いままに、
「もう、あんたの所には行かないから・・・。」
と、急に言い出す事が何回か有った。
が、また平然とやって来る。
そして2月3日の事、彼女から電話が掛かって来た。
例の如く、「もう、あんたの所には行かない。」そう一言
言うと電話が切れてしまった。
私は天に聞いてみた。「今度は、何時、彼女は来るのか?」
すると「半年後過ぎて、助けて欲しいと・・・やって来る。」
そう答えが帰って来た。
それから半年過ぎて、9月の3日に彼女はやって来た。
扉を開けるといきなり「助けて・・・助けて欲しい。」
そう言って私に抱きついて来た。
「私、癌なんよ。大腸癌なんよ・・・助けて!」
そんな言葉が次にでた。
やっぱり・・・。そうだったんだと私は思った。
何時も、彼女は良く温泉に連れて行ってくれた。
近くの大衆浴場ではあるが、代金は何時も彼女が支払ってくれた。
私の経済状態を良く知っていたから、どんなに私が払うからと
頑張っても、決して私に入浴代金を払わせなかった。
お互い、何時も背中の流し合いをしたものでした。
彼女の背中を洗いながら、何時もどうしても手が止まる箇所が有った。
ある時、勇気を出して彼女に「ここ悪いんじゃない?」と
気に成る箇所を押さえ言うと、
彼女は「そこじゃ無く、もっと上がチョッと痛いけど・・何とも無い。」
そう返事が帰って来た。
・・・で、私は、それ以降は何も言わなかった。
ある日の事、何時も通りに彼女の背中を洗っていると、
やはり、その箇所が気に成るもので
私は天に聞いてみた。「この箇所はどうなのか?」
すると、「癌である。」と返事が有った。
しかし、まさか・・こんなに強運に恵まれた人が・・
聞き間違いだろう・・私は無視をした。言え無かった・・。
そう、彼女は、まさしく私が指摘した箇所が癌だった。
彼女に抱きつかれた時、わたしは「やっぱり・・。」
そう思った。
そして、ありありと、癌の様子が目に飛び込んで来た。
つづく
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