今般の東日本大震災による東電福島第一原発の事故は原発事故の深刻度を示す「国際評価尺度(INES)」の評価をレベル5から最悪のレベル7に引き上げた。「チェルノブイリ原発事故並みの事故なのはもともと分かっていたのに、いまさら何だ」と思っているのは小沢元代表だけではない。
しかし、こうした現地の被害者に一縷の期待を抱かせ続け、パニックを避け、無知なる一般人民の人心の落ち着きを待たせるという宥めすかしの政府の表向き方針は、何れにしても直接原発による死者が出なかったので、延々と「たたちに影響が出る量ではない」と言い続け、ウソだろうとは思いつつも1ヶ月は持ちこたえたのであろう。
人の噂も75日。後1ヶ月チョット。ゴールデンウイークが済むころには現地の被害者と関係者と行政の担当者以外は恐らく忘れてしまうのではなかろうか。そうした、災害が過ぎ去るのを頭を下げて待つのはモンスーンの風土に暮らす民族の得意とするところでは無かろうか。
じっとしていても私に何が出来るわけではない。先日岐阜県美濃へ所要で出かけたのだが、たまたま訪れた小倉公園の桜はほぼ満開であったが、この町の春の大イベントであるはずの美濃まつり花みこしは時勢に鑑みて中止だそうだ。私は必ずしも経済を知る訳はないがタダでさえ経済のテンションが落ちている今、こんなに遠くまで経済のテンションを落としてどうするのだ。むしろいつもより派手にして、そこで義捐金でも募る方がまだマシだろう、と「うだつの上がる町並み」で喚いてみた。
さて、今日の中日新聞(110413)に興味深い記事が出ていた。これまでも原発の危険性を訴えていた人はそれなりにいたのであろうが、特にこの記事に興味を持ったのは、たまたま知り合いの人が、京大出身で、以前専攻を聞いたときに「(40年近く前の)学生時代は若狭の方で海に潜って魚ばかり掴んでいた」と言う話で自分勝手に魚の養殖でも研究していたのかと思っていたのだが、どうもそうではなく、原発付近の海水を汲んで「原発からの冷却水に放射能が含まれているのではないか、そしてそれが魚に蓄積されている」のではないかと調査、研究し、それを初めて日本で実証した研究室にいたと言うことである。
で、その結果はまずは地域の人々に知らせたのだが、「原発が出来て、道も良くなった、施設も良くなった、補助金もくれる。何を言うか」というような話だったと言うことだ。それは多分昭和40年代後半の話と言うことになる。下記記事の小出助教も同じ様な思いをしたのであろう。そしてその道を邁進してしまった人なのであろう。続く