詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

経験

2007年11月05日 | うたかた 2007

一年生きれば一年分の         
カオスが深くなるだけ            

人を知れば知った分だけ          
己の孤が広がる   

心深くなるほど明白になる    
深奥の裂傷                        

人の常には余りに不釣り合いな    
自我の不具合                     

年齢はどんどん   
わたしの逃げ道を消してゆく

2007.11.4 pm2:30


終の淵

2007年11月05日 | うたかた 2007

ただ抱きしめられたい          
冬の日の日溜まりのように         

ただ抱きしめられたい            
寒い日の日向湯のように          

それはきっと人の手に在らず      
そのまま眠りたいなら尚のこと    
全てを打ち明けてただ受け入れてもらえる
終の淵を天然に求めて         
いつか行ってしまえばいい         

わたしの負の情動を             
誰に流してもいけない            

早く殺してしまえばいい          
わたしの自我なんて。               

2007.11.4 pm2:16


迷落の無限

2007年11月04日 | うたかた 2007

哀しさは言わない
声は封印
言葉は埋没

漠は独り
雫は独り
誰も耐えられない
途中で帰ります

迷落の無限
連れは痛んだ足

何にもしてないよ
ただ見てるだけ
風が好きだし
打ちつけては引いていく遥か下方の波

神経裸でごめんなさい
なのに生きててごめんなさい

何にもできなくて
ごめんなさい。

2007.11.4 am9:16


折り合い

2007年10月30日 | うたかた 2007

この闇この暗さ   
なんて落ち着くことだろう         
ふいに動かなくなった体はただ横たえておく以外為す術がなく         
お陰で本来のわたしに最も似つかわしい光源の無い部屋で自分を見た   

社会とは一線を画したわたしが浮き上がる          
生業を持てないわたしが底に寝ている               
日常も生活も拒絶したわたしの肢体は               
ゴミための中のゴミと同じだ      
ゴミはいずれ捨てられても         
それ自体極めて常識的出来事だろう                  

わたしが少しでも生きようと思ったら
決して自分を出さないことだ      
少しでも自分を続けようと思ったら
決して言ってはいけない          
言ってはいけない
貝に徹することだ
あらゆる関係とのそれがバランス   
生きることへのそれが折り合い    
ひび割れのひびは人知れず         
深くなるしかないだろう          
人に言ってはいけないと          
学習を増すばかり
自分を見せてはいけないと         
経験は確立している               
それがどういうことかって人に言っても埒は開かない
試しに言ってみたってこれ以上の絶望を増やすことに
意味はない      

わたしの人生の全てが            
言ってはいけないと言っている    
四十六年分の全てが言うなと言っている            
自分の人生でしか考えることが出来ないから         
そうするだけだ   
生き長らえたかったら            
捨てることだ    
自分なんて。   

2007.10.30 pm7 31


ない

2007年09月26日 | うたかた 2007

本が読めない活字が終えない
二行が限界

ギターが弾けないコンバスも始められない楽譜に向かえない音符を追えない
一つの音も

好きだった音楽さえ聴けないというのに
興味あるはずの事柄に心が一つも動かないというのに

故障した手が痛む
書きたい欲求が止まらない

一番言えるはずの人に
言えない

消えたいのに
死ぬことも出来ない。

2007-09-26 16:50


過食

2007年09月25日 | うたかた 2007
最後の逃避、過食。

苦しくて座っているのも難儀。

そして太る。

すでに随分と痩せにくい体。

全てにおいて自己嫌悪。

加速するストレス。

こらえきれず逃げ込む。

その先は過食。

結果は肥満。

悪循環の

堂々巡り。
2007.9.25 pm12:40

最後には

2007年09月25日 | うたかた 2007

どんなに自分がダメだと思っても
どんなに自分はあなたに相応しくないと思い詰めても
どれほどこの崩れた体を目の当たりにしても

やっぱりあなたが好き

それは何ら変わることなく
それどころか
本当に日々目が覚めるたびに新たな恋をしているみたい
毎日子供のように無邪気にあなたを好きな自分に出会っているの

親を請う子供のようにあなたを請い
子を慈しむ親のようにあなたを願い
恋する女そのままにあなたを求める

最後にはどうしても
あなたが好き
な自分だけが残ってしまうの

あなたが好きなだけ
なわたし

何故あなたは
わたしをこんなにも許してくれるの?

わたしの純粋な
架空の夢。

2007年09月13日 11:06
A氏の作品に


言えない

2007年09月25日 | うたかた 2007

だって言えない
一緒とか 将来とか
今更のわたしだものそんな図々しいこと
身の程知らずなこと

厚顔無恥
厚顔無恥

あなたの人生に係わること
それをわたしなんかの為に乱してはいけない
わたしが所以であなたの人生に重い石を投げてはいけない
そんなことしちゃいけないそれは出来ない

あなたの人生の根幹にわたしが踏み入ったりしたら
あなたを汚してしまう
わたしのせいで

だってわたしはもうボロボロ
何もかもボロボロ
体も心もよれよれ
あなたに相応しくない

だから言ったらダメ
だから言うの我慢するの

わたしの純粋な
架空の夢。

2007年09月13日 10:33
A氏の作品に


あなたのこと

2007年09月25日 | うたかた 2007

あなたのことが好きで好きで
あなたのこと好きな気持ちだけが溢れて溢れて
こぼれてもこぼれてもどんどん溢れて

一人歩きしてしまう
止めることなんてできないの

他のことが何にもできないのに
あなたを思う気持ちは尽きることなどあり得なく

毎日が新しい恋の始まりみたい

生活のことも自分の事も出来なくなってしまったわたしなのに
あなたのことが好きで好きで
泣いてしまうほど好きで

あなたを思うことだけに生きているの
あなたを思う世界でしか生きられない
自分になれない

いいのかな
わたし

わたしの純粋な
架空の
夢。

07.8.20 pm4:43
A氏の作品に


2007年09月25日 | うたかた 2007

あなたに触りたい
毎日触りたい

毎日ハグしたい
毎日キスしたい

毎日そうしたい
毎日抱っこしたい

したい したい したい

毎日一緒にいたい
あなたと一緒に暮らす
毎日一緒にいる

あなたのために料理を作り
あなたのために掃除をし
あなたのために洗濯する

一緒に食事して
一緒に寝る

一緒に散歩して
一緒に出かけて
一緒にドライブして

行ってらっしゃいのキス
おかえりなさいのキス

待つ
あなたが帰ってくるのを待つ
あなたが帰ってきたら
とっても嬉しい
誰よりあなたに会いたいから
一緒にいたいから
嬉しい

そして一緒に寝る
抱き合って一緒に寝る
一緒にいる



だからいい
夢だから
見ていれば

わたしの純粋な
架空の
夢。

2007.8.20 pm3:36
A氏の作品に


たった一日の空白で

2007年09月25日 | うたかた 2007

わたしの純粋な
架空の夢

あなたへの通信が
たった一日途絶えるだけでわたしは
性格が変わる

世界が落ちて
視界が空(から)になって
自分が空(くう)に浮いている

その後一瞬で落下して全てが消える
先の見えない土の地平線
土の上に寝ている
永遠の土以外は何も無い
土だけ
あとは曇天の空永久

あなたを絶たれたわたしは
蠢く虫。

2007.8.19 pm8:44
A氏の作品に