詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

流れ

2010年09月12日 | 空の森 2009
人の苦しみはそれが本物なら
人は信じない
本物であるほど
信じない

本物の苦しみは行き場もなく共感もなく出るところを知らずくたくたに螺旋をのぼり10年づつに無駄に肥え太り
箱の中身は縮んでく

身も心も
医者にさえ会いたくない
聞きたくない
喋りたくない

医者にかかるとは
なんと健康真っ当な心の行為だろう

何ヶ月かかれば
服が着られるだろう

誰も他人の災難になんか係わりたくない
私も私の災難なんかに係わりたくない

何年も何十年も
ただ座って
黙って
時が行ってくれるのを待ち続ける

三年前に
一匹の猫が死んでしまった
三匹の猫も
もう数年かで死んでしまうだろう

わたしが自分を気にせず微笑みかけられる相手が
いなくなる.

2010.9.10 am2:35