詩のノォト fossil in blue

生涯にわたる詩のブログ、生と死に揺らぐ詩、精神の暗く重い音のない叫びの詩

土台

2008年03月24日 | うたかた 2008
この、土台の崩れた建物の上に
何を築く
何も築くことはできない

いつ崩壊してもおかしくない危ない家の中に
わたしは住んでいる

このいつ崩れてもおかしくない危険な家は
巷に吹く心地よいそよ風でさえ
花を薄っすらと湿らせる程度の霧雨のような僅かな雨でさえ
その普通ならばあろうはずのない刺激にもならないような微々たる刺激で
一生を棒にふるほどの、人生を変えてしまうほどの打撃を受けて
まるで塵あくたの埃とおんなじだ

どこにだって捨ててしまう
自分を

廃墟のような守りのない心は
容易く自分を土の中に
埋めてしまう。

08-03-21 19:42


実感

2008年03月24日 | うたかた 2008
どうしても自分を現実に繋ぎ留めておくことができない
触れている間だけだ

離れたら、わたしの中には残らない
わたしの中には地がないから

何をも
繋ぎ留めておくことができない

何てカラカラ
希薄

残したくても残らない

わたしには地がない
大地は存在しない

幽霊ですか。

08-03-21 19:19


自壊

2008年03月19日 | うたかた 2008
自分に土台が無いというのはこういうことなのだろう
この尋常ならざるメンタルの不安定さは
如何ともしがたい
他によらず自らの内部から崩れていく

ひしと脳裏の根幹で自覚しつつも
どうすることもできない
底へ底への落下を極めて冷静沈着かつ客観的に見極めながら
成すがままにしかできない

明日は明日の風なんか吹かない
何にもしてないのに、風の吹きようがあろうはずもない

メンタルの不具合を素直に感知し様々な症状を出してくれる体の訴えに
メンタルは更に念を押され烙印を押され証明され嬉しかないよ

しこたま薬飲んで
眠り呆けたい。

2008-03-19 19:52




平日昼過ぎの萎縮

2008年03月19日 | うたかた 2008
玄関の
ドアの前人が通る
恐怖心が緊張を呼ぶ
胸の中がギュウと縮こまって
身が固くなる

平日昼過ぎ毎日マンションの管理人がドアの前にやってくる
掃除という彼の仕事をするために

わたしは
そのことを毎日のように忘れ
平日昼過ぎ毎日のように突然の人の気配と物音に驚き
平日昼過ぎ毎日のように恐怖心が緊張を呼び胸が詰まり
身が固くなる

なんと怖いのだろうドアの前を人が通過するという事象は

願わくば誰も
アポイントなくうちには来ないでね
そしてピンポンも
押さないでね

そっとしておいて
ください。

08.3.19 pm2:43




春は来る

2008年03月19日 | うたかた 2008

Akai

春は来る
春は来て

命は素直に
生まれる

何も選ばない
ただ
あるがままに
あるがままを
飄々(ひょうひょう)と受け入れて

分を嘆かず
息づく

小さな妖精の
遊園地の
楽しげに

生まれていい
始めていい

心根の純朴な音には何回だって
春は来る。

08.3.18 pm11.37
photo「赤いニョキニョキ」by bho


凌駕

2008年03月19日 | うたかた 2008
Qwhat_do_you_see_3


どんな不条理に晒されても
この泰然さはどうだ
なんと見事な立ちっぷりじゃあないか、君

風がどうした
雨がどうした

自業自得を愚痴って嘆いて恨んで
憤懣遣る方無い自己憐憫を撒き散らす
我々人間とは大違いだ

君の潔(いさぎよ)さは
人類ののたまうアートなんかは諸共しない

風を嗅げるだろう
空と語るだろう
鳥は来るだろう

やがて命は
繋がるだろう。

08.3.18 pm10:48

photo 「Q:What do you see?」by bho



真実の音。

2008年03月18日 | 白い小石-M君の。
わたしの罪は
君を7ヶ月放っておいたこと

その罰は
君の自殺

カラカラ音がしているよ
何も引っかからない空転する音が
聞こえているよ

ただ カラカラ カラカラ 
いつまでも空転する音

誰も居ない部屋で
わたしが死ぬまで空転する、渇いた音

あまりに虚しい
真実の音
空無な音。

karakarakara
karakarakarakarakara・・・

08.3.18 am3:40


わたしは逃げた

2008年03月18日 | 白い小石-M君の。

君を敢えて死なせてしまった
事実でしょう
誰がどう言ったって
事実は事実

君はすでに死んでいるのだから
その事実は二度と変えることはできない

それが事実

わたしが君から逃げないで新幹線に乗ってさえいたら
君はあの日、自殺しに家を出ることは無かったと思うよ

わたしが逃げた
わたしは逃げた

それが事実
君を敢えて死に向かわせた事実

わたしは敢えて君を死に追いやった
それが、事実。

2008.3.16 pm7:13


取り返しのつかない7ヶ月

2008年03月18日 | 白い小石-M君の。

4月に会ったのが最後、11月に死ぬまでの7ヶ月
わたしには文字通りの7ヶ月でも
その間君に流れていた時間は
わたしの2倍、3倍の量だったんだよね

わたしは、
また会いに行くのが自明の理のことと思って高をくくっていた

それじゃあ君には遠すぎた
時間も
事象も
わたしも

遅すぎた

新幹線に乗ればいいだけのことなのに
それを7ヶ月しないで
君を放っといたわたしの、罪と、罰。

2008.3.16 pm6:56


真っ暗

2008年03月17日 | うたかた 2008
真っ暗
なんて落ち着いていいんだろう

真っ暗
やっぱりわたしの避難所

何も見えないって
なんて神経を刺さないんだろう

こうして眠って
次に目覚めることなく死んでしまえたら

どんなにかいいだろう

08.3.17 am4:19





月の光り

2008年03月15日 | うたかた 2008

君は
海で大地で山で
故郷のようだ

無邪気にはしゃぐ子供のようだ
泣く子を抱く揺りかごの手だ

君の懐の深さ
不変の深海

君に救われて甘えて支えられてばかりの僕
同じことを
君にしてあげられるだろうか

何より誰より愛しい君

僕は
夜毎君の眠りを優しく包む
月の光りになりたい。

pm9:54