余花 2023-04-20 07:06:41 | 日記 晩学のレシピに笑ひ余花の家季語 余花 夏の季語である。初夏にまだ咲き残っている桜。参観や北国に見られる。春の季語としては残花を用いる。残花。花時も大方過ぎた晩春の頃に、まだ散り残っている桜のこと。初花とはまた異なる趣があり、懐かしさが感じられる。歳時記抜粋。掲句 ここでは高齢の婦人。なぜ余花にしたのかあはは。余花といふ消えゆくものを山の端に 大串 章
杉菜 2023-04-19 07:41:25 | 日記 ブロックの僅かの隙間杉菜かな季語 杉菜 トクサ科・トクサ属でシダの仲間である。土筆が姿を消す頃、同じ地下茎から生えてくる。土筆は胞子茎、杉菜は栄養茎とよばれるが、養分の豊かな場所だと杉菜ばかりが茂り、逆に養分の少ないところでは土筆がたくさん生える。茎には節があり、その節の部分に枝葉を輪生して成長していく。全体が円錐形で草状が杉の木に似ているところから杉菜と名付けられた。節のところからたやすく抜けるので、抜いたり継いだりする遊びをしたことかに継松とも呼ばれる。歳時記抜粋。例句 すさまじや杉菜ばかりの丘一つ 正岡子規
ひばり鳴く 2023-04-18 08:26:11 | 日記 そよ風に風車が応えひばり鳴く季語 ひばり ヒバリ科。 日本各地の麦畑や草原などの地上に巣を作る小鳥。羽色は黄褐色で斑がある。繁殖期に縄張りを宣言すため雄は、ピーチュル、ピーチュルと盛んに囀りながら空高く舞い上がる。これを揚雲雀とよぶ。天心にも届くかと昇りつめると鳴き止め一転して一直線に落下する。これが落雲雀。洋の東西を問わず、古来 詩歌に天界と地上を結ぶ善良な使者の趣を歌われた。例句 雲雀発つ世に残光のあるかぎり 山口誓子
啄木忌 2023-04-17 08:16:32 | 日記 方言を孫に伝えて啄木忌季語 啄木忌 四月十三日。歌人石川啄木の忌日。啄木は明治十九年岩手県生まれ。「明星」派の詩人として登場したが、小説家を目指して代用教員、新聞記者をしながら北海道などを転々とした。明治四十二年に校正係として東京朝日新聞社に入社。翌年、三行書きの歌集「一悪の砂」を出した。愛唱性に富む歌が啄木調。鋭く時代をえぐった「時代閉塞の現状」などの評論も知られる。明治四十五年没。二十八歳。歳時記抜粋。 例句 啄木忌友訪ひ歩きすべて留守。 高柳重信
初蝶 2023-04-16 10:55:13 | 日記 初蝶や三年日記の赤い線季語 初蝶 春になって、その年初めて見かける蝶のこと。モンシロチョウやモンキチョウなとの淡い色の蝶であることが多い。目の前に不意に現れるので、幻を見たかのように立ちすくんでしまう。驚きは歓びに変わり。その行方を目で追ううちに心がときめいてくる。歳時記。掲句 去年は四月21日だった。例句 初蝶のまだ海を見ぬ白さかな 永田英子