『おおたにっ…どかーん♪』
ぎゅっと背後から抱きついてくるリサは
まさに風呂上りの状態で…
少々ボリュームが残念とかタオル越しとはいえ
その…胸を押し付けてくるから
思考はおかしな方向へと飛びそうに…
って あかんあかんオレは今仕事中や。
ぶんぶんっと頭を振って煩悩とか雑念を払いのけ
ついでにリサの手も(残念やけど)払いのけた。
ありったりの平常心を寄せ集め
ぷぅっと膨れとるリサにびしっと言ってのける
『リサ邪魔。』
『えーー』
『えーやない。オレは今テストの採点中やねん。
さっさとパジャマに着替えんと風邪ひくぞっ』
『ん。』
短くかえって来る返事と『ごめんな』って言葉に
オレの平常心は揺らぎつつあるものの
今リサの相手をしとる場合やない。
気合を入れなおして赤ペンで採点をしていく。
あー こいつ答え1個ずれとるやんけ
こっちは名前忘れとるし… 用紙の裏に壮大なイラスト書いとる奴もおる
ん?
視線を感じ顏を上げると パジャマに着替えニコニコと笑うリサ。
『リサ?』
『あぃ』
『おまえ なにじーーーーっと見とんねん』
『えっと大谷先生。』
『なんでやねん。』
『せやかて 暇なんやもん それに…仕事してる大谷 かっこええもん』
はっ?かっこええといわれて顔が熱くなってくる
『暇って… ほら会社から仕事持って来たんをやるとか…』
『全部終わったもん。だから』
大谷先生の仕事っぷり見てたいの。
と言われても
そんなに見つめられると進む仕事も進まんくて…
明日早めに学校行ってやっても間に合う
オレは鞄に解答用紙を仕舞い込んだ。
『えっ?終ったん?』
『ん。終了。』
だから…
いくらでも くっついてもええねんぞってゆったら
リサは嬉しそうに抱きついてきた。
『大谷の事補給させてな。』
お安い御用や(笑)
END