
『やっぱ秋の味覚って誘惑スレスレやんなぁ…』
『はぁ?』
『だから魅力的やねん。(ぱくっ)』
公園のベンチ
リサは ホクホクの笑顔でホクホクの焼き芋に食らいついた。
聞こえてきたピーー♪って音の方向にダッシュして焼き芋こうてきて
ぱきんっと焼き芋を割って『はい 大谷 はんぶんっ♪』って手渡してきた
『けどほんま秋って おいもさんとか栗とかかぼちゃとか…美味しいんいっぱいやんなぁ 迷ってまうわ』
『リサ この間行った茶店でめっさ悩んどったもんなぁ』
『だってさぁ…全部食べたら太るやんかぁ』
別にちびっと位太ってもええと思うけどってゆうたら
思いっきし睨まれた。
『あっ せや今日って…』
何かを思い出したリサは オレの顔に人差し指をにょきっと差し出した。
『トリック・オア・トリート』
『はい?』
『トリック・オア・トリート なんかくれんかったらいたづらすんでっ』
いたづらって…。そっか今日はハロウィンか(笑)
オレは思わず手に握ってた焼き芋の残りを差し出した。
『って たべかけやんっ!!!』
『あほか急に言われてもなんもないっちゅうねん…』
『けちぃー『いらんなら返せ』』
取り上げようとしたらリサは『もらったもんはあたしのん♪』って
笑顔で焼き芋を頬張った。
躊躇なくオレのんを食べてしまうやなんて ほんまこいつオモロイ。
『リサ トリック・オア・トリート』
『えっ?』
『なんかくれんかったらいたづらすんぞ』
『もぅ食べもんない…ってちょっと待って カバンの中に…』
オレの欲しいもんは…
耳元で告げたら 夕日のように真っ赤なリサが『あほ…』って笑った。
end