抵抗もむなしく8月3日がやって あたしはアンリと結婚する。
それは人の心を弄んだ報いなのかもしれへん。
鏡の前におるあたし…めっちゃ嫌な顔してる。
『リサ 日本からお客さんだよ。』
アンリに言われて振り向くと そこには…
『大谷…。』
『リ…こ…小泉おめでとう。』
他人行儀な苗字呼びして スーツ姿の大谷が立ってた。
あたし 大谷の事無視して逃げたのに…
あんなひどい別れ方したのに…
おめでとうって笑いかけてくれる大谷
あたしは2人の間に出来てしまった距離を感じ大谷を遠くに思った。
大谷…そんな風にあたしに笑いかけてくれるんは
もう あたしを恋人として見てなくて吹っ切ったから?
大谷の結婚は勘違いだとしてもあの女の子と…なんかシタ?
聞きたい 聞けない 聞く権利がない
知りたい 知りたくない 知る権利がない
『小泉 ドレス似合っとるで…孫にも衣装やな(笑)』
他の男(アンリ)の為に着たウェディングドレスを大谷は綺麗って誉めた。
『孫ちゃうよ。あ…あたしはモデルやもん(笑)』
『せやな…』
声が震えそう。涙が出そう。あたしは大谷から視線を外した。
MIOがおとんの代わりにあたしの手を引いてバージンロードを歩く
あたしを待っているのは アンリ。
あたしが大谷の事ずっと好きでもいいから ずっと愛すからと言ってくれた
きっといつかあたしアンリと結婚してよかったと思えるはず…
MIOからアンリへと手を移そうとした時
『…あかん。やめた。』
って 声が礼拝堂に響いた。
声の主は大谷?
驚いたあたしをじっと見つめながら
バージンロードをずんずんと歩いてあたしの隣に立った。
『大谷…。』
『…ごめん。ムリ やっぱりリサをアイツに渡さん。』
大谷はあたしの手をぎゅっと握り身体を引き寄せる。
そしてアンリを睨みつけた。
『おまえに こいつはやらん。小泉…リサはオレのんや返して貰う。』
そう宣言すると今度はあたしを睨みつける。
何今更勝手な事ゆうてんのよ…。
『リサ なにしとんねん。』
『えっ?』
『いくぞっ こんな所長居は無用じゃ』
大谷に引きずられながらあたしは今きたバージンロードを戻った。
不謹慎でもうあたしはめっさ嬉しかった。
『大谷 離してっ アンリが…』
『オレ ずっとずっと好きで大切な奴がおる。これから そいつにプロポーズする…』
『えっ…あの…』
大谷は スラックスのポケットから小さな白い箱を取り出した。
『リサ。オレはずっと…おまえだけやった。
せやのに不安にさせたり誤解するような事ばかりして…ごめん。
悪いんはオレや…。失ってみておまえの大切さわかった。』
『大谷…。』
その言葉にあたしは流れ出した涙を止める事ができひんかった。
大谷はハンカチをあたしに手渡してから立ち膝をついた。
『…結婚してくれへんか。いや…してくれ。』
小さな箱を大谷があけるとそこには ダイヤのリングが輝いてた。
大谷は『給料3か月とちょい分やぞ』って笑う。
『リサ…』
ちょっと緊張気味な大谷が、恐る恐るあたしに手を伸ばした
その温かい手が、あたしの頬に触れて涙を拭った。
なぁ
夢じゃないよね?
あたしは大谷の手に触れた。
『…大谷 あたしとぜぴ結婚してください。大谷をしあわせにしますっ!!』
『ぶっ…なんやねんおまえは…』
『ちょっとひとが…』
『人がってオレが先に リサにプロポーズしたんやけど?』
『あっ…』
大谷はとびきりの笑顔で『おまえには降参。』って笑う。
全然ロマンチックやないけど あたしらやもん。これでええやんな。
『2人でしあわせになろ。』
『うんっ大谷。』
笑顔で両手広げる大谷の腕の中にあたしは飛び込む。
ぎゅっと抱きしめられると胸がきゅんと疼いた。
『おかえり リサ…』
『ただいま大谷。』
抱き締める力を強めると ばぁーんっと扉が開いてそこにアンリが立ってた。
『Felicitations』
(おめでとう)
『アンリ…』
『なぁ 今あいつなんてゆうたん?』
『そっか日本語で話さないとね。おめでとうリサ。』
抱き合ってたんを思いだしてあたしらは離れる。
『ごめんなさい。アンリ・・・あたしやっぱり結婚できひんくて…。
もしマスコミとかに謝罪とかやったらあたしが…』
『オレが悪いねんだからオレが…』
『ふたりとも…。』
アンリはあたしらに近づいてきた。
『実はマスコミにはとっくの昔に もう結婚はなくなったって連絡してあったんだよ。』
『えっ?』
『意地っ張りな二人にボクからのドッキリ?
最初からリサはボクと結婚してくれるなんて思っていなかったよ。
だってリサの心はいつでも大谷くんの事だけ求めていたから…』
♪リンゴーン・・・・リーンゴーーーーーン・・・・・♪
アンリがあたしと大谷に用意してくれたのは海辺にある小さな教会。
ふたりだけの結婚式を祝福する鐘の音はあたしたちの永遠の始りの福音。
大谷と手を繋いでゆっくりとバージンロードを歩いて神父さんの目の前へ立つ。
『汝 大谷敦士。』
『はい』
『あなたは貧しいときも病める時も永遠に死が二人を別つまで、愛し合うことを誓いますか?』
『はい誓います。』
『リサ…あなたも』
神父さんの柔らかな声が聞こえる中
あたしは卒業してから今日までの事を思いだしていた。
東京へ行くこともフランスに行くことも全部応援してくれた大谷。
途中いろんな勘違いもあったけど あたしらは今ここにいる。
胸が熱くなって涙が溢れそうになる…。
『誓いますか?』
誓います それだけの言葉が涙に邪魔されて…声が震えて出てこない。
『リサ…大谷 リサ?』
『リサ』
神父さんと大谷が心配顏であたしを見つめる。
『誓います…あたしも大谷と同じです。』
そして久しぶり。今度は夫婦として初めての誓いのキス・・・。
そっと大谷があたしのヴェールを上げた。
『リサ…愛しとるで…。』
『あたしも大谷の事…。』
2人だけの結婚式。
なぁ 大谷 あたしらもっともっと幸せになろうなっ
それは人の心を弄んだ報いなのかもしれへん。
鏡の前におるあたし…めっちゃ嫌な顔してる。
『リサ 日本からお客さんだよ。』
アンリに言われて振り向くと そこには…
『大谷…。』
『リ…こ…小泉おめでとう。』
他人行儀な苗字呼びして スーツ姿の大谷が立ってた。
あたし 大谷の事無視して逃げたのに…
あんなひどい別れ方したのに…
おめでとうって笑いかけてくれる大谷
あたしは2人の間に出来てしまった距離を感じ大谷を遠くに思った。
大谷…そんな風にあたしに笑いかけてくれるんは
もう あたしを恋人として見てなくて吹っ切ったから?
大谷の結婚は勘違いだとしてもあの女の子と…なんかシタ?
聞きたい 聞けない 聞く権利がない
知りたい 知りたくない 知る権利がない
『小泉 ドレス似合っとるで…孫にも衣装やな(笑)』
他の男(アンリ)の為に着たウェディングドレスを大谷は綺麗って誉めた。
『孫ちゃうよ。あ…あたしはモデルやもん(笑)』
『せやな…』
声が震えそう。涙が出そう。あたしは大谷から視線を外した。
MIOがおとんの代わりにあたしの手を引いてバージンロードを歩く
あたしを待っているのは アンリ。
あたしが大谷の事ずっと好きでもいいから ずっと愛すからと言ってくれた
きっといつかあたしアンリと結婚してよかったと思えるはず…
MIOからアンリへと手を移そうとした時
『…あかん。やめた。』
って 声が礼拝堂に響いた。
声の主は大谷?
驚いたあたしをじっと見つめながら
バージンロードをずんずんと歩いてあたしの隣に立った。
『大谷…。』
『…ごめん。ムリ やっぱりリサをアイツに渡さん。』
大谷はあたしの手をぎゅっと握り身体を引き寄せる。
そしてアンリを睨みつけた。
『おまえに こいつはやらん。小泉…リサはオレのんや返して貰う。』
そう宣言すると今度はあたしを睨みつける。
何今更勝手な事ゆうてんのよ…。
『リサ なにしとんねん。』
『えっ?』
『いくぞっ こんな所長居は無用じゃ』
大谷に引きずられながらあたしは今きたバージンロードを戻った。
不謹慎でもうあたしはめっさ嬉しかった。
『大谷 離してっ アンリが…』
『オレ ずっとずっと好きで大切な奴がおる。これから そいつにプロポーズする…』
『えっ…あの…』
大谷は スラックスのポケットから小さな白い箱を取り出した。
『リサ。オレはずっと…おまえだけやった。
せやのに不安にさせたり誤解するような事ばかりして…ごめん。
悪いんはオレや…。失ってみておまえの大切さわかった。』
『大谷…。』
その言葉にあたしは流れ出した涙を止める事ができひんかった。
大谷はハンカチをあたしに手渡してから立ち膝をついた。
『…結婚してくれへんか。いや…してくれ。』
小さな箱を大谷があけるとそこには ダイヤのリングが輝いてた。
大谷は『給料3か月とちょい分やぞ』って笑う。
『リサ…』
ちょっと緊張気味な大谷が、恐る恐るあたしに手を伸ばした
その温かい手が、あたしの頬に触れて涙を拭った。
なぁ
夢じゃないよね?
あたしは大谷の手に触れた。
『…大谷 あたしとぜぴ結婚してください。大谷をしあわせにしますっ!!』
『ぶっ…なんやねんおまえは…』
『ちょっとひとが…』
『人がってオレが先に リサにプロポーズしたんやけど?』
『あっ…』
大谷はとびきりの笑顔で『おまえには降参。』って笑う。
全然ロマンチックやないけど あたしらやもん。これでええやんな。
『2人でしあわせになろ。』
『うんっ大谷。』
笑顔で両手広げる大谷の腕の中にあたしは飛び込む。
ぎゅっと抱きしめられると胸がきゅんと疼いた。
『おかえり リサ…』
『ただいま大谷。』
抱き締める力を強めると ばぁーんっと扉が開いてそこにアンリが立ってた。
『Felicitations』
(おめでとう)
『アンリ…』
『なぁ 今あいつなんてゆうたん?』
『そっか日本語で話さないとね。おめでとうリサ。』
抱き合ってたんを思いだしてあたしらは離れる。
『ごめんなさい。アンリ・・・あたしやっぱり結婚できひんくて…。
もしマスコミとかに謝罪とかやったらあたしが…』
『オレが悪いねんだからオレが…』
『ふたりとも…。』
アンリはあたしらに近づいてきた。
『実はマスコミにはとっくの昔に もう結婚はなくなったって連絡してあったんだよ。』
『えっ?』
『意地っ張りな二人にボクからのドッキリ?
最初からリサはボクと結婚してくれるなんて思っていなかったよ。
だってリサの心はいつでも大谷くんの事だけ求めていたから…』
♪リンゴーン・・・・リーンゴーーーーーン・・・・・♪
アンリがあたしと大谷に用意してくれたのは海辺にある小さな教会。
ふたりだけの結婚式を祝福する鐘の音はあたしたちの永遠の始りの福音。
大谷と手を繋いでゆっくりとバージンロードを歩いて神父さんの目の前へ立つ。
『汝 大谷敦士。』
『はい』
『あなたは貧しいときも病める時も永遠に死が二人を別つまで、愛し合うことを誓いますか?』
『はい誓います。』
『リサ…あなたも』
神父さんの柔らかな声が聞こえる中
あたしは卒業してから今日までの事を思いだしていた。
東京へ行くこともフランスに行くことも全部応援してくれた大谷。
途中いろんな勘違いもあったけど あたしらは今ここにいる。
胸が熱くなって涙が溢れそうになる…。
『誓いますか?』
誓います それだけの言葉が涙に邪魔されて…声が震えて出てこない。
『リサ…大谷 リサ?』
『リサ』
神父さんと大谷が心配顏であたしを見つめる。
『誓います…あたしも大谷と同じです。』
そして久しぶり。今度は夫婦として初めての誓いのキス・・・。
そっと大谷があたしのヴェールを上げた。
『リサ…愛しとるで…。』
『あたしも大谷の事…。』
2人だけの結婚式。
なぁ 大谷 あたしらもっともっと幸せになろうなっ