ジャズピアノライブを自分に課すことによって、
それに向かって準備し、
そして本番中に自分の求める世界に近づけることは
この上ない喜びです。
今回、まったく完全インプロビゼーションの曲を
一曲披露しましたが、まったく何が出てくるか
わからない状態でピアノを弾いていく中で、
ある瞬間トランス状態に入ることが
あります。
インプロビゼーションとはいっても、
やはり自分の好きなコード進行があるわけで、
また一定の旋律的なテーマが自然と右手の中で生まれると、
それを繰り返したくなるのですが、まさに
フーガ形式のようなテーマを追っかけるということを
無意識にやっているのです。
若いころに、音を体に叩きこむというのは
とても大切なことです。
10代の頃に聞いた音楽が自分のフィルターを通して
新たな音楽として立ち上がってくるのです。
それを目の当たりにしながら次の音を
つないでいく作業は実に楽しく、
まさに音楽の渦のなかに
自分がいるのを眺めている感じです。
興に乗って音楽を紡ぎだしていながら、
ものすごく集中できる自分がいて、
それを眺めている自分もいて、
まさに音の塊(クラスター)を受け止めながら
音と一体になる瞬間があるのです。
これは、音への憑依であり、
音との一体化と言ってもいいでしょう。
まさに音に没入する境地です。
これはこのベーゼンドルファーというピアノだからできることで、
写真のピアノですが、もう5年もここでライブをやっていると、
まるで、騎手が馬にそっていく如く、
人馬一体となりながら音のクラスターの中に埋没できる
稀有なピアノです。
そういう意味で、このピアノは私自身を成長させてくれる
ピアノであり、友人であり、恋人でもあるのです。
ピアノをそこまで人格化していいのかと思うでしょうが、
これは偽らざる私の心境です。
自分自身の成長をライブという形で確認できます。
また、リスナーからも色々と演奏後
コメントを頂き、それもとても
次への励みになります。
今年もライブとオリジナルを増やすことを
目標に頑張っていきます。
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