投資家の目線

投資家の目線792(大阪取引所に原油等指数先物上場)

 日本取引所グループの大阪取引所は、来年秋に米国CMEグループが算出・公表するCME原油等指数に連動する指数先物を上場する。構成比率はWTI先物72%、RBOBガソリン先物13%、ULSD(軽油)先物15%となっている(「CME 原油等指数先物の上場について」 2020/9/29 日本取引所グループプレスリリース)。東京商品取引所にはドバイ原油先物やガソリン、灯油、軽油の先物やスワップが上場している。大阪取引所の原油等指数先物は、完全ではないにしても東京商品取引所の商品をある程度代替するものになるだろう。コスト削減のため東京商品取引所から撤退した証券会社にとっても代替商品になる。

 同グループの東京証券取引所には原油や天然ガス、ガソリンのETF、ETNが上場されており、東京商品取引所でしか扱っていない商品は、試験上場中の電力先物ぐらいか。しかし、電力先物は大手の参入が進まず、課題を残している(「電力先物、大手の参入進まず 試験上場1年」 2020/9/28 日本経済新聞電子版)。経済産業省所管のエネルギー市場取引所の存在意義は薄れている。

 なお、東京商品取引所の取引システムは2016年9月20日より、日本取引所グループのデリバティブシステムJ-GATEで運用されている。東京証券取引所のシステムトラブルで名古屋証券取引所などでも売買できなくなったように、取引システムが同じなら取引所を分散させてもシステムトラブルに対するリスク分散にはならない。
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